知ったかぶり47

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2020.03.19

知ったかぶり対談 第三十三回:熊本県サラダちくわをパリで広めたい

デイリーポータルZがいろいろな場所で取材してきた記事を読むことで、その県の出身者に負けないくらい知ったかぶりできるんじゃないか。それが知ったかぶり対談です。

今回は熊本県。出身者として、パリで画家として活躍する中山伊知郎さんに登場してもらいました。インタビューはデイリーポータルZ編集部安藤が担当します。

パリで絵を描いています

  • こんばんは!

  • こんにちは!あ、こんばんは、だ!

  • そうか、フランスは昼なんですね。

  • 夏時間が始まると7時間ですが、今はまだ8時間の時差があります。

  • こうして普通にチャットで話していると忘れちゃいますが(この対談はチャットで行っています)、中山さんは熊本出身で、今はパリ在住なんですよね。

  • そうです。出身は熊本市ですが、大学から福岡に行って、そのあともうかれこれ10年くらいパリです。

中山さんはパリで画家をしています。

中山さんはパリで画家をしています。

  • たまに熊本に帰ったりもするんですか。

  • 年に一度は帰りますよ。できればしょっちゅう帰りたいくらいです。

  • そうなんですか。僕らからするとパリなんて羨ましいなと思うんですが。

  • 絵を描く環境としてはパリは素晴らしいと思います。無名の作家でも生きていけるというか、受け入れてもらえるところがありますね。日本ほどネームバリューが重視されない気がします。

  • なるほどー。日本だとそもそもあまり絵を買う文化がないですからね。

  • そうですね、ブランド物は売れてもアートは売れないですね。身の丈にあった、本当に自分のためになるものをお金貯めて買うといいと思うんですけどね。

フランスと熊本の共通点をさぐる

  • パリとかイタリアとかにいると、町に一級品があふれているじゃないですか。美術館や教会に行けば有名な絵画があるし、街並みからしてきれいで。そういう環境にいるとどうなんですか?やっぱり刺激されるのか、僕なんかだと逆に「こりゃあなにやってもかなわないぞ」と思って創作意欲がそがれてしまいそうなんですが。

  • 確かにそれはあるかもしれないですね。すでにあるものが素晴らしすぎるので。でも時代は流れているわけだし、スランプの時なんかに美術館に行くと刺激になりますよ。

  • 無茶な質問かもしれませんが、熊本とフランスとで共通点なんてありますか。もしくはまったく正反対のこととか。

熊本

熊本(阿蘇のカルデラを走る2つの観光列車

パリ

パリ(パリのカフェで絵はがきを書きたかった

  • うーん、なんだろう。正反対なことの方が多いかもしれないですね。例えばこちらでは、郵便局でもスーパーでも交通機関でも、なんでもいちいち時間がかかったりします。

  • 日本だと電車が1分でも遅れるとアナウンスで謝られますからね。ちょっとせっかちすぎるような気もします。

  • どちらかが「普通」ってわけでもないですからね。それを知っておくことが大切だとは思います。

  • 熊本とフランスとで似ている点があるとすると、人が頑固ってところですかね。

  • 頑固!

  • 熊本には「肥後モッコス」って言葉があって、すごく頑固という意味です。そこはフランス人にそっくり!

  • そうなんですね。たしかにナポレオンとか頑固そうな顔してますからね。

ダヴィッド『ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト』

ダヴィッド『ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト』

  • 人がぜんぜん違うなと思うのは、「肥後のわさもん」って言って熊本人は新しい物好きなんです。わさもんっていうのは好奇心が強い人って感じですかね。

  • フランス人はそうじゃない?

  • 意外と保守的なところがありますよ。よく言えば慎重ですね。

くまモンはフランスで受け入れられるのか

  • 中山さん、くまモンは知ってますか?

熊本といえばくまモン

熊本といえばくまモン(ゆるキャラに支配される熊本と脳

  • もちろん知ってますよ!かわいいじゃないですか。

  • 熊本のみならず日本中で大人気です。

  • くまモンは前にパリに来て市長と対面していましたよ。その後モン・サンミシェルにも行っていました。

  • あの格好で移動したんですかね。すごい。

  • そうですよね。フランスではキャラクターとかぬいぐるみは子どものためのもので、友だちの子どもにくまモンんのぬいぐるみをプレゼントしたことがありますよ。

  • どんな反応でした?

  • 黒かったので親が驚いていました。なんだこれは!と。

  • そういえば海外ってあまりゆるキャラみたいな存在を見ないかもしれないですね。

  • 少ないかもしれないですね。「かわいい」の感覚も日本とフランスとでは少し違います。でも今の子たちは結構マンガを見て育っていることが多いので、小さい子どもはわりとああいうキャラも受け入れてくれます。

ちくわサラダをフランスでも

  • 熊本の食べ物でどうしても食べたくなるものとかありますか。

  • ヒライのお弁当ですかね。

ヒライ

ヒライ(サラダちくわは完全武装のポテトサラダだった

  • もしかしてサラダちくわですか?

これがサラダちくわ

これがサラダちくわ(サラダちくわは完全武装のポテトサラダだった

  • そうそう、ポテトサラダが好きでちくわが好きで、天ぷらが好きなら行きつく先はサラダちくわです。嫌いになる要素がない。

  • 総菜の完成形に見えますね。

  • 美味しいですよ。もう30年以上前からあるんじゃないかな。

  • パリでも作ってみんなに広めてくださいよ。クリスマスマーケットなんかで屋台で売ると売れると思いますよ。

  • それはナイスなアイデア!

中山さん、ありがとうございました。

【次回予告】次回は長野県を知ったかぶります!(4月16日公開予定)

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中山伊知郎(なかやまいちろう)
中山伊知郎(なかやまいちろう)

1968年熊本生まれ
九州産業大学 芸術学部卒業後、ディスプレイデザイナー、デッサン講師などの経験を経た後、渡仏。画家として活動中。

安藤昌教
安藤昌教

デイリーポータルZ編集部
1975年生まれ。愛知県出身。
前職は国立研究所にて高速炉の研究に従事。その後、氣志團バックダンサー、コーヒーショップ経営、等を経てデイリーポータルZ編集部に。
ものをむかずに食べる「むかない安藤」としての活動も8年目に突入。

今回話題にもならなかった熊本県の記事(デイリーポータルZのサイトに移動します)

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