知ったかぶり47

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2018.11.15

知ったかぶり対談 第十八回:京都府おうどんのお出汁は薄味にかぎる

デイリーポータルZがいろいろな場所で取材してきた記事を読むことで、その県の出身者に負けないくらい知ったかぶりできるんじゃないか。それが知ったかぶり対談です。

今回は京都。デザイナーでありラクガキコーチとしても広く活躍中のタムラカイさんに登場してもらいました。インタビューはデイリーポータルZ編集部安藤が担当します。

お客さんには優しい京都

  • タムラさん、京都の人だったんですね。どおりで、という感じがします。僕は学生の頃に滋賀県で部活の合宿をしていて、休みになるとよく京都まで出かけていたんですが、京都の人ってなんだかおだやかなのに個性的で、みたいな印象があるんですよね。

  • そうですか、住んでるとわからないんですが、同じ関西でも大阪、神戸、京都って互いに張り合っていて、互いが互いに「他と一緒にしないでくれ」っていうんですよね。中でも京都は外からのお客さんにはすごく優しい印象があります。

  • それは住むとなると話は別ってことですか?

  • そうですね。たとえば京都に10年くらい住んで「いやー、京都もだいぶわかってきましてー」みたいなことを言うとピリッとした空気が流れたりします。昔から京都に住んでる人なんかはよく「このあたりも昔は竹やぶだったんですけどね」とかいうんですが、それって江戸時代の話だったりしますから。

  • 京都自体が日本の歴史みたいなものですからね。京都は僕らから見るとザ・観光地という印象なんですが、住んでいるとどうなんですか?休みにお寺でも見に行こう、とかなります?

  • 子どもの頃から大きなお寺のまわりで遊んでいたりしたので、あまり観光地っていう意識はないんですよね。金閣寺だって祖母の家の近くだったので徒歩圏内だったんですが、大学に入って京都を離れてから友だちと行ったのが初めてだったし、清水寺にいたっては実はまだ行ったことがないです。

  • いつでも行けると思うとわざわざ混んでる観光地には行かないっていう気持ち、なんとなくわかります。新京極なんかはどうですか?僕らからすると修学旅行生がお土産買ったりする場所っていうイメージですが。

  • 新京極はね、よく行きましたよ。それこそ普通に学校帰りにゲーセン行ったり服を買いに行ったりとかしてた場所です。記事にもありましたが、新京極は修学旅行生とセットなんです。だからいま思い出すと背景にはいつも制服姿の修学旅行生が木刀持って歩いています。

京都と修学旅行生と木刀は常にセット

京都と修学旅行生と木刀は常にセット「いまどきの修学旅行生は木刀を持っているのか

  • 修学旅行といえば京都、みたいなところありますからね。やはり他県から見ると京都行こう!となるとテンションあがります。有名な「そうだ 京都、いこう」ってあのキャッチコピー、そうだ、のあとに続くのはやっぱり京都でなくちゃ、と思うんです。

  • さっきも言いましたが京都の人はお客さんに優しいので、京都行こう!って思って来てもらえるとやっぱりうれしいですね。でも僕は逆に京都から修学旅行で名古屋に行ったんですが、それはもうテンション上がりましたよ。「城!」とか「金シャチ!」とか言って。

  • え!名古屋に?ようこそ!自分の地元に修学旅行にこられるって、うれしいけどなんだかくすぐったいですね。

開かれた観光地とディープスポットが混在する町

こういう京都もあるんです

こういう京都もあるんです「京都のディープスポット・ネコと飲める店「ネコ穴」

  • これなんてどうでしょう。京都っていうと料亭とかお座敷、みたいなイメージあったんですが、こういうディープなスポットもあるんですね。

  • こういうなんだかわからないお店って実はちょくちょくあって、大人になってお酒飲めるようになって先斗町(ぽんとちょう)あたりに行くとですね、とつぜんぽっかり開いた穴みたいにこういう謎のお店が現れたりするんですよ。

  • これも京都の長い歴史がなせる技でしょうか。

  • 京都って大学も多くて、ほら京大とかって変なことやるイメージあるじゃないですか。卒業式に仮装してみたりとか。あとは美大なんかも多いので、そういうちょっと変なものを変なまま楽しもうというか、活かしているみたいな感じはありますね。新と旧、まじめとへん、がうまくごちゃ混ぜになっている町なんです。

京都には中華料理が流行る土壌がある

河原町あたりに行くとから揚げ食べながら歩いている若者が多いらしい

河原町あたりに行くとから揚げ食べながら歩いている若者が多いらしい「京都にから揚げの波が来た

  • から揚げは当時から流行ってましたか?

  • これは最近じゃないかな、知らなかったですね。僕がいた頃はそんなことなかったですよ。

  • 天下一品とか餃子の王将とか、なぜかわからないけど中華が流行る土壌はあるのかもしれないですね。

  • そう言われるとそうですね。天下一品なんかは家族でよく行きました。でもどこかジャンクなものを食べている罪悪感みたいなものがあって、お父さんはこってりだけどお母さんと子どもはあっさりね、みたいな暗黙のルールがあったりして。

京都には中華が流行る土壌があるのかも

京都には中華が流行る土壌があるのかも「餃子の王将をめぐる旅in京都

  • なんとなく京都は薄味っていうイメージがあったんですが、王将や天下一品なんかは対極ですよね。それでもみんな行くんですね。

  • 行きましたね、いまでも行きます。京都の味付けが薄味っていうのは関東に出てきてから気づきましたね。自分で作ったごはんをみんなに食べてもらった時に「ちょっと薄くない?」みたいに言われて。

おうどんのお出汁は薄味にかぎる

  • 関東に比べると全体に薄味なんでしょうね。うどんとか、違いが顕著っていうじゃないですか。

うどんのつゆの東西の違いは有名

うどんのつゆの東西の違いは有名「京都の駅そばは薄味なのか

  • そうですね、おうどんのお出汁は、本当に関東の真っ黒のやつを見て驚きました。

  • 「おうどん」の「お出汁」っていう言い方も上品で京都っぽいですよ。

  • 言いませんか?うちなんてたくあんのことを「お香香(おこうこう)」って言ってましたよ。

  • お上品!お雑煮はどうでした?お雑煮って地域差出ると思うんですよね。

  • お雑煮は甘い白みそに丸もち、あと頭芋っていう里芋のでかいやつが入っていました。本当ならこれに人参が入ると紅白が成り立つみたいなんですが、うちは父親が人参嫌いだったので白一色でしたね。

  • やっぱりなんというか、基本がお上品な感じがしますよ京都は。

でかい神社はサグラダファミリアみたいなもの

  • タムラさん最近京都帰りましたか。

  • 仕事でも行きましたし、やはり好きなんでちょくちょく帰りますよ。

  • 以前と変わったなと思うこととかありますか。

  • 月並みですが外国人観光客が増えましたね。京都駅とか有名な観光地なんかだと日本語よりも外国語の方が聞こえるくらいです。

  • お寺とか神社とかを見に行って、海外の人ってどういう印象を持つんでしょうね。

外国人はどう見るんだろう

外国人はどう見るんだろう「十二支すべての狛動物が揃う神社

  • でかい仏様とかでかいお寺とか、単純に、でかい!すげえ!って思うんじゃないですかね。それはきっと僕らがまったく知識なしにサグラダファミリア見に行ってすげえ!って言ってるのと同じじゃないかと思いますよ。

タムラさん、ありがとうございました。

【次回予告】次回は三重県を知ったかぶります。(12月20日公開予定)!

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タムラ カイ
タムラ カイ

「世界の創造性のレベルを1つ上げる」をミッションに活動するラクガキコーチ / グラフィックカタリスト / デザイナー。

安藤昌教
安藤昌教

デイリーポータルZ編集部
1975年生まれ。愛知県出身。
前職は国立研究所にて高速炉の研究に従事。その後、氣志團バックダンサー、コーヒーショップ経営、等を経てデイリーポータルZ編集部に。
ものをむかずに食べる「むかない安藤」としての活動も6年目に突入。

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