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2022.04.21
知ったかぶり対談 第五十三回:沖縄県塩せんべいとちゃんぽんが忘れられない
デイリーポータルZがいろいろな場所で取材してきた記事を読むことで、その県の出身者に負けないくらいに知ったかぶりできるんじゃないか。それが知ったかぶり対談です。
今回は沖縄県。沖縄県出身のライター與座ひかるさんに話を聞きました。インタビューはデイリーポータルZ編集部安藤が担当します。
沖縄は良くも悪くもほっといてくれない
與座さんは高校卒業まで沖縄ですか。もしかしたら僕が沖縄に住んでた時期とかぶってるかも。
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はい!生まれてから高校までが沖縄です。2009年までですね。
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僕は2008年まで沖縄にいたので完全にかぶってます。当時伊佐交差点のあたりに住んでいまして、普天間神宮へいく途中のあたりでお店をしてました。
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わー。普天間神宮は正月に行ったりしてましたよ。私は那覇の平和通り生まれ育ちです。
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沖縄せまいからきっとすれ違ってますね。どうもその節はお世話になりました。
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いえいえこちらこそ。沖縄ほんとせまいですから。大学で他県に出て、道を歩いてもみんな知らない人だ、、という事実が新鮮でうれしかったんです。
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沖縄だとまあどこ行ってもだいたい誰かに会いますからね。そのせいなのか土地柄なのか、人と人との距離が近いというか、つながりも濃いなと思ってました。
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そうなんです。地元の友達はいまでも毎月レベルで学生の頃の友達と飲んでたりするみたいだし。他県に出てきてすぐは「みんなほっといてくれる!!最高!!」って思った記憶があります。
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沖縄の人は良くも悪くもほっといてくれないですね。
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そうそう。でもおかげで困ったらぜったい誰か助けてくれる、っていう安心感はあるんですが。
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あー、そういう助け合いの精神みたいなのは一番ある気がしますね。僕が住んでたアパートは下の階に大家のおばあちゃんた住んでいたんですが、家賃が手渡しでして、持っていくと毎月おこづかいくれましたよ。
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いい人すぎる。

編集部安藤がかつて沖縄でやっていたお店。
沖縄では冬服と傘がいらない
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沖縄にいたころ、冬服って持ってましたか?ダウンとかブーツとか。

100年に一度といわれる寒波が来た沖縄でダウンを着るライター平坂さん。
(記事:「真冬に珍現象!寒波の沖縄で気絶した魚を拾う」より)
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持ってなかったです!厚手のパーカーが唯一の防寒着でした。まあ寒い日は年に2日くらいあるんですが。
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ですよね。そこさえがまんしちゃえば冬服いらないですよね。沖縄の人って傘もささなくないですか?みんなずぶぬれで歩いてる。
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ささないですね。私いまでも傘ささないです。ちょっと前に仕事でお客さんの前でそれやって、心配されて傘もらいましたから。
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東京なんて電車もお店もたくさんあるんだから、沖縄よりも傘いらないのに。
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いらないですよね!お店の軒先をつたって歩けば大丈夫です。濡れても帰って風呂入ればいいことなので。
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やっぱり沖縄の人だ!海に入る時も服着たまま入りませんか。
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はい。日焼けしちゃうので泳ぐときは基本着衣です。ビキニの観光客とか見ると「正気か」って思ってましたね。
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いまあの強烈な日差しを思い出して、いまものすごく沖縄に行きたくなってますよ。

沖縄は葉っぱがでかいので傘代わりになる
(記事:「沖縄の野良ポトスがヤバい」より)
成人式には旗を作る
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中学とか高校の卒業式では小麦粉かけあいましたか?
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メリケン粉ですね!私の代はメリケンはやらなかったですが、成人式はやや派手でした。
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沖縄の成人式は派手ですね。與座さんたちの頃っていちばん派手だった時期なんじゃないですか。
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楽しかったですよ~。ただ那覇はそこまで濃い成人式文化がなくて、袴の色をそろえるとか軽く旗を作るとかくらいでしたね。
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旗?成人式で?
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旗です。「華魅派羅最高」っていう旗を作りました。神原中学だったので。成人式って派手な袴とかヤンキーっぽい服着たりしますが、普段はみんないい子なので、伝統を守ってやっているって感じですかね。
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そうですよね。よくテレビなんかで荒れてるみたいに言われるけど、周りの大人も楽しく見てたような気がしますよ。
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そうそう。あとメリケンがある地域なら、きっと後輩からお菓子のレイを渡す文化も女子ならあったはずです。女の先輩後輩が謎にイチャイチャする文化があるんです。
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與座さんが記事で書いてた姉妹制度もそうですね。
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姉妹制度は他県では聞かないですね。
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姉妹制度はふつうに「お、お姉ちゃんができた、、」と思いこんだくらい姉分のことが好きでしたよ。
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卒業したあともそのつながりは続くんですか。
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少しの間続いてましたね。そのあと連絡が途絶えていたのを、あの記事がきかっけで連絡もらいました。一対一で話ができるので学生からすると進路相談できたりして、ふつうに便利でしたよ。
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いい文化だと思いますよ。うらやましいもの。

沖縄では卒業式に小麦粉をかける文化があり、それを阻止しようと大人と子供の攻防があった
(記事:「沖縄の卒業式には独自の文化が息づいている」より)

これが沖縄のお菓子のレイ
(記事:「沖縄の卒業式には独自の文化が息づいている」より)

沖縄に脈々と続く「姉妹制度」
(記事:「姉妹制度があった中学時代の話」より)
塩せんべいとちゃんぽんが忘れられない
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たまにどうしても食べたくなる沖縄料理ってありますか。
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料理とうかお菓子だけど、私は塩せんべいですね。
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塩せんべいは確かにうまい。
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うまいですよね!!東京だとなかなかあれを理解してくれる人がいなくて。
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たまに沖縄の友達が送ってくれるんですが、あれはうまいです。すぐ食べちゃう。
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ほらー、そうなんですよ。安藤さんはなんか忘れられない食べ物ありますか。
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沖縄に行ってすぐのころ、農連市場の近くの定食屋に連れて行ってもらったんですが、そこで食べた「ちゃんぽん」が美味しくて。忘れられないですね。
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ちゃんぽん美味しいですよねー。そして農連市場!!
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農連市場ってもうないんですか?僕はあそこで朝の4時くらいにちゃんぽん食べましたよ。
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建て直されてきれいになったんですが、精神は変わらずで、今も地べたに座ってもやしとか売ってて、また別の最高が生まれてますよ。
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でーじ最高だ。行かなきゃ。
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でーじ。言いますね。私は「しに」と「じらー」がいまだ抜けないです。
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「しに」は使いますよね。若い人はとくに。
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そうなんです!あせって「めっちゃ」って言い直してます。あと無理に敬語にしようとすると「〇〇しましょうねー」になる。
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わかるわー。僕は「あが!」も好きで、あえて今でも使ってるところがあります。
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「あが!」
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「あが!(びっくりしたときとかに使います)」
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ものすごく沖縄に行きたくなりましたよ。
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ほんとですよねー。

これは沖縄のすき焼き
(記事:「沖縄のすき焼きは何か違う」より)

これが農連市場
(記事:「閉鎖間近の農連市場に行ってきた」より)
與座さん、ありがとうございました!
【次回予告】次回は5月19日公開予定です!
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- 與座ひかる(よざひかる)
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1990年沖縄生まれ。営業日のお昼休みに(ほぼ)毎日更新する「今日の休憩」というブログを運営しています。
個人サイト 今日の休憩
https://note.com/udemerry

- 安藤昌教
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デイリーポータルZ編集部
1975年生まれ。愛知県出身。
前職は国立研究所にて高速炉の研究に従事。その後、氣志團バックダンサー、コーヒーショップ経営、等を経てデイリーポータルZ編集部に。
ものをむかずに食べる「むかない安藤」としての活動も8年目に突入。むかない安藤
https://www.youtube.com/playlist?list=PLI3lg7RZciQwJbfwfbzoo-ntIQV5IAEYhデイリーポータルZ編集部としてのプロフィール
https://dailyportalz.jp/writer/kijilist/212
今回話題にもならなかった沖縄県の記事(デイリーポータルZのサイトに移動します)
