イーアイデム エンタメ情報

『PLAN 75』で世界中の映画祭、映画人が注目した、新たな才能・早川千絵監督が、日本、フランス、シンガポール、フィリピンなどの6か国の国際共同製作で作り上げた最新作。11歳の少女が、不完全な大人の世界を覗きながら、人々の心の痛みに触れていくまでを繊細な筆致で描いた、あるひと夏の物語。大人になる過程で何を失い、何を得るのかを観る者に静かに問いかける。1980年代のある夏。入退院を繰り返す闘病中の父、家事と仕事に追われる母、自由に想像力を膨らませながら日々を過ごす小学生のフキは、郊外の家に3人で暮らしている。多忙な母に代わって、父を見舞うフキは、いつしか病院で過ごすのが日課となっていた。やがて、マンションの住人や、母の仕事先の知人など、さまざまな人との交流を通して、フキは大人たちの世界を垣間見る。夏休みに入ったフキは、家でひとりきりで過ごす時間が増え、伝言ダイヤルのメッセージを聞くことに夢中になっていった。だがふとした出来心から、自称大学生の薫と知り合い、一度会えないかと誘われる。一方、家庭では、ある出来事によって父と母の間に大きな溝が生まれ、フキの日常は否応なしに揺らぎ始める…。主人公フキ役は、オーディションで抜擢された鈴木 唯。フキをとりまく大人たちを演じたのは、石田ひかり、リリー・フランキー、河合優実、中島 歩、坂東龍汰と、実力派俳優が名を連ねた。