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2021.10.21
知ったかぶり対談 第四十七回:大阪府大阪のうどんはおやつ
デイリーポータルZがいろいろな場所で取材してきた記事を読むことで、その県の出身者に負けないくらいに知ったかぶりできるんじゃないか。それが知ったかぶり対談です。
今回は大阪府編として、大阪出身のデザイナーせつはやとさんに話を聞きました。インタビューはデイリーポータルZ編集部安藤が担当します。
独り言で言葉を習得
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せつさんはいつまで大阪にいたんですか。もうずいぶん長い付き合いだと思っていたんですが、ふだん大阪弁が出ないからわからなかったです。
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生まれてから中一まで大阪です。そのあと神奈川に引っ越してきたとき、しばらく人としゃべらずに独り言いって関東弁をマスターしましたからね。今でも関西の人と話すときはエセ関西弁になりますよ。
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なんと!人知れず苦労して関東弁をマスターしたんですね。でも関西の人って関東にきてもずっと関西弁の人も多くないですか。
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大学から出てきた人はそうですね。僕みたいに中学高校くらい、要するに言葉の壁でいじめられそうな時期に引っ越してくると直すんじゃないかな。
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なるほどー。

大阪のイメージ画像。
(記事:「じゃりン子チエに出てくるホルモン焼きを探す旅」より)
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関西って笑いの偏差値が高そうですが、そのへんはどうでしょう。
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どうなのかなー、確かに評価として「おもんない」って言われるのは嫌でしたね。子どもの頃も足の速い子よりおもろい子がモテたし。

大阪はおもしろさ優先。
(記事:「大阪では「白い恋人」が増殖していた」より)
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それは子どもの頃から吉本とか見て学んでるからですか。
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吉本、見ますね。大阪のおもしろさって皮肉とかシニカルな笑いじゃなくて、テンポなんですよ。掛け合いのうまさというか。
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それは芸人さんを見ててもわかりますね。
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そうそう。皮肉とかでクスリと笑えるものよりも、もっとこう声がでかいとか転ぶだけとか、そういう原始的なおもしろさですね。だからダジャレはそうとう気が利いてないと大阪ではウケないと思う。
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笑いの偏差値が高いのはうらやましいなと思ってたんですが、厳しい世界でもあるんですね。
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そうです。妻は関東出身なんだけど、関西人が語尾につける「しらんけどな」っていうのが理解できないって言ってた。なんで知らないのにいうの?って。おもろいからええやんけ、と思うんだけど。
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おもろいからええやんけ、がそもそも関東では通じないかもしれないですね。よくないだろう、と。
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大阪の人はなんでも大げさにいいますからね。そのうえ「しらんけどな」だから、そりゃ嫌がられますよね。
大阪のうどんはおやつ
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デイリーポータルZでもやたらと大阪のうどんの記事があるんですが、大阪の人ってそんなにうどん食べるんですか?

大阪はうどんなのか。
(記事:「大阪うどんはスープがメインだ!紀行」より)

こちらも大阪ホルモンうどん。
(記事:「大阪のホルモンうどんを遡ったら沖縄の中身汁に辿りついた」より)
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そうですね、完全にうどんです。僕が住んでたころは素うどん、いわゆるかけうどんが170円でね、小腹が減ったときにおやつ代わりによく食べてましたよ。千里中央の立ち食いうどん、よく行ったなー。
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小腹がすいたらたこ焼きではないんですね。

大阪といえばたこ焼きだと思ってました。
(記事:「大阪のビアガーデンにはたこ焼きスライダーがある」より)
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たこ焼きは高いからさ、親と一緒のときに行く感じでした。
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シチューうどんって知ってましたか。

これが大阪のシチューうどん。
(記事:「大阪にはシチューうどんがある!」より)
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知らないなー。ついでに言うとホルモンうどんも食べたことない。
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デイリーポータルZが特殊なところばかりを拾っていたのか。
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大阪っていっても北摂とか岸和田とか、場所によって全然違うんですよね。ちなみに僕は万博公園の方、北摂のニュータウンでした。清原がいたのが岸和田の方。大阪市内でも微妙に雰囲気が違ってて、東京で例えると北摂=田園都市線、岸和田=京成線、京急線、尼崎=池袋あたり、みたいな感じですかね。
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なるほどなるほど。それぞれがそれぞれの文化圏で暮らしていて、行き来はあまりしないんですか。
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そうですね、地域をまたいでっていうのはあんまイメージないかなあ。だから互いに知らないことがたくさんあると思います。
思い出のセルシーは今
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今度取材で大阪に行くんですが(その様子はデイリーポータルZの記事で)、ここはぜひ行ってほしい!みたいなおすすめの場所ってありますか。
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セルシーですね。千里中央の駅にあるショッピングモールで、地下にうどん屋もたこ焼きの和楽路屋(わらじや)も入ってます。僕はこの和楽路屋のたこ焼きが日本一だと思っていて、今でもこのためだけに千里中央に行くもの。
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それは絶対行きます。東京のたこ焼きと違うんですか?
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今はいろいろあるみたいだけど、東京は揚げてある感じのが多いでしょう。僕は柔らかいのが好きなので。和楽路屋のは柔らかいんです。
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やわらかいたこ焼きの他にセルシーのおすすめとかありますか。
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セルシーは建物のデザインからして面白いんです。真ん中に広場があって、それを囲むように建ってる建物が、場所によってフロアの階数が違ってたりして。あとプールやボーリングもあります。家族でよく行ったなあ。セルシーでたこ焼き食べて、父はパチンコ、僕らはぶらぶら買い物みたいな感じ。で、晩ごはん買って帰るんです。思い出の中のセルシーの占める割合がすごい。
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それは必ず行かねばですね。せつさんの思い出をたどってきますよ。
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うわーーーーーー!!
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ど、どうしました?
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今調べたらセルシー閉店してた、、。
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なんと!せつさんの青春が。
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はい。。まだ再開発されてないらしいから遠くからなら見えるかも。
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見てきます。遠くから眺めてきます。でもこれ聞いて遠くから眺めたら泣いてしまうかもしれない。
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おれも壊しちゃう前に行こう。セルシーが見える傍からモノレールが出てて、岡本太郎の太陽の塔のすぐそばまで行けますよ。
せつさん、さいご悲しくなっちゃいましたが、ありがとうございました!
【次回予告】次回は11月18日公開予定です!
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- せつはやと
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デザイナー 兼業画家 前職はデイリーポータルZ担当部長
1972年生まれ。大阪生まれ湘南育ち。
大学卒業後、会社員になるも、2002年「会社やめたら365連休!」と、世界一周旅行に。帰国後2003年ニフティに就職、2015年デイリーやカルカルを担務する部長になり、アメリカで札束風呂やデカ顔に同行、ウカウカする。
2019年、会社勤めをやめ、また世界一周。帰国後フリーランス。2020年から画家活動をはじめる。
せつはやとサイト
https://overlap-of-the-memories.themedia.jp

- 安藤昌教
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デイリーポータルZ編集部
1975年生まれ。愛知県出身。
前職は国立研究所にて高速炉の研究に従事。その後、氣志團バックダンサー、コーヒーショップ経営、等を経てデイリーポータルZ編集部に。
ものをむかずに食べる「むかない安藤」としての活動も8年目に突入。むかない安藤
https://www.youtube.com/playlist?list=PLI3lg7RZciQwJbfwfbzoo-ntIQV5IAEYhデイリーポータルZ編集部としてのプロフィール
https://dailyportalz.jp/writer/kijilist/212
今回話題にもならなかった大阪府の記事(デイリーポータルZのサイトに移動します)
