知ったかぶり47

知ったかぶり対談 第四回:宮城県「牛タンとほやで復興を語る」

デイリーポータルZがいろいろな場所で取材してきた記事を読むことで、その県の出身者に負けないくらい知ったかぶりできるんじゃないか。それが知ったかぶり対談です。

第四回は宮城県。出身者は、写真家の森英嗣さん、インタビューはデイリーポータルZ編集部安藤が担当します。

こけし、七夕、楽天イーグルス

こけし
七夕
  • すごい。鳴子のこけしは有名だね。次のは七夕、仙台の夏の風物詩。

  • 森さんは仙台出身ということで、町の印象とか、思い出すイメージみたいなものはありますか。

  • 毎年夏には仙台の実家で過ごしていたからね、なんというか甘酸っぱい記憶はあるよ。仙台の町には仙台四郎っていう実在した福の神がいて、いまでも小さい商店なんかに行くと四郎の写真を飾ってあったりして、そういう信心深いところがまだ残っている気がするな。

楽天1
楽天2
  • これは楽天でしょ。

  • これ最高だと思うんですけど、観覧車から楽天の試合が見られるらしいんです。僕は子どもの頃から中日ドラゴンズのファンでして、ドームになる前の名古屋球場にはよく応援に行きました。ドームよりも屋外が好きなんですよね、夜空があってその下でライトに照らされた球場があって。

  • ごめん野球には正直それほど思い入れがないんだけどね、実家が福祉大の近くだったから横浜の佐々木には親近感ある。

  • 大魔神佐々木ですね。近所のお弁当屋さんにサイン色紙があったので、佐々木も僕と同じ弁当食べてるんだって思って、僕も勝手に親近感持ってました。

回転寿司も冷やし中華も仙台発祥

  • これはどうでしょう?

冷やし中華
  • 冷やし中華!発祥のお店に行ったことあるよ。仙台は炉端焼きなんかも発祥なんだよね。

  • そうなんですか!

  • たしか回転寿司もじゃないかな。アイデアマンが多いのかも。

  • なるほど。そうするとこれなんかもアイデアマンの所業のひとつなのかな。

大観音

「仙台を見下ろす大観音がすごかった」

  • この観音様、個人が作ったらしいんです。

  • これは懐かしいというか、ボクはこのふもとの町で生れたから。生まれた時にはまだ観音さまはなかったけどね。うちの実家もこの観音様作っちゃった不動産屋が開拓した地域で、そういう意味では常に観音様に見守られてる感じだったな。

  • それは悪いことできないですね。

  • なにしろ100メートルくらいあるからね。観音様っていうかランドマークだよね。実家を説明するときにはいつも「あの観音のふもとです」って言ってた。そうすると地元の人ならだいたいわかってくれるので。

  • 巨大な観音様って各地にあるような気がするんですが、個人で作りたくなるタイミングとかあるんですかね。よーし、うちの事業も成功したし、そろそろ観音様作るかー、みたいな。

  • あるのかなあ。この観音様を作った業者はこの後経営が傾いて持っていたゴルフ場とか手放したって聞いたけど。

  • なんと。

  • ふもとに住んでいた身としては複雑です。

牛たんは子どもも食べる

牛たん

「仙台の牛たんはうまいことがわかった」

  • 牛タンだね。美味いよ。

  • まちがいなく美味そうなんですが、実は僕はたぶんまともに食べたことがないんです。

  • 前に勤めていたデザイン事務所がこの「太助」のそばで、よく行ってたなあ。炭火でね、じっくり焼くの。太助の牛タンはとにかく分厚くてさ。

  • いいなー。でもこれって大人のというか、大人になってからわかる美味しさじゃないですか。子どもも食べるんですか。

  • 食べるよ、お客の大半はサラリーマンだけど、親子で来てる家族もいる。でもなにしろ量が多いからね、子どもは半分親に食べてもらったりするのかな。

  • ほんと仙台に生まれたかった。僕が生まれた愛知では子どもはせいぜいえびせんべいでしたから。

見た目は怪獣、だけど食べるとうまい「ほや」

ほや

「ほやの魅力を堪能するバスツアー」

  • デイリーには宮城のほやが好きで好きでたまらない玉置さんというライターがいまして。

  • わかる。ボクもほや大好き。

  • やっぱり好きですか。僕も好きなんですが、あれって怪獣みたいじゃないですか、見た目が。

ホヤ

怪獣だろうよこれは。

  • 見た目は、ね。でもやっぱり子どもの頃から食べてるし、美味い物としてもう刷り込まれてるかな。

  • お酒のつまみって印象が強いんですが、宮城だと子どもでも食べるんですか。ご飯のおかずとして?

  • なんだろう、ボクはおばあちゃんっ子だったからかな。おかずっていうよりも、大人の宴会に顔出して食べ物をつまむ感じ。実家は自動車整備工場だったから、整備員の塗料くさいお兄さんたちと仲良くなったりしてさ。そういう場で食べてたな、ほやは。

震災、そして復興

  • ほやを紹介した記事は他にもいくつかあるんですが、やはり震災の前後で背景になる街の風景が変わっていると思うんです。

  • そうだね。震災の影響は山の手と沿岸とじゃだいぶ違っていて、ボクの親は山の方に住んでいたのでまだましだったんだけど、沿岸の若林区なんかは今でも復興はこれからって感じで。

  • 僕たちも震災後にヤフーの石巻復興ベースでイベントやらせてもらったことがあるんですが、その時に見た街の風景が強烈に残っています。

  • 石巻はボクも2012年にアートのボランティアで行ってたな。その時は光の軌跡で絵を描くワークショップを撮影した。他にも傷ついた写真を修復する作業を手伝ったりとかね。

石巻DRAWING PROJECT

石巻DRAWING PROJECTより

  • あの頃から比べるとずいぶん復興が進んでいるようにも見えますが、完全に元の姿にもどることは二度とないわけで。僕たちとしてはほやとか牛タンを食べに行くくらいしかできることがなかなかないんですが、これからも応援していきたいと思っています。

2010年の女川

ほや祭り

「ほや祭りでほや料理を食べてきた」

2012年

2012年の女川
2012年の女川

「2017年女川の旅」

2015年

2015年の女川

2017年

2017年の女川
2017年の女川

「2017年女川の旅」

森さん、ありがとうございました。

次回は神奈川県を知ったかぶります(9月21日公開予定)。おたのしみに!

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森英嗣
森英嗣(bozzo)

舞台写真家。91年多摩美GD卒。カメラマン助手、Gデザイナー、アートディレクターと、職と土地を流転し、2009年夏より沖縄から東京へ。写真家として独立。ダンス、演劇、音楽等の舞台撮影を主な分野とする。「写真には見えないものを見せる力がある」が信条。


安藤昌教
安藤昌教

デイリーポータルZ編集部
1975年生まれ。愛知県出身。
前職は国立研究所にて高速炉の研究に従事。その後、氣志團バックダンサー、コーヒーショップ経営、等を経てデイリーポータルZ編集部に。
ものをむかずに食べる「むかない安藤」としての活動も6年目に突入。

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