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2017.07.20
知ったかぶり対談 第三回:滋賀県「首都はいますぐ琵琶湖に移した方がいい」
デイリーポータルZがいろいろな場所で取材してきた記事を読むことで、その県の出身者に負けないくらい知ったかぶりできるんじゃないか。それが知ったかぶり対談です。
第三回は滋賀県。出身者は、ご当地サイト「chakuwiki」管理人の谷口マサトさん、インタビューはデイリーポータルZ編集部安藤が担当します。
手書き地図で彦根を知ったかぶる
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滋賀県出身の谷口さんには、デイリーポータルZの取材でライター小堺さんが取材した滋賀県の手書き地図を見てもらっています。どうですか谷口さん、懐かしいですか。

「彦根の心霊スポットが本気で怖い~地元の人頼りの旅in滋賀県~」より。
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こんにちは!いきなり趣旨を理解していない発言で申し訳ないんですが、私は石部町というかなり南の方に住んでいまして。彦根は彦根城に行ったことがあるくらいなんです。
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なんと。小堺さんの地図では彦根は仏壇とバルブとブラジャーの町と書いてありますが、聞いたことないですか?
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初耳ですよ、なんですかその取り合わせは。でも彦根城はですね、天守閣から富士山が見えるんです。
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え!本当ですか?遠すぎません?途中に岐阜があるのにどうして見えるんですか。
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そう、岐阜はほんとどうにかしてほしいんですよね。滋賀にとっては天敵です。正確には近江富士と呼ばれる三上山なんですが、天守閣で「富士山見えるよ!」っていうとみんなびっくりしておもしろいんです。
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なんとか富士って各地にあるやつですね。ところで滋賀県はどうしてそんなに岐阜県に敵対心を持っているんですか。
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岐阜は日本の中心だって言い張っているんですが、日本の中心はどうみても滋賀ですからね。ほら、信長が選んだのも滋賀だったでしょう。安土城をごらんなさい。
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そんな古い話を持ち出されても困ります。
カロムは本当に流行っているのか
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谷口さん、彦根じゃないとすると、これ知らないですか。カロムというゲームなんですが。

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カロムは南の方では流行っていなかったと思いますよ。滋賀県は縦に長いから南北で文化も天気も違うんです。
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記事によるとカロムは彦根でだけ流行ったわけではなく、全国的に流行ったものが彦根だけ廃れなかった、ということらしいです。
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私が運営しているご当地メディア「chakuwiki」にもカロムのことが書かれていますね。
・主に湖東、湖北にカロムは残っている。
・爪が痛くなる。
・ローカルなゲームなのにローカルルールがやたら多い。
ハードル高すぎでしょう。彦根にだけ残ったメカニズムもまったくわからないし。
サラダパンとうめぼし給食
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サラダパンはどうでしょう。

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このパッケージのデザインは滋賀ならではな気がするんですが、正直あまり記憶にないんですよね。
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ちなみに中はカラシとたくあんらしいです。
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そういう素朴なのを良しと言い切る風潮はありますね、滋賀には。私が通っていた石部小学校にはうめぼし給食というのがあって、これはうめぼしとご飯だけなんですが、美談として新聞なんかに取り上げられたりしていました。子どもなりに腹が立っていましたね。
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素朴っておおむね子どもには不満ですから。
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不満を通り越して怒りですよ、あと絶望。大人と社会への不信感をあそこで植え付けられた気がしています。
首都は滋賀県に移すべきです
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いろいろ滋賀の不満を吐き出してしまいましたが、私は基本的には滋賀を愛していますから。かねてから首都を滋賀県に移す案を唱えているくらいです。
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急になにを言い出しましたか。
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そもそも西暦667年には滋賀に首都がありましたからね※1。昔に戻すだけです。
※1飛鳥時代に天智天皇が飛鳥から近江宮(今の滋賀県)に遷都したが、いろいろあって5年余りで廃都となった。 -
そもそも土地がないじゃないですか。真ん中ぜんぶ湖だし。
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琵琶湖に浮遊都市を作ることで解決できます。面積的に山手線一周分が余裕で入りますし、浮いているから地震にも強い。反対する理由が一つもありません。
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なるほど。琵琶湖はブラックバスも釣れますしね。
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食べてもまずいですけどね。
滋賀には廃墟が多いのか
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この人も滋賀に都を築こうとしているのかもしれません。

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こんな城知らなかったですが、すごいですね。行ってみたい。
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三県に一人くらいこういう人います。
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滋賀って土地が安いから使い方が信じられないくらいダイナミックなんですよ。加えてみんな目立とうとしていろいろな工夫を凝らす県民性でもあるから、結果としてこういうことになったんだと思います。
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自転車をデコるのも滋賀県でしたっけ。
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発祥はよくわからないですがデコチャリいますね。夜道ですれ違うとびっくりします。ヤンキーも当時たくさんいました。甲西という場所には「甲西連合」っていう三人の高校生がやっている連合があって、よく襲われたものです。
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どういうところに住んでいたんですか。あ、いま小堺さんの手書き地図見たらこの「佐和山遊園」、廃墟って書いてあります。
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滋賀は廃墟が多いですから。でもご存知ピエリ守山※2みたいに廃墟から復活した例もありますね。滋賀は全国的に珍しく、いま人口が増えているんですよ。みんな首都が移転されてくることを予期しているのかもしれません。
※2 かつては「廃墟すぎるショッピングモール」として有名だったが、復活していまではライオンがいたりする。谷口さんもブログで紹介しています。
自意識過剰だじょ
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滋賀って方言とかあるんですか?関西に近いから関西弁?
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違いますね。しいて言えば語尾に「じょ」をつけます。南の方だけかもしれませんが。
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ちびまる子ちゃんにそういう子がいた気がします。あれは滋賀の子だったのか。
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私は大学で横浜に行ったんですが、神奈川は語尾に「じゃん」をつけるじゃないですか。あれを聞いて「こいつら、はずかしいじょ」って思っていました。
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かわいい。
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それから滋賀の人はみんな自意識だけは高い気がします。鳥人間コンテストって琵琶湖でやるじゃないですか。あれも高い自意識の現れですし、琵琶湖にあるマイアミビーチやミシガン船っていう船だって自意識の塊みたいなものですから。
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正直あまり知らなかった滋賀ですが、がぜん行ってみたくなりました。
谷口さん、ありがとうございました。
次回は宮城県を知ったかぶります(8月24日公開予定)。おたのしみに!
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- 谷口マサト
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1972年滋賀生まれ。ご当地サイト「chakuwiki」の管理人。
大学を卒業後、空手修行のため渡米、主にヌンチャクを学ぶ。帰国するもヌンチャクでは食えず、96年からIT業界で働いている。運営する個人サイト「chakuwiki/借力」は累計5億PVでベストブログ・オブ・イヤー賞(エンタメ部門)など受賞多数。サイトから発展した『バカ日本地図』や「広告なのにシェアされるコンテンツマーケティング入門」などの書籍を7冊出版している。

- 安藤昌教
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デイリーポータルZ編集部
1975年生まれ。愛知県出身。
前職は国立研究所にて高速炉の研究に従事。その後、氣志團バックダンサー、コーヒーショップ経営、等を経てデイリーポータルZ編集部に。
ものをむかずに食べる「むかない安藤」としての活動も6年目に突入。むかない安藤
https://www.youtube.com/playlist?list=PLI3lg7RZciQwJbfwfbzoo-ntIQV5IAEYhデイリーポータルZ編集部としてのプロフィール
https://dailyportalz.jp/writer/kijilist/212
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