知ったかぶり47

知ったかぶり対談 第二十一回:山梨県柔らかいほうとうと、硬いうどん

デイリーポータルZがいろいろな場所で取材してきた記事を読むことで、その県の出身者に負けないくらい知ったかぶりできるんじゃないか。それが知ったかぶり対談です。

今回は山梨県。富士吉田市で「ほうとう木こり」を経営するオーナー堀内さんに登場してもらいました。インタビューはデイリーポータルZ編集部安藤が担当します。

気軽に始めたほうとう屋さん

  • 堀内さんの経営しているお店「ほうとう木こり」には前に行ってほうとうを食べたことがありまして。美味しかったです。

「ほうとう木こり」のほうとう。ニンジンが富士山の形をしているのが特徴です。

「ほうとう木こり」のほうとう。ニンジンが富士山の形をしているのが特徴です。

  • ありがとうございます。その時って泊って行かれました?

  • え、あのほうとう屋さん、泊まれるんですか。

  • 2階に布団を敷いて**さん(共通の友人)とか泊って行ったことありますよ。

  • なんという自由度の高いほうとう屋さんなんですか。堀内さんは普段は東京で仕事をしていると思うんですが、あのお店はどういう位置づけでやられているんでしょう。

  • もともと親戚がやっていたお店なんですが、空いたのでなにかやらないかと言われて。軽い気持ちでほうとう屋をはじめてみたら意外なほどたいへんでした。

  • それはそうでしょうよ。東京から通っているんですか?

  • いまは雪に閉ざされているので1月から3月くらいまでの間はお休みにしています。シーズン中は平日は両親とパートのおばちゃんに任せて、休日は僕が入っていますね。憧れの二拠点生活のつもりが、やってみると意外とたいへんでびっくりしました。両親のためにもよかれと思って始めたんですが、逆に忙しくて「おまえのせいで寿命が縮んだ」なんて言われたりしています。

吉田のうどんは硬い

  • やっぱり山梨といえばほうとうなんでしょうか。

  • 僕の住んでいる富士吉田のあたりだと、どちらかというとうどんの方が一般的ですね。麺が硬いことで有名な「吉田のうどん」というやつです。ほうとうは家で食べるものという認識で、お店を始めたころなんかはほうとうのお店だって言ってんのにうどんを注文してくるお客さんなんかもいましたよ。

  • 吉田のうどんは硬いってことで全国的にも有名ですもんね。ほうとうとは真逆の食べ物な気がします。

これが吉田のうどん。麺がとにかく硬い

これが吉田のうどん。麺がとにかく硬い「富士山を鉄道で一周する

  • ほうとうもですが、吉田のうどんも全国的に知られるようになったのはわりと最近だと思いますよ。食べたことありますか?

  • ありますよ。これはどうしたことかと思いました、硬くて。たしか具もちょっと変わっていますよね。

  • 馬肉が入っていることが多いですね。あとは茹でたキャベツなんかも。スープはみそと醤油のハイブリッドが基本です。

  • それはもはやうどんではないですね。

  • いやむしろこれがうどんです。僕なんかほうとう屋をやっているんですが、たまにどうしてもうどんが食べたくなって外へ食べに行ったりしますから。対して妻は三重出身なんですが、吉田のうどんはぜったいに食べないですね。

  • それはそうでしょうね。三重の伊勢うどんは極限まで柔らかいので対極でしょう。同じうどんという名前であるのが不思議なくらいです。

吉田のうどんの対極、伊勢うどん

吉田のうどんの対極、伊勢うどん「知ったかぶり47三重県の回より

  • 吉田のうどんは硬いと評判になってから競い合うようにしてさらに硬くなっていったような気がしますね。あご砕き、みたいなのをメニューにしているお店なんかもありますから。それはもうバキバキですよ。

信玄餅は冷凍しておく

  • 信玄餅はどうですか?やっぱりよく食べますか。

山梨といえば信玄餅

山梨といえば信玄餅「信玄餅が詰め放題だって!

  • そうですね。家でもよく食べますね。ちょっとした手土産として持っていくのにちょうどいいポジションのお菓子なんだと思います。この記事にもある工場アウトレットの詰め放題には、地元の人も朝から行って大量に詰めて、家で冷凍しておくんです。

  • 僕も今回の取材で行ってきましたよ。あの詰め放題はやはり興奮しますね。

  • 東京からも近いから行きやすいんですよね。あとは秋になると県内のワイナリーをめぐるツアーが旅行会社で主催されたりして、みんな試飲だけでべろべろになって帰っていきますね。帰りの特急でもみんな買ってきたワインを幸せそうに飲んでいたりして、楽しそうです。

  • 食べ物もワインも美味しいなんて、言うことないじゃないですか。

  • 年をとると地元の良さがわかってくるような気がしますね。若い頃はみんなこぞって都内に就職していくんですが、けっきょく山梨に戻ってくる人が多いような気がします。

富士山くらい山梨にくれてもいいと思う

  • 山梨の人は富士山をめぐって静岡をライバル視していると聞いたんですが。

  • 山梨と静岡との富士山の取り合いは熾烈ですよ。互いがそれぞれの県から見る富士山が最高だって言いますからね。それこそ僕なんかは地元の富士吉田の五重塔ごしに見る富士山が最高だと思っているんですけど。

  • いいじゃないですか、山梨には他にも高い山がたくさんあるんだから。

  • いや実際静岡に行くとね、魚はうまいし気候もいいし、さわやかだってあるじゃないですか。最高だなと思いますよ。富士山くらいこっちにくれてもいいのにって思いますね。

山梨の人もうらやむ静岡のハンバーグ屋さん「さわやか」

山梨の人もうらやむ静岡のハンバーグ屋さん「さわやか」
さわやかのハンバーグを通っぽく食べる

  • 山梨にだって丸い石が集まる土地があるじゃないですか。前に取材しましたよ。

ハンバーグの代わりに山梨には丸石神がある

ハンバーグの代わりに山梨には丸石神がある「丸い石が集まる町がある

  • それは確かにすごいですけど、石ですからね。

  • そんなこと言わずに、また春になったらほうとう食べに行きますから。その時は2階に泊めてください。

堀内さん、ありがとうございました。

【次回予告】 次回は岡山県を知ったかぶります。(3月20日公開予定)!

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堀内光
堀内光

1975年生まれ。山梨県富士吉田市出身。

平日は東京の西荻窪でゲームソフトの企画・開発・販売を手掛ける株式会社ポケットを経営。週末は地元山梨に帰り、『ほうとう木こり』のオーナー兼バイトリーダーとしてあくせく働く二拠点生活者。
猫と富士山をこよなく愛す。

安藤昌教
安藤昌教

デイリーポータルZ編集部
1975年生まれ。愛知県出身。
前職は国立研究所にて高速炉の研究に従事。その後、氣志團バックダンサー、コーヒーショップ経営、等を経てデイリーポータルZ編集部に。
ものをむかずに食べる「むかない安藤」としての活動も7年目に突入。

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