知ったかぶり47

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2019.01.17

知ったかぶり対談 第二十回:長崎県長崎のゴミ収集は馬が引いていた

デイリーポータルZがいろいろな場所で取材してきた記事を読むことで、その県の出身者に負けないくらい知ったかぶりできるんじゃないか。それが知ったかぶり対談です。

今回は長崎県。生きものライターとして活躍中の平坂寛さんに登場してもらいました。インタビューはデイリーポータルZ編集部安藤が担当します。

長崎といえば坂の街

  • 平坂さんというとジャングルとか海とか、変わった生き物がいるところにいるイメージなんですが、実は長崎出身なんですね。当時から生き物が好きだったんですか?

カミツキガメを捕まえる平坂さん

カミツキガメを捕まえる平坂さん「カミツキガメを捕まえて食べた

  • 大学に入るまでなので18歳まで長崎で暮らしていました。もちろん当時も生き物が好きだったんですが、長崎って意外と自然が多くないんですよね。

  • 坂の街っていうイメージですもんね。

長崎といえば坂

長崎といえば坂「長崎の変わったネーミングの坂めぐり

  • 傾斜が急で川幅も狭いから、雨が降るとすく鉄砲水になっちゃうんです。それで川がコンクリートで治水されていて、魚やエビがあまりいないんですよね。その反動で生き物の多い沖縄に行くようになりました。

  • 生きものを求めて長崎を出たわけですね。

  • そうかもしれません。でも崖とか急すぎる坂とか、長崎ならではの面白い風景もたくさんありましたよ。僕の住んでいたアパートは地上3階建てだったんですが、斜面の下にも伸びていてマイナス2階までありました。

  • 坂の街ならではですね。そういえば長崎は崖とか坂が多いからゴミの回収が大変って記事で読みました。

長崎のゴミ収集がすごい

長崎のゴミ収集がすごい「壮絶!長崎のゴミ収集

  • 長崎を離れてはじめてあの特殊性に気づきましたよ。なんでゴミの日なのに緑のソリを引いてるおじさんがいないんだろう、って。

  • この記事でゴミを引いているおじさん、最後に豪快に坂から滑り落ちているんです。それをライターのT斎藤さんが助けているんですが、これを見たとき長崎すごいな、と思いました。この方式って今でも変わらないんですか。

  • 実家に帰るたびに減っているような気がしますね。ゴミ収集車が小型化したのかもしれません。でも市内の細い道だと今でもソリを引いてるのかなー。僕が小さい頃はこの緑のソリ、馬に引かせていましたけどね。

  • 馬?

  • そう、馬。ほら、急斜面とか細い道とか、人力だとどうしようもないんです。

すり身、カステラ、焼きりんごパン

長崎といえばすり身

長崎といえばすり身「すり身揚げのすすめ

  • 長崎の食べ物だとすり身を揚げたやつが好きなんです。ハトシもすり身揚げの一種ですよね。

長崎名物ハトシロール

長崎名物ハトシロール「ハトシでおおなかいっぱい

  • そうですね。ハトシロールは僕も長崎空港でよく食べます。でもあれって登場したのわりと最近じゃないかな。子どもの頃は知らなかったですもん。

  • そうなんですね。子どもの頃から長崎で食べていて、今でも食べたくなるものとかってありますか。

  • やっぱり甘いものですかね。カステラとか丸ぼうろとか、あと焼きリンゴっていう菓子パンがあるんですが、それが素朴でうまいんです。

これが焼きりんごパン。りんごは入っていない。

これが焼きりんごパン。りんごは入っていない。「焼きりんごパンの謎

  • これですね。りんごパンなのにりんごが入っていないんだ。

  • 入ってるのもあるみたいですよ。焼きりんごパンはメーカーごとにりんごが入っているかとか、クリームの香りや味なんかも違うんです。食べたいなあ。

長崎と沖縄ではちゃんぽんが違う

長崎といえばちゃんぽん

長崎といえばちゃんぽん「リンガーハットのチャンポンは長崎と東京で味が違うのか?

  • ちゃんぽんはどうですか?

  • ちゃんぽんは休みの日に友達の家に行くとよくごちそうになっていたイメージです。うちは両親が長崎出身じゃないってこともあって、さほどでもなかったんですが、家庭によって思い入れの強さが違う気がしますね。

  • あと沖縄だとちゃんぽんが丼になるんですよ。それがショックで。※平坂さんはいま沖縄在住です。

  • 僕も沖縄にすんでいたことがあるのでそのショックはわかります。皿にご飯が敷いてあって玉子でとじられた具がかかっているのが沖縄でいう「ちゃんぽん」なんですよね。

これが沖縄のちゃんぽん

これが沖縄のちゃんぽん「沖縄ちゃんぽん

  • もうまったくの別物です。

  • 長崎県民としてこの一点だけはどうしても受け入れられなかったです。

観光地じゃないと埋もれてしまう

  • それから長崎の刑務所跡の記事は、僕がデイリーポータルZというサイトを知るきっかけになった記事だと思います。あの記事を読んで、感動して残った門をわざわざ見に行きましたから。

この記事の衝撃はすごかった

この記事の衝撃はすごかった「衝撃の廃墟/旧長崎刑務所を訪ねる

  • 廃墟だった刑務所が更地になって商業施設ができて、結果的に門だけが残ったんでしたね。

整備されて最終的にこうなりました

整備されて最終的にこうなりました「旧長崎刑務所のその後のその後

  • T斎藤さんが紹介する長崎の記事を読むと、あー、長崎って面白い街だったんだなー、と改めて認識するんですよね。

  • 斎藤さんは長崎在住ですが出身は茨城県なので、外からの目線で長崎を紹介できるんでしょうね。住んでいると当たり前になっちゃうんですが、外から見るとじつはこんなに面白かったんだ、って気づくことってありますから。

  • ほんとそう。観光客が行かない場所って情報として上がってこないんですよね。

  • 僕たちが記事を書く理由が見つかりましたね。

平坂さん、ありがとうございました。

【次回予告】次回は山梨県を知ったかぶります。(2月14日公開予定)!

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平坂寛
平坂寛

1985年長崎県生まれ。生きものの面白さを一人でも多くの人に伝えるべく活動する「生きものライター」。

安藤昌教
安藤昌教

デイリーポータルZ編集部
1975年生まれ。愛知県出身。
前職は国立研究所にて高速炉の研究に従事。その後、氣志團バックダンサー、コーヒーショップ経営、等を経てデイリーポータルZ編集部に。
ものをむかずに食べる「むかない安藤」としての活動も7年目に突入。

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