やりたいことは、やり続けて見つかる。
20代の頃はやりたいことが見いだせず、いろんな職場を転々としました。実は社長とは同級生。「一緒にやってみないか?」と誘われたんです。土曜日だけアルバイトするようになり、一つの道を突き進む職人の姿を見てカッコいい!と思い入社しました。
最初は生曲げや溶接を何度も繰り返す日々。4~5年経験を積んで、ようやく焼き曲げに挑戦。いまは三基ある炉のうちの一基を任され、φ12~φ20程度の加工を中心に担当しています。その工程は、まず高温になった炉に加工する金属棒を投入。金属の中心部を加熱し、真っ赤になったらプレス機で一気に曲げます。熱した金属は700~900度。熱し方が足りないと曲がらないし、熱しすぎると溶けてしまう。焼き曲げは焼きこそ命!美しく正確に曲げるためにスピードと精度が求められます。
金属は焼き曲げ加工を施すと密度が高まり、強度が増し、建築部品に最適。公共事業が増え、頑丈な部品が重宝され、焼き曲げの依頼も増えるばかりです。この仕事は、最初は失敗して当たり前。先輩から学び、自分なりのやり方を見つけてチャレンジを続けることが大切。あきらめずに何度もトライして得た「手に職」は、一生のたからものです。