知ったかぶり47

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2017.05.18

知ったかぶり対談 第一回:鳥取県鳥取のお雑煮は甘い

デイリーポータルZがいろいろな場所で取材してきた記事を読むことで、その県の出身者に負けないくらい知ったかぶりできるんじゃないか。それが知ったかぶり対談です。

第一回目は鳥取県。出身者は、映像監督、俳優とマルチに活躍する森翔太さん、インタビューはデイリーポータルZ編集部安藤が担当します。

鳥取でも米子でもない、倉吉

  • 森さんは鳥取県の倉吉市出身ですよね。

  • はい!倉吉です。鳥取には米子と鳥取という大都会がありまして、倉吉はそのちょうど真ん中くらいの場所に位置しています。どちらもそれほど遠くないんですが、僕にとって米子とか鳥取に行くっていうのは東京に行くくらいの覚悟でした。

  • 愛知のいなか出身の僕が名古屋に行くみたいなものですかね。倉吉というのは文化的には米子と鳥取と、どちらに近いんですか?

  • それもちょうど中間くらいでして、米子は外部の文化を積極的に取り入れているイメージ、逆に鳥取は内輪感のあるイメージなんですが、倉吉は、そうですね、ほんとどっちでもないんです。方言を話す人も少ないんですよね。なんなんだろう。

米子・倉吉・鳥取

牛骨ヒャッホー!とは言わない

  • そんな森さんにデイリーポータルZがこれまで取材してきた鳥取の記事を見てほしいんですが、まずこれ知ってますか。牛骨ラーメンです。

牛骨ラーメン

牛骨ラーメン(記事:「牛骨ラーメン」と倉吉の思い出より)。

  • これはですね、うちの実家でも販売していますよ~。

  • え?ご実家はラーメン屋さん?

  • いえ、父は紙関係の会社を経営しているんですが、他にも喫茶店を経営したりとか町おこしみたいなことにも積極的でして、その一環として牛骨ラーメンも通販で販売したりしています。

  • 地元の名士じゃないですか。牛骨ラーメンってうまいですか?

  • 人気ありますからね、うまいんだと思いますが、僕は、ええっとどうでしょう。趣味の問題かもしれませんね。しかし地元で「牛骨ヒャッホー!」みたいなこと言ってる人は見たことないですけどね。

  • それは愛知にだって「赤味噌ヒャッハー!」みたいな人はめったにいないですから。

  • 名物ってそういうものなんでしょうね。

茶碗蒸しに春雨は入れるのか

  • これはどうですか。春雨入り茶碗蒸しです。

春雨入り茶碗蒸し

春雨入り茶碗蒸し(記事:茶碗蒸しに春雨入れるのは鳥取県米子市近辺だけ!より)。

  • これは知らないですね。タイトルでも米子だけって言ってますからね。島根寄りの文化な気がします。

  • 鳥取って実のところ島根と仲悪いんですか?茨城に住んでいた頃、地元の友だちが千葉ナンバーの車見かけたらとりあえず県境まで追いかけ回すって言っていたんですが、鳥取と島根もそんな感じ?

  • どうなんでしょう。僕たち鳥取県民は島根の人はいつも鳥取の悪口を言ってるって教わってきたんですが。

  • 僕の母方が島根なんですが、鳥取の悪口を聞いたことないですよ。

  • え!わ!そうなんですか。

板わかめとちくわ

  • 板わかめなんてどうでしょう。

板わかめ

板わかめ(記事:鳥取・島根名産「板わかめ」の美味しさを皆様に知っていただきたいより)。

  • でたー!これ食卓によく出ましたよ、バリバリにしてご飯にかけて食べろって。

  • これは僕も好きなんです。島根から板わかめとなんか巨大なちくわみたいなやつをよく送ってもらっていました。

  • ちくわはそこらじゅうに、本当に当たり前のように存在していましたね。

  • やっぱりそうなんだ。記事にもありました。

鳥取のちくわ売り場

鳥取のちくわ売り場の充実ぶり(記事:鳥取はちくわ王国だったより)。

  • ちくわは鳥取の誇りですね。学校の帰りによくあごちくわを食べながら帰ったものです。

鳥取のお雑煮はおしるこ

  • 倉吉には砂丘はないんですか?

  • ないですよ!

  • すみません、子どものころ鳥取県は全県的に砂でできていると思っていたので。

  • 鳥取といえば砂丘って習いますからね。倉吉からだと鳥取砂丘まで電車で1時間半くらいかかります。でもよく聞かれるんですよね、大人になってからも「ラクダ飼ってるの?」とか。飼ってないですよ普通。

  • いないんですか、ラクダ。

  • 出たよ、それだよ。いないですよ、アラブじゃないんだから。

  • 他に鳥取ならではの自慢とか思い出ってありますか?

  • そういえば鳥取は雑煮がすごいですよ。

  • 雑煮ってお正月に食べる、あの雑煮ですか?

  • 恐るべきことに鳥取の雑煮はおしるこでして。

  • 本当だ!写真を見ると完全におしるこですね。

  • 東京に出てきた年にお雑煮を食べてびっくりしました。なんだこれは、甘くないぞ!って。その後たまたまおしるこの缶ジュースを飲んだらそれが鳥取でいう雑煮で、もうパニックです。

  • なんで入れ替わっちゃったんだろう。

  • あと当時の思い出と言えば小学校のころ、通っていたスイミングのバスでうたた寝したら全然知らないところで降ろされちゃって、なんか人里離れた山間の村だったんです。どうやって帰ったらいいのかわからなくて泣いていたらおじさんがやってきて「坊やおにぎりを食べろ」と。

  • ゲゲゲの鬼太郎の世界観ですね。

  • はい。おなか空いていたのでわーいって食べたら中から出てきた具がイナゴでさらに泣きました。

  • それはすごい体験だ。

  • おかげで今でも虫が怖いですから。

森さん、ありがとうございました。

次回は愛知県を知ったかぶります(6月15日公開予定)。おたのしみに!

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森翔太
森翔太

映像監督/俳優
1983年生まれ。鳥取県出身。
商社勤務、演劇活動を経たのちに、2012年より独学で映像製作を始める。
文化庁メディア芸術祭「エンターテインメント部門」審査委員会推薦作品選出。
オーストリアメディアアートフェスティバル、Ars Electronica(アルスエレクトロニカ)【next idea】Honorary Mention(入賞)。
書籍「映像作家100人」、「MdNデザイナーズファイル」等に掲載。

安藤昌教
安藤昌教

デイリーポータルZ編集部
1975年生まれ。愛知県出身。
前職は国立研究所にて高速炉の研究に従事。その後、氣志團バックダンサー、コーヒーショップ経営、等を経てデイリーポータルZ編集部に。
ものをむかずに食べる「むかない安藤」としての活動も6年目に突入。

今回話題にもならなかった鳥取県の記事(デイリーポータルZのサイトに移動します)

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