知ったかぶり47

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2020.01.16

知ったかぶり対談 第三十一回:和歌山県ラーメンができるまで寿司を食べて待つ

デイリーポータルZがいろいろな場所で取材してきた記事を読むことで、その県の出身者に負けないくらい知ったかぶりできるんじゃないか。それが知ったかぶり対談です。

今回は和歌山県。出身者として編集者の宮脇さんに登場してもらいました。インタビューはデイリーポータルZ編集部安藤が担当します。

抜け落ちても気づかない県と言われて

  • 安藤さん、半袖なんですね!

季節感のなさ。

季節感のなさ。

  • いちおう上着は持って来ているんですけど、どうも服を3枚以上着るのが苦手なんです。ほら真ん中の一枚が体と連動しなくないですか。

  • でも寒いじゃないですか。

  • 寒さはある程度がまんできるんですが、服が邪魔なのはどうしても気になってしまって。そういえば宮脇さんのご出身の和歌山県はみかんとか作っていて、暖かいイメージがありますね。

  • いきなり和歌山の話題に持ち込みましたね。そうですね、和歌山県の、とくに海沿いは温暖な気候だと思いますよ。でも和歌山は広いので山の方に行くと気候も景色もまた違ってきます。わたしの住んでいた和歌山市は大阪寄りの北の端です。

  • 実は僕はまだ和歌山に行ったことがなくて、持っている知識が小学校の社会の時間に習った程度のものと、あとはデイリーポータルZの記事くらいなんです。

  • だいたいの人にとってそのくらいの認識だと思いますよ、和歌山は。ジモコロでも抜け落ちても気づかない県として和歌山が1位を取っていましたから。

本当に抜け落ちても気づかないのか

本当に抜け落ちても気づかないのか(ひとつだけ県が抜け落ちた日本地図、違和感に気づく人はいるのか!?

  • そんなことないですよ!近畿地方の人なら誰でも知ってると思います。

  • 範囲を絞りましたね!

  • 文化的には関西の文化なんですか(話を変えた)。

  • 大阪の南に位置してますからね、文化的には関西圏だと思うんですが、言葉は関西弁よりもうすこし間の抜けたというか、柔らかい感じでしたね。大阪の人が「遊びいこうや!」っていうところを、和歌山だと「遊びにいこらー」となったりします。

  • 語尾が「らー」なんですね、ちょっとかわいい。そういえば静岡出身の友だちも、やっぱり語尾が「らー」だったような気がします。

  • 語尾「らー」のルーツはどこなんでしょうね。でもおかげで大阪に遊びに行っても言葉で和歌山からきたってばれちゃうんです。ほら、僕らの頃はまだ不良とかいたじゃないですか。「おまえ和歌山だろう」って、ばれたら最後です。田舎者にとって大阪はおそろしい場所でしたから。

  • いま、特に都会だと見るからに「不良」っていないですよね。目を合わせたらやばい、みたいな人たちは、今はどこに行っちゃったんだろう。

  • テレビとか映画とかの影響もあるんでしょうね。僕たちが中高生だった頃、それこそ昭和の終わりから平成のはじめにかけてが最後の不良繁栄の時代だった気がします。

みかんは当然「有田むき」

  • よかったらみかんどうですか。ちょうど和歌山の有田みかんです。

  • ありがとうございます!和歌山の人ってやっぱりみかんは有田じゃなきゃ、みたいなこだわりがあるんですか。

和歌山のみかん畑

和歌山のみかん畑(ニョキニョキハウスに誘われて

  • そんなことないですよ、あればどこのでも美味しく食べます。ただ、あまりみかんを自分で食べる用に買ったことがないような気がしますね。今でも実家から送られてきますし、みかんは人にあげるもの、もらうもの、みたいな認識でした。

これが有名な「有田むき」
  • ちょっと宮脇さん、そのみかんのむきかたは和歌山県オリジナルですか。

  • お、気づきましたね。これが有名な「有田むき」です。和歌山の人はみんなこうしますね。ばらばらにならないし食べやすいんです。

  • これさえマスターしておけば和歌山で暮らしていけますね。

ラーメンができるまで寿司を食べて待つ

  • 食文化はどうでしたか。記事ではラーメン屋さんで寿司を食べるって書いてあるんですが、本当ですか。

ラーメン屋で食べる「早すし」

ラーメン屋で食べる「早すし」(和歌山ではラーメン屋でも寿司を食べる

  • はや寿司ですね。ラーメン屋ではや寿司はふつうでしたね。だいたいカウンターにゆで卵と一緒に置いてあって、これを食べながらラーメンができてくるのを待つ感じです。

  • 逆に寿司屋にラーメンはないんですか。

  • それはないですね。和歌山のラーメンってとんこつしょう油でこってりなんですよ。味の濃いラーメンにサバのはや寿司が合うのかもしれません。

  • 他に東京で暮らしていてたまに食べたくなる和歌山の味とかってありますか。

  • はや寿司以外だと茶粥ですかね。和歌山は朝ごはんが茶粥なんです。奈良もそうなのかな。うちでは毎朝茶粥でしたね。茶粥に金山寺味噌っていう粒の入った味噌を乗せて食べるんですが、あれは和歌山ならではですね。

  • それは美味しそうだなあ。逆に白いご飯に納豆、みたいな朝ごはんは食べないんですか。

  • 和歌山はしょうゆとか味噌とか、ラーメン屋のはや寿司もそうですけど、発酵食品が多いんです。だからかわかんないんですが、納豆はほとんど食べないんですよね。たぶん納豆菌が他の発酵食品とバッティングするんじゃないかな。

  • なんと!そういえば前に秋田に納豆の取材に行った時にも、工場の人が、納豆菌が負けちゃうからヨーグルトは一切食べないって言ってたのを思い出しました。

  • 菌は同居できないんですね。あとは食べ物でいうとグリーンソフトですかね。いちおう日本初の抹茶ソフトということになっています。

  • グリーンソフトはライター地主くんも和歌山で食べていました。これが抹茶ソフトの発祥なんですね。

これがグリーンソフト

これがグリーンソフト(クジラが飛んで日本唯一の飛び地で食べる邪払が酸っぱい旅

  • 地主さんが食べていたのはコンビニに売られている「硬いやつ(僕たちはそう呼んでいました)」ですよね。これはこれでもちろん美味しいんですが、おすすめは玉林園というところで食べられる「柔らかいやつ」です。その場で巻いてくれるいわゆる抹茶ソフトです。

  • 抹茶ソフトの発祥が和歌山だったとは。

南紀白浜の砂はオーストラリア産

  • 初めての人に和歌山を勧めるとしたらどこを勧めますか。

  • お子さんと一緒なら間違いなくアドベンチャーワールドですね。なにしろ広大で飽きないしパンダも鳥も、ありがたみがないくらいにいます。あとは南紀白浜ですかね。これはきれいなリゾート地です。

南紀白浜の「とれとれ市場」

南紀白浜の「とれとれ市場」(和歌山ではラーメン屋でも寿司を食べる

  • そうだパンダがたくさんいるのが和歌山なんですよね。南紀白浜は海がきれいなイメージあります。

  • 南紀白浜は名前の通り白い砂浜なんですが、じつはオーストラリアから買ってきた砂を補充してるらしいです。以前、寒い時期に海岸に砂袋が大量に積まれているのを見てしまいまして。

  • そうなんですか!はるばるオーストラリアから!

  • 浜辺に大量の砂袋を見た時には白浜の秘密を見てしまった!と思いましたよ。

宮脇さん、ありがとうございました。

【次回予告】次回は山口県を知ったかぶります!(2月20日公開予定)

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宮脇 淳(みやわき・あつし)
宮脇 淳(みやわき・あつし)

編集者/有限会社ノオト代表取締役。
雑誌編集部のアルバイトを経て、25歳でフリーランスのライター&編集者として独立し、
2004年7月にコンテンツメーカー・有限会社ノオトを設立した。
20年以上、流れに身を任せて編集者を続けている。
1973年3月生まれ、和歌山市出身。南海時代からのホークスファン。

安藤昌教
安藤昌教

デイリーポータルZ編集部
1975年生まれ。愛知県出身。
前職は国立研究所にて高速炉の研究に従事。その後、氣志團バックダンサー、コーヒーショップ経営、等を経てデイリーポータルZ編集部に。
ものをむかずに食べる「むかない安藤」としての活動も8年目に突入。

今回話題にもならなかった和歌山県の記事(デイリーポータルZのサイトに移動します)

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