知ったかぶり47

知ったかぶり対談 第六回:佐賀県「なぜわざわざイソギンチャクを食べるのか」

デイリーポータルZがいろいろな場所で取材してきた記事を読むことで、その県の出身者に負けないくらい知ったかぶりできるんじゃないか。それが知ったかぶり対談です。

第6回目は佐賀県。出身者は古瀬学さん。インタビューはデイリーポータルZ編集部安藤が担当します。

はじめに謝罪から

  • 対談を始める前に古瀬さんに一つ謝っておかなければいけないことがあります。

  • なんでしょう。

  • うちのライター乙幡さんがまた(※1)コブラの物まねをしました。

15周年の打ち上げにて

「15周年の打ち上げにて」

※1:古瀬さんはコブラの原作者寺沢武一先生のマネージメント会社の取締役です。前回ライター乙幡さんが書いた記事 「サイコガンからマヨネーズを出したかった」が公開された時にも謝りました。ごめんなさい。

  • 前回ウケた、という理由から同じことをまたやりました、まことにすみません。これは古瀬さんだけでなく寺沢先生にも謝るべきだと思うんですが、寺沢先生、怖いイメージがあって。

  • まあそうでしょうね。でも、うちの先生そんなに怖い人でもないですよ。

  • いつかお二人に謝りに行く機会をください。乙幡さんのコブラ、好評なのでまたやるかもしれませんし。

  • 年末にパーティーをやるので会いに(叱られに)来てください。

  • はい、頭を丸めて会いにいきます。

有明海はネタの宝庫

  • それでは本題です。古瀬さんは佐賀県出身ということで今日は対談をお願いしました。佐賀といえば有明海ですよね。デイリーでもいくつか記事を書いています。

有明海の珍魚、ムツゴロウを釣ってみたい

「有明海の珍魚、ムツゴロウを釣ってみたい」

  • ガタリンピックも有明海ですね。記事でしか知らないですが、有明海、いろいろ楽しそうだなと。

  • 楽しいのは確かですよ!アクティブに遊ぶのもいいけど、ただ眺めているだけもまた良いです。

  • 佐賀の子どもはやはり干潟で遊ぶんですか?僕も愛知県の田舎で育ったので、田んぼに水がはられると喜んでダイブしたりしていました。

  • そんなむちゃくちゃな子はいません。ダイブしたら後が大変だから。フジツボがいて足の裏が傷だらけになるんです。

  • そうか、海ってこと忘れてました。これも有明海ですよ。ヒラという魚です。

絶品!だけど食べにくい!有明海の珍魚「ヒラ」

「絶品!だけど食べにくい!有明海の珍魚”ヒラ”」

  • これは知らなかったですね。知らずに食べていただけかもしれないけど。

  • ちょっと変わった魚というか生き物が多いですよね。ワラスボとかワケノシンノスとか。

ワラスボ

ワラスボ。(「若者のお尻の穴を食べた」

ワケノシンノス

ワケノシンノス。(「若者のお尻の穴を食べた」

  • 他ではなかなか見ないラインナップです。佐賀、どうなっているんですか。

  • 有明海の海の幸ですね。でもムツゴロウもワラスボも、住んでいたころはそうそう食べていなかったですよ。うちの父親が酒好きで、毎晩のように酒の肴として海の幸を食べていて、そのおこぼれをもらっていたくらいの感じです。

  • なるほど、でもそれは間違いなく美味いやつですね。このメカジャっていうのはどうですか?どうですか、っていうか、何ですかこれは。

メカジャ

メカジャ。(「若者のお尻の穴を食べた」

  • これは食べてましたよ。ただ湯がいたり煮付けにしたりして。あとはクチゾコとかですかね。

クチゾコ(クツゾコ)

クチゾコ(クツゾコ)と呼ばれる舌平目の一種。(「若者のお尻の穴を食べた」

  • 知らない食べ物だらけで味の予想がいっさいできません。

  • メジャーなところだとイカが有名ですよね、呼子のイカ。イカは玄界灘側ですが。佐賀は両側の海でぜんぜん違うっていうのが魅力です。

佐賀県ならば「なんとかなっちゃう」

  • このまえライター小堺さんがバルーンフェスに行ってきまして。

バルーンフェス

「佐賀には深夜23時から開く甘味処がある~地元の人頼りの旅in佐賀市~」

  • 気球飛ばすくらいだからあたりまえなんですが、写真を見るとなにしろ広々としてるんですよね。河川敷も空も。

  • 空は広いイメージありますね。それから佐賀は干拓地で平野が広がっているんですよ。

確かにだだっぴろい。そしてこの気球の個性たるや

確かにだだっぴろい。そしてこの気球の個性たるや
「佐賀には深夜23時から開く甘味処がある~地元の人頼りの旅in佐賀市~」

  • 知り合いにあと二人佐賀県出身の人がいるんですが、二人ともすごいのんびりした印象があるんですよね。聞くと「佐賀の人はあまり働かないんだ」って。

  • はははは。怠け者ってわけではないと思うんですが、なんというか危機感がないというか、あまりせかせか働かなくてもなんとかなるんじゃない?という雰囲気はありますね。

  • 暖かい地域とか天気がいい地域っていうのはのんびりしちゃうんですかね。前に住んでいた沖縄もそんな感じでした。

  • いや、佐賀は特に暖かい土地でもないんですよ。雪も降れば毎年水害も起きていたし。

  • それなのに危機感がない。

  • なんとかなってきたんでしょうね。

なぜわざわざイソギンチャクを食べるのか

  • シシリアンライスは佐賀ではメジャーなんですか。

佐賀名物シシリアンライスが美味すぎる

「佐賀名物シシリアンライスが美味すぎる」

  • 正直あまり興味なかったかなー。佐賀ならでは、という感じではないと思いますよ。そういえば食べたことはあるかな、くらいの位置づけ。

  • シチリア島から遠いですもんね、佐賀。

  • バックグラウンドはそれなりにあるようなので、そういう意味では「ならでは」かもしれないけど。

  • ぼた餅はどうですか。

佐賀のぼた餅が我々の知るぼた餅とは全然違う問題

「佐賀のぼた餅が我々の知るぼた餅とは全然違う問題」

  • これ知ってましたか。

  • 特別なものとしては見ていなかったけど、この形で売られているのは見たことありますね。お土産として東京に持ち帰れないタイプの食べ物です。こういうローカルなお菓子は他にもあって、割とソウルフード的な感じでしたね。

  • 持ち帰れない、っていうのは言ってみれば「売り」ですよね。イソギンチャクやワラスボなんかもほぼそこでしか食べられないですから。

  • そうですね。でもイソギンチャクは海があるところなら割と食べているんじゃないですか?

  • うちは神奈川県の海の近くですが、たぶん食べてないですよ!貝とか海藻とか食べていればいいじゃん、という感じで、わざわざイソギンチャクを食べようとしない気がします。

  • まあイソギンチャクは味噌で煮込んでも臭みが取れないのでね。

イソギンチャク

イソギンチャク(「若者のお尻の穴を食べた」

  • そこまでして食べるか!と思います。未知なるものを食べてみたい気持ちはわからんでもないですが。

  • 初めて食べた勇者を称えたいです。

いま地元は変わろうとしている

  • デイリーでもいろいろ取材されてると思うんだけど、ぼた餅もワラスボも、佐賀県出身とはいえ実はそれほど身近じゃないんですよね。

  • たしかに僕も愛知出身ですが、味噌カツもひつまぶしも、地元にいた頃はほぼ食べたことなかったです。

  • そういう意味では佐賀だけ、愛知だけが特別に変わっているわけじゃなく、他の地域でも同じように「ちょっと変わったもの」が少しずつあるんだと思うんですよね。まあ有明海とかには「より変わったもの」もあるんですが。地元の出身者が大人になって広い視野を持つようになると、ようやくその違いが見えてくるんじゃないかと思うんです。

  • 高校までしか地元にいないと、お酒も飲まないし食事も基本的に家で食べますからね。意外と地元のことを知らないまま県外に出ちゃう人が多いのかもしれません。

  • そうですね。そのへんの危機感みたいなものは佐賀にも他の地方にもたぶんあって、変えていこうっていう気風は最近おおいに感じますよ。そこに来ていま飛行機が安くなってきたりとか、うまい具合にかみ合ってきてるんじゃないでしょうか。僕も高校卒業して地元を出ることしか考えていなかったわりに、今では毎月のように佐賀に帰っていますからね。面白いんですよ、いま、地方が。

  • 自分の地元でないとその変化は感じられないですからね。僕らがいきなり佐賀に行ってもその「変わろうとしてる」感じはきっとわからない。

  • ああ、それはそうですね。

  • どんなに情報化社会になっても佐賀に行かなきゃ食べられないものがある、っていうのも面白いところだと思います。イカ食べに行きたいです。

  • 有明海の貝もぜひ!むかずに。

古瀬さん、ありがとうございました。

次回は静岡県を知ったかぶります(12月21日公開予定)。おたのしみに!

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古瀬学
古瀬学

『mimiCopy』『COLORCODE VJ』などの映像/音響ソフトウェアを手がけるアールテクニカ 代表取締役。『コブラ (COBRA THE SPACE PIRATE)』の漫画家 寺沢武一をプロデュースする エイガアルライツ 取締役プロデューサー。通称「宇宙海賊コブラのマネージャー」。

安藤昌教
安藤昌教

デイリーポータルZ編集部
1975年生まれ。愛知県出身。
前職は国立研究所にて高速炉の研究に従事。その後、氣志團バックダンサー、コーヒーショップ経営、等を経てデイリーポータルZ編集部に。
ものをむかずに食べる「むかない安藤」としての活動も6年目に突入。

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