忙しい日々の息抜きやご褒美として、海外旅行に出かけるのが好きな人は多いでしょう。しかしこのところは、なかなか気軽に出かけづらい日々が続いています。そんなとき、家にいながら「料理」で海外旅行気分を味わってみるのはいかがですか?
今回ご紹介する“旅先”は、夏らしさを感じるアジアの国々。「パクチーボーイ」の名前でも知られる料理家・管理栄養士のエダジュンさんに、鶏胸肉を使った、簡単で本格的な味わいのアジア料理レシピを教えていただきました。
こんにちは。料理家で管理栄養士のエダジュンです。
私は料理家として、今まで12冊のレシピ本を出版してきました。パクチーボーイの名義でも活動しており、主に得意とするのがアジア料理。特にタイと韓国が好きで、1年に1度は訪れてたくさん食の勉強をしています!
アジア料理といえば普段お店で食べる方が多いと思いますが、実は家でチャチャッと作れるものも結構あるんです。アジアは気温が高い国が多く、日本と一緒で暑い日に台所に立ちたくないのでしょうか、サッと炒めて作る料理が多いように感じます。
今回はおうちで楽しめるアジアごはんとして、安くてヘルシーな鶏胸肉を使ったごはんものをご紹介します。台湾で親しまれている鶏肉ののっけごはん「鶏肉飯(ジーローハン)」と、タイ料理で大人気の「ガパオライス」の2品です。
あっさりした鶏胸肉に濃厚なタレが絡む「鶏肉飯」
まずは、以前私が台湾旅行へ行った際に食べた、「鶏肉飯」という鶏肉ののっけごはんです。本場ではカリッと揚げ焼きした玉ねぎの入ったソースを絡めて食べるのですが、今回はねぎを使って、すぐ作れる時短レシピに仕上げました。
ゆでた鶏胸肉はさっぱり、あっさりとしながら、しっかりと濃厚なタレに絡めて食べることで、心躍る味わいになります。
材料 1〜2人分
- ごはん お茶碗1〜2杯
- 鶏胸肉 小1枚(200g)
- ねぎ 1本(白い部分・50g)
- ナッツ 10粒ほど(今回はピーナッツを使用)
- ごま油 大さじ1
- (鶏胸肉の下味)
- 塩 小さじ1/4
- 砂糖 小さじ1/4
- (タレ)
- 酒 大さじ1
- しょうゆ 小さじ2
- 砂糖 小さじ2
下処理


- 鶏胸肉は皮を取り、フォークで表面全体に穴を空けて、(鶏肉の下味)をもみ込む
- ポイント:こうすることにより、しっとりとした鶏胸肉に仕上がる
- ねぎはみじん切りにする
- ナッツは粗めに砕く
作り方
1. 鍋に水3カップを沸かし、沸騰したら、鶏胸肉を入れる。
2. 再度沸騰したら火を止めてフタをし、20〜25分ほど置く。粗熱を取り、手で粗めにさく。
3. フライパンにごま油を引き、中火でねぎとナッツを炒める。
4. ねぎがしんなりとしたら、(タレ)を入れて煮詰める。
5. ごはんを盛り、2の鶏胸肉をのっけて、4のタレをかける
メモ:鶏肉をゆでたスープは、ナンプラー大さじ1〜2を入れて、黒こしょう、とき卵を入れると、エスニックスープに大変身します……! パクチーを添えてもいいですね〜。少し味が薄く感じた場合は、鶏ガラスープの素を少し入れても◎。
夏バテ気味でも軽く食べられる「鶏むねde! ガパオライス」
続いてはタイ料理で大人気の「ガパオライス」! 本場で使われている“ホーリーバジル”(これをガパオと呼びます)は日本のスーパーではなかなか手に入らないので、スイートバジルで代用しています。鶏胸肉であっさりと仕上げているので軽く食べられ、夏バテ気味のときにもうれしい一品です。
材料 1〜2人分
- ごはん お茶碗1〜2杯
- 鶏胸肉 小1枚(200〜250g)
- 玉ねぎ 1/2個(100g)
- 赤パプリカ 1/2個
- しょうが 1片(6g)
- バジル 葉10枚
- サラダ油 小さじ2
- (鶏胸肉の下味)
- 砂糖 小さじ1/4
- 片栗粉 小さじ1
- (味付け)
- ナンプラー 小さじ2
- オイスターソース 小さじ2
- はちみつ 小さじ2
下処理


- 鶏胸肉は皮を取り、1.5cm角に切り(鶏胸肉の下味)をもみ込む
- ポイント:鶏胸肉は片栗粉をもみ込むことでパサつきにくくなる
- 玉ねぎ、赤パプリカは1.5cm角に切る
- しょうがはみじん切りにする
作り方
1. フライパンにサラダ油を引き、中火でしょうが、玉ねぎ、赤パプリカを炒める
2. 玉ねぎがしんなりとしたら、鶏胸肉を入れて表面に焼き色が付くまで炒める
3.(味付け)を入れる。
4. 全体に火が入ったら、火を止めて、バジルを入れてサッと和える
メモ:バジルは余熱で十分! 炒め過ぎないのが香りを楽しむコツ
5. ごはんをよそい、4をかける
アジア料理は「辛い」「酸っぱい」「甘い」など、料理の味がはっきりしている印象です。私はそんな「メリハリ」のある味わいこそ、アジア料理の魅力だと感じます。それに、野菜がたっぷり使われているのもいいところ。また、アジアの国々は日本と一緒で海に囲まれた場所が多いせいか、食文化もどこか日本と通じる部分(発酵調味料をうまく使っている点など)があるのかなと思います。
おうち時間のお供に、異なる国のアジアごはんをぜひ、作ってご堪能くださいませ。
著者:エダジュン