その他のインタビュー

株式会社長岡鉄工

森川 伸和さん(35歳)

やりたいことは、やり続けて見つかる。

 20代の頃はやりたいことが見いだせず、いろんな職場を転々としました。実は社長とは同級生。「一緒にやってみないか?」と誘われたんです。土曜日だけアルバイトするようになり、一つの道を突き進む職人の姿を見てカッコいい!と思い入社しました。
 最初は生曲げや溶接を何度も繰り返す日々。4~5年経験を積んで、ようやく焼き曲げに挑戦。いまは三基ある炉のうちの一基を任され、φ12~φ20程度の加工を中心に担当しています。その工程は、まず高温になった炉に加工する金属棒を投入。金属の中心部を加熱し、真っ赤になったらプレス機で一気に曲げます。熱した金属は700~900度。熱し方が足りないと曲がらないし、熱しすぎると溶けてしまう。焼き曲げは焼きこそ命!美しく正確に曲げるためにスピードと精度が求められます。
 金属は焼き曲げ加工を施すと密度が高まり、強度が増し、建築部品に最適。公共事業が増え、頑丈な部品が重宝され、焼き曲げの依頼も増えるばかりです。この仕事は、最初は失敗して当たり前。先輩から学び、自分なりのやり方を見つけてチャレンジを続けることが大切。あきらめずに何度もトライして得た「手に職」は、一生のたからものです。

■株式会社長岡鉄工
昭和32年創業。焼き曲げ・生曲げ・溶接などの金属加工業を手掛ける。なかでも自慢は火造り(熱間)加工。先代から親子三世代で伝統的な加工法を受け継いでいる。現在、日本で昔ながらの火造りを継承する町工場はほとんどなく、その熟練工の精度と仕上がりは国内でもトップクラス。金属は熱することで密度が高まり、強度が増し、主に土木建築物などの部品づくりに利用されている。

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