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2022.06.23
知ったかぶり対談:総集編けっきょくうどんの話ばかりしていた
デイリーポータルZがいろいろな場所で取材してきた記事を読むことで、その県の出身者に負けないくらいに知ったかぶりできるんじゃないか。それが知ったかぶり対談です。
今回は知ったかぶり対談が全都道府県を制覇したことを記念して、イーアイデム藁品さん、ライター小堺さん、ライター地主さん、デイリーポータルZ編集部安藤でこれまでの対談を振り返りました。
祝!知ったかぶり47全都道府県制覇
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「知ったかぶり47」がこのたび無事に47都道府県制覇しました。おめでとうございます!
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おめでとうございます!悲願達成ですね。
全都道府県制覇です!
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「知ったかぶり47」は毎月各都道府県の出身者と安藤さんがデイリーポータルZの記事を読みながら対談することで、それぞれの地元を知ったかぶれる、というコンセプトでした。
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この対談のおかげで僕は47都道府県すべてに知り合いができましたよ。
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47都道府県のはずなのに対談は54ありますね。
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途中でパンデミックが起きて緊急事態宣言が発令されたりして、県をまたいだ取材ができなくなったりしたんです。足かけ5年ですから、いろいろありました。
取材に行けない期間には「とくべつ編」として企画ものを制作しました。
今となってはいい思い出。
うどんについて語られすぎ問題
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これまでの対談を読み返して気づいたことがあったんです。まず、うどんの話がめっちゃある。タイトルに「うどん」が入っているだけでも8回。それ以外でもうどんについて語られている回がいくつもあって。この知ったかぶり対談、実はかなりの頻度でうどんについて語られていました。
こんなにうどんのことを話していたとは。
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そんなにありましたか。たしかに言われてみれば、覚えてるだけでも大阪のうどん、伊勢うどん、あと埼玉もうどんが有名ですよね。もちろん四国はうどんだし九州もうどんだ。
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はい。しかもそれぞれの対談相手がみんなうちのうどんが一番うまいって言ってるんです。
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どんだけうどん好きなのか。日本はうどん国だったんですね。
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福岡の資さんうどん、佐賀の人力うどん、宮崎のきっちょううどん。うどんは各地にローカルチェーンがありますよね。僕なんか出張に行くときはそれを楽しみにしてたりしますから。
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東京で働いてるとあまりうどんって食べない気がするんですけど、こうやって日本中見てみるとみんなうどんが好きだったんだ、って。
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安藤さん、対談してて「今回もうどんだな」って気づかなかったんですか?
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まったく気づきませんでした。日本全国うどんが大好きっていうのは、47都道府県まわってみて得られた大きな発見でしたね。
言われるまで気づかないのが地元ルール
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あとは対談で安藤さんと話している人が「え!それってうちの地元だけなの?」って気づくケースもいくつかありました。
言われるまで気づかないのが地元ルール。
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僕は福岡に住んでいたので、東京に来てからバスに並ぶルールが違ってて驚きました。
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そういうのって誰も教えてくれないですからね。
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長崎のゴミ収集なんかも面白かったです。他県から見るとかなり独特だと思うんだけど、住んでいると「なんで?普通じゃん」って思っちゃうんでしょうね。
坂の多い長崎ではゴミ収集がものすごくたいへん。(壮絶!長崎のゴミ収集)
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食文化もそうですよね。地元に住んでいる間は特に普通だと思って食べていたものが、他の県の人につっこまれてはじめて、なんで?ってなる。
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富山のかまぼこが板に乗っていない、とか。
これが富山のかまぼこ。板に乗ってない!(富山のかまぼこは板に乗っていない)
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高知のところてんに出汁が入っているとか広島のもやしが細いとか、鳥取のぞうにが甘いとか。
高知のところてんは出汁入り。(高知の「かつお出汁のところてん」が美味い)
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都道府県って地続きの場合が多いし国境があるわけでもないのに、隣の県とぜんぜん違う特徴があるのって面白いですね。
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地元に住んでるとそれに気づかないんですよね。こうやって対談で聞かれてはじめて気づくのも面白かったです。
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藁品さんの地元山口の「バリそば」も、僕はデイリーの記事ではじめて知りましたから。
ばりそば?(日本のクリスマス発祥の地に行く)
これが山口のばりそば。いわゆる皿うどん。
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山口では皿うどんのことを「ばりそば」っていうんですが、東京で皿うどんを見つけたときに「あ!ばりそばある!」って言ったら周りから「は?」って言われて。そこで初めてばりそばが全国区ではないってことを知りました。地元だとむしろばりそば以外なんて言うか考えたこともなかったので。
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語感で伝わりますよね。ばりそば。
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ばりばりしてそうですもんね。
地元を出てはじめて見える地元の良さもある
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あとはその人の地元のことを聞いているのに、その人すら知らないことが出てきたりするのも面白かったです。「なんですかそれ?」って。住んでいても知らないことがたくさんあるんですね。
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文化とか習慣って県境できれいに分けられないですよね。同じ県でも地域によって全く違ったり。僕がいま住んでいる神奈川県だって小田原と三浦半島の方ではまったく違いますから。
小田原(小田原にはトリックアートみたいな不思議な景色がある)
三浦半島(山登りに適したアルバイトの制服はどれか?)
(知ったかぶり47が始まる前にデイリーポータルZとイーアイデムとで作った記事ですねこれ)
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同じ県なのに地域同士でライバルみたいになってるのも面白いですね。私の出身の山口でも山口市と下関市とはライバル関係にあります。部活の大会とかバチバチ火花が散りますから。
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愛知も尾張と三河とでは食べてるものも言葉もまったく違うんですが、はたから見ると同じ愛知県じゃん、って思われますね。
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小堺さんは地元が東京だと思うんですが、それってどんな感じなんですか?
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私は生まれも育ちも東京の葛飾なので、ちょっと感覚が違うかもしれないですね。東京ってなんでもあるし、なんでもあっちゃうから、単純にいろんなことが楽しいけど、特にこだわりがないのかも。
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それも一つの地元の形ですね。
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地元にいるときは地元の良さに気づけなかった、っていうパターンも対談でよく見ました。地元にいるときは美味しいって特に思っていなかった食べ物が、地元を離れてみたら妙に食べたくてしかたがないとか。
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それはういろうですね。
各地のういろうを食べ比べた「ういろう対決」(最高のういろうはどれだ)
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そう!山口にいるときはういろうなんて当たり前で、正直なんとも思ってなかったんです。ういろう?別に?って。でも東京に来てから、周りが誰も山口のういろうを知らなくて、まずそれに衝撃を受けまして。
これが山口のういろう。
こちらは愛知のういろ。山口とぜんぜん違う食べ物。
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僕は地元にいるときはういろうは愛知にしかないものだと思っていましたよ。
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そうですよね。ういろう対決で各地のういろうを食べてみたら味も食感もぜんぜん違うし、それで山口のういろうをあらためて好きになった気がします。
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でもういろう対決で一番人気だったのは僕が持ってきた宮崎のういろうでしたよ。
これが宮崎のういろう。これまた全く違う。
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地元を出て大人になって、他にいろいろ経験するとそれと比べて地元の良さがわかるようになってきた、ってことですかね。
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他県の人と話すことで出身地の魅力を分からされる、気づかされるっていうのはありますね。
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知ったかぶり47は全都道府県制覇ということで、いったんこれでおひらきにしますが、サイトはこれからも残りますので、あの地元のことが知りたいなって時には読み返してもらえたらと思います。デイリーポータルZではこれからも地元の面白いものを探して取材していきますよ。
一同:これからもよろしくお願いします!
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