雇用形態にこだわらない

こんにちは。あゆおと申します。3歳年下の夫と小学5年生の息子と三人で暮らしています。普段ははてなブログで子育て漫画や、オタクな母であることに苦悩する漫画を描いていたりします。
オタク夫婦のサラブレッドがどう育つかはこちらの記事をご覧ください。

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高校を卒業して就職した会社を10ヶ月で退職し、その後9回ほど転職を繰り返してきました。ちょうど今年で社会人になって20年が経ち、現在はフリーランスとして自宅で漫画やイラスト関係のお仕事をしています。

どこの会社で雇っていただいても長く続けることのできないやつですが、何とか20年働き続けることができました。ワーキングマザー歴は11年目です。
家事が苦手で食洗機とルンバを導入しましたが、それでも面倒な気持ちをおさえられず、滞ることの多い日々をおくっています。

正社員で働く=安定だと思っていた

私の父は小学生の頃に交通事故で亡くなり、公務員だった母親に「正社員じゃないと生きていけない」と言われて育ちました。母が公務員で専門職だったから、父がいなくともそれなりに豊かな暮らしをさせてもらったんだと思っています。

私はフラフラと転職を繰り返して適当に生きてきたのですが、28歳で結婚して子供が生まれてからは、夫に何があっても大丈夫なように、私自身がそれなりに安定した仕事に就き自立していなくては……と考えるようになりました。父を突然亡くしたことが今でも忘れられず、夫が突然いなくなってしまうことを常に恐れていました。子供のために自立して暮らしていけることを想定して、正社員で働くことにこだわっていました。

独身の頃から働いていた会社で育休を取得し、復帰後は子供は保育園に預けて働いていましたが、毎日残業が20時まである環境でした。

子供が5歳になる年に「このままだと小学生になったら子供を何時間家で待たせることになるんだろう……」と不安になり転職を考えるようになりました。

雇用形態にこだわらないことを決めた理由

私はどんな会社に雇っていただいても、長く勤務することができませんでした。どうしても週5日会社に通うことが続けられなかったんです。週5でちゃんと通っている人を尊敬しています。どうやって火曜日とか乗り越えているのか聞いてみたい。もう週5無理。ほんとつらい。30代になってからマシになりましたが、20代前半の頃はシフト制じゃないと仕事が続きませんでした。

ドラゴンボールでいえば、月曜日は金曜日が蛇の道の先にある界王星くらい遠く感じたのです。どこまで進めば金曜日にたどり着けるのかもわからない永遠にも感じる長さの道をひたすら歩かなくてはいけないような感覚でした。金曜日————!!早くきてくれ————!!!とベジータとナッパの襲来を受けて悟空を待つクリリンさながらに叫びたくなる日々でした。

子供の小学校入学が視野に入り転職を検討した際に、自分がそういう性格なら今後も転職を繰り返してしまう可能性が高いし、今は雇用形態にこだわらずに働いて、多少収入が減っても子育てと家事をする時間の余裕が持てる暮らしのほうがいいのでは……と考え始めました。

もとから週5日勤務もしんどいのに、家事と育児でキャパオーバーし、家は散らかりっぱなし。洗濯物はいつも山盛り。食事はほぼ外食という状態で、暮らしのバランスもそうとう崩していたと思います。夫は家事・育児もしてくれる人ですが、普段はどうしても仕事で帰りが遅いので私がやるしかない状態でもありました。

当時は自分にやりたいことがあったわけじゃなかったし、夫の仕事を応援したいという気持ちがあったので、いろいろ考えた結果子育てや家事を優先するために正社員にこだわることをやめたのでした。

雇用形態にこだわらない結果どうなったのか

正社員にこだわることをやめて、派遣やパートを視野に入れ、時間と気持ちに余裕をもって家庭や育児と両立できそうな仕事を選んで転職をしました。その結果、「やりたいことができるようになった」というのが一番大きい喜びでした。

私は子供の頃から趣味で漫画を描いていました。
夫と出会ったあたりでしばらくやめていたのですが、久しぶりに「暇だな」と感じる瞬間が生まれたことでまた描くことができるようになりました。

その頃、仕事でいわゆる「お局様」との人間関係に悩み、しょっちゅう夫に愚痴をこぼしていたところ、夫から「そんなに変なひとたちばかりなら、漫画にしてブログに載せればいいじゃん」と言われました。「そんな内容の漫画にニーズなんてあるの……?」と思いながらも、せっかく描いているのだから……と、ブログにイラストや漫画をアップしてみることにしました。

そのブログを読んだ出版社の方が、「お局様をネタにした漫画を出版しませんか」と声をかけてくださいました。そのときは「これで会社を辞められる……! 週5地獄から抜け出せる……! お局様から離れられる……!」と歓喜しましたが、夫は「漫画だけでは不安定すぎる」と退職を許してくれず、とりあえず会社勤めをしながら描いていくことになりました。

私も正直夫の意見には賛成でしたが、会社勤めを辞めたいという気持ちがどんどん強まり揺るぎない強い意思そして魂の叫びとなったため、フリーランスとしてパートのときと同じくらいは稼げるよう準備を整えていきました。イラストのお仕事、漫画家さんの在宅アシスタントのお仕事をさせていただくことで、何とか収入の面はクリアできました。

書籍化のオファーをいただいてから1年半後ようやく夫にも認めてもらい、おかげさまで子供の頃からの夢であった「自分の漫画が単行本になる」ということをアラフォーにして達成することができました。

おつぼね! ! !

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また、小さい頃から好きだったゲームをする時間の余裕もできました。少しずつ気になるゲームをプレイするようになったところ、忘れていたはずのオタク魂が完全に蘇ってしまいました。今は「ペルソナ5」に夢中です。

雇用形態にこだわらなくなって感じたこと

転職してまずは派遣で働きました。育休中の方の代替職員だったため雇用期間は1年で、「また1年後は仕事を探さなくてはいけないのか……」と不安な気持ちがありました。幸い派遣先の上司が私を気に入ってくださって、派遣期間満了後は直接雇用のパートとして働き始めました。6時間勤務だったので、家事も育児もだいぶ楽になりました。

そこの企業は大手で安定したイメージがあり、定年まで落ち着いて働けたら理想だなと考えていたところ正社員にも登用していただいたのですが、結局は人間関係がうまくいかず、漫画の仕事をメインにして退職することに。

在宅で仕事をしていると、通勤時間を気にしなくていいという点が一番気が楽です。朝に子供を送り出すときに自分の準備のことは後回しにしてもまったく問題がないので、なかなか子供の出かける準備が整わなくても、イライラせず見守れるようになりました。また、子供を預けてまで参加する楽しみが見出せない会社の飲み会を断る心苦しさを感じずに済むのは、在宅の仕事の気楽なところだなと思います。

翌朝のことをあまり気にせずに帰宅の遅い夫の晩酌に付き合えることも楽しみのひとつです。以前なら夫が帰宅する前に寝ていることの方が多かったので、土日しかまともに話せる日がありませんでした。さらに、「子供が学校から戻るまでに帰宅すれば、どこに行くのも自由である」というのも楽しいです。先日は「もしかして家族が誰もいない今がチャンスなのでは……」と思ってはじめて「とらのあな」(同人誌、漫画、音楽CD、DVDなどの専門店)に行ってみました。

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最近では、毎日の通勤が二度とできなさそうな身体になっていくのをひしひしと感じています。

これから先、今の仕事では暮らしていけず就職活動をすることがあったら年齢的にも採用してくださるところがあるのかは正直不安だし、ちゃんと勤務できるかどうか自分が信用できない……とは正直感じています。

夫にそんな不安をもらすと「まあ、その時になったら考えればいいよ」と言ってもらえたので、漫画やイラストの仕事を応援してくれることに感謝をしながら今は目の前の仕事や家事育児を楽しめたらいいなと思っております。


著者:あゆお (id:kaishaku01)

あゆお

仙台市在住。漫画家・イラストレーター。最近はアシスタントをしながら漫画を描いたりしています。メガネ男子とドラゴンボールが大好き。

著書に、謎の権力を持ち職場を支配する存在「お局様」をネタにしたエッセイ漫画『おつぼね!!!』(あさ出版)。

ブログやInstagram、noteでは腐女子な私と日常系萌えアニメ好き夫のオタク夫婦による子育てエッセイや漫画を描いています。

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