知ったかぶり47

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2019.03.20

知ったかぶり対談 第二十二回:岡山県用水路には、全員が落ちる

デイリーポータルZがいろいろな場所で取材してきた記事を読むことで、その県の出身者に負けないくらい知ったかぶりできるんじゃないか。それが知ったかぶり対談です。

今回は岡山県。デイリーポータルZのライターで岡山在住の岡本智博(オカモトラボ)さんに登場してもらいました。インタビューはデイリーポータルZ編集部安藤が担当します。

どこもかしこも桃太郎

  • 岡山には取材で何度か行ったことがあるんですが、岡本さんも書いているように駅前からして桃太郎推しですよね。

岡山駅を降りた瞬間から桃太郎の像が。

岡山駅を降りた瞬間から桃太郎の像が。
岡山は桃太郎好きが高じて完全にモモタライゼーションが完了しました」より。

  • そうですね、本当に桃太郎?という普通の子どもの像にも桃太郎って書かれていたりしますから。

これは普通の子どもではないのか。

これは普通の子どもではないのか。

ところが桃太郎である。

ところが桃太郎である。「岡山は桃太郎好きが高じて完全にモモタライゼーションが完了しました」より。

  • 桃太郎って悪いイメージがまったくないので、反対意見が出ないんだと思います。だからつい桃太郎頼りになってしまう。

  • 確かに浦島太郎だとここまで展開できない気もしますね。高橋英樹の桃太郎侍も岡山ですか?「ひと~つ、人の世の生き血をすすり」。

  • 「ふた~つ、不埒な悪行三昧」。あれは関係なかったかと思いますね。

シャーマンに捕まると本気でやばい

  • デイリーポータルZの岡山関連の記事の中でも、岡本さんの書いた「シャーマンに捕まると死ぬ」っていう記事が衝撃的すぎて頭から離れないんですよね。これ、桃太郎の限りない善良さと対極にあるような気がするんですが、本当に同じ岡山なんですか。

岡山で行われているというシャーマンに捕まると3年以内に死ぬ、という行事です。

岡山で行われているというシャーマンに捕まると3年以内に死ぬ、という行事です。
神が憑依したシャーマンに捕まると死ぬ岡山、真夜中の護法祭

  • 護法祭ですね。岡山県の美咲町という山奥で行われているガチの行事です。これはもっとフィーチャーされてもいい気がするんですが、いかんせん怖すぎて広まらないですね。

  • タイトルに「死ぬ」って入ってる記事もなかなかないですよ。これ、実際シャーマンに捕まっちゃう人っているんですか?

  • 記事には書かなかったんですが、聞くところによると何年かに一回くらいの頻度で捕まるらしいです。

  • ひえー。

  • 捕まった場合もその後にお祓いを受ければセーフらしいんですが、ただしその年は用心した方がいいといいます。しかも捕まった人から芋づる式に家族とか周りの人にも危険が及ぶことがあるらしいので注意です。

  • 怖すぎますね。もしかしてこの記事、岡本さんがシャーマンに捕まって終わるのかなと思ってちょっと期待したところもあったんですが、それを聞いたら本当に捕まらなくてよかったです。

  • はい。捕まった方が絵的においしいというのは分かりますが、ガチで嫌すぎておもしろサイトではとり上げにくくなりますからね。

用水路には全員落ちたことがある

  • 護法祭の他に岡山に来たらここは行っとけ、みたいな場所ってありますか。

  • 護法祭はほんと誰にでもオススメできるものではないと思いますよ。普通におすすめなのは美観地区とかですかね。交通の便も良いですし。あとは瀬戸内海の多島の風景とかかな。

  • 美観地区というのは倉敷ですね。岡本さんの記事にも書かれていましたが、倉敷といえば最近は国産ジーンズ発祥の地としても有名ですよね。

いい景色の美観地区。

いい景色の美観地区。「国産ジーンズ発祥の地は青い食べ物だらけだった」より

  • そうですね、全国的にも倉敷のジーンズは定着してきましたね。もともと岡山って干拓地が多いんです。干拓された塩分の多い土地でも育つってことで綿花の栽培が盛んになったらしいんですが、その流れでジーンズが生まれたわけです。

  • 岡山には用水路が多いという話も聞きますが、それも干拓と関係があるんですか。

  • そうですね。岡山の人はたぶん全員用水路に落ちていると思います。

  • 全員。岡本さんも落ちましたか?

  • もちろん落ちましたよ。

  • 落ちたらどうなっちゃうんですか。まさかそのまま流されて行っちゃうとか?

  • いや、水はそんなに多くないので流されはしないんですが、高さが高いので場合によってはケガしますね。用水路についてはおもしろい話があって、岡山の用水路にはふたがなくて危ないって最近になってテレビなんかで言われ出したんですが、それを見て岡山の人も「そうか、用水路って危ないのか」と気づいた感じなんです。

  • 他県から言われるまで気づかなかったんだ。そんなことってありますか。

  • だってそれが日常でしたからね。ごく普通に柵のない用水路がそこらじゅうにあったので、まさかそれが全国的に見ると危ないなんて思いもよらなかったんです。でもおかげで最近では柵とかガードレールなんかがつきつつありますよ。

  • でもみんな落ちてたんでしょう?「道路危ない!」って騒ぐ人があまりいないみたいな感じなのかな。

  • まさにそんな感じだと思います。車が走っているから用水路なんかより危ないですよ、道は。

  • もしかしたら桃が流れてきたという川も用水路だった可能性がありますね。桃太郎というのは上流で桃と一緒に用水路に落ちた子どもだったのでは。

  • なるほど。ジーンズが発祥したのも用水路に落ちた時にケガしないためと考えると全てにおいてつじつまがあう気がします。

離島では「ケガしないでね」と言われる

  • 瀬戸内海の島には地主くんが前に行っていましたよ。

いい猫がいる島、真鍋島。

いい猫がいる島、真鍋島。「猫がカップルよりも多い島に行く」より

  • 真鍋島ですね!行ったことはないんですが、いいところみたいですよね。ただ、小さい島だと病院がないところとかもざらで、子どもたちは親から「ケガしないでね」とか言われるらしいです。

  • そういわれても子どもはケガしますよね。

  • コントロールできるものじゃないですからね。でも病院がないのででかいケガには気をつけないとまずいです。まあ船とか持っていればいいんでしょうけど。

  • そうか、自分で船持ってたらケガしても病院に行けるのか。

  • そうですね。前に離島で最終フェリーの時間になってもゆっくりしている人がいたので「時間大丈夫ですか?」って声をかけたら、「わし船もっとるけん!」と言われたことがあります。

  • 無敵じゃないですか。

  • いつかそうなりたいものです。

【次回予告】次回は群馬県を知ったかぶります。(4月18日公開予定)!

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岡本智博(オカモトラボ)
岡本智博(オカモトラボ)

1984年岡山県生まれ在住。会社員。
DPZライターとして岡山ローカルネタやもの作りネタを中心に執筆。
雑貨を作って売っていたりもする。

安藤昌教
安藤昌教

デイリーポータルZ編集部
1975年生まれ。愛知県出身。
前職は国立研究所にて高速炉の研究に従事。その後、氣志團バックダンサー、コーヒーショップ経営、等を経てデイリーポータルZ編集部に。
ものをむかずに食べる「むかない安藤」としての活動も7年目に突入。

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