知ったかぶり47

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2022.01.20

知ったかぶり対談 第五十回:高知県過剰なほどのおもてなしはマナー

デイリーポータルZがいろいろな場所で取材してきた記事を読むことで、その県の出身者に負けないくらいに知ったかぶりできるんじゃないか。それが知ったかぶり対談です。

今回は高知編として、高知県出身でイベントホール「東京カルチャーカルチャー」店長横山伸介さんに話を聞きました。インタビューはデイリーポータルZ編集部安藤が担当します。

高知県はサンゴ県なのか

今回は高知に帰省中の横山さんに近所の写真を送ってもらいました。まずはこちらからご覧ください。

    写真:横山伸介

    写真:横山伸介

    写真:横山伸介

    写真:横山伸介

  • 横山さん。

  • 写真:横山伸介

    写真:横山伸介

  • 横山さんすみません、なんでサンゴ屋さんの写真ばかりなんですか。高知ってサンゴが有名でしたっけ?

  • よく考えたら高知ってサンゴ宝飾店が多いなと思って。ホント小さい頃から商店街の一等地にはサンゴ宝飾店があったんですよね。まわりの店はどんどん変わっているのにサンゴ宝飾店だけは今でも一等地にあり続けているんです。

  • やはり高知が南国だからでしょうか。そんなにみんなサンゴ買うんですか?

  • たしかに高知はサンゴの名産地らしいんだけど、若者にはまったくと言っていいほど人気がないし、だからといって年寄りもあまり買わないと思うんですけどね。あ、でもオフクロとかはたまにつけてるな。

  • いきなり異国感満載の写真をありがとうございました。横山さんはいくつまで高知にいたんですか。

  • 18歳まで高知で、それから上京しましたね。

  • 当時は高知でどんな遊びをしていたんですか。

  • 仁淀川という川がある町が地元なので、川に潜って友だちと手長エビやゴリ(ヨシノボリ)を取ったりしてました。高校生になってからはバンド一筋で、そいつらと***や***(自主規制)して遊んでましたね。

  • 高知といえばきれいな川

    高知といえばきれいな川
    (記事:河口から源流へ、四万十川を遡る

  • 確かに四国ってとにかく川がきれいなイメージですもんね。いまの若者はなにをして遊んでるんでしょう。

  • クロスワードパズルじゃないかな。さっきスーパーに行ったら本のコーナーが全部クロスワードパズルでした。

  • 写真:横山伸介

    写真:横山伸介

  • 若者向けですかねこれは。

過剰なほどのおもてなしはマナー

  • 前に取材で横山さんと高知に行ったとき、おごってもらった鰹のたたきが美味しすぎて、いまだあれを越える鰹のたたきを食べたことがないです。

横山さんの実家にうかがいました。

横山さんの実家にうかがいました。
(記事:上司の誕生日をパレードで祝う

  • ひろめ市場ですね。

  • 写真:横山伸介

    写真:横山伸介

  • そうそう、ここでした。駅から家に行くまでにおなか一杯にしてもらって驚いたのを覚えています。

  • 高知は県庁に「おもてなし課」っていうのがあるくらい「おもてなし県」で、他県から来る人への過剰なおもてなしがマナー化してるんです。

  • だから高知に行くといい思い出しか残らないのか。

  • そこなんですが、客人に対しては絶対というくらいおもてなしをするんですが、高知ならではなのは、そこに必ず酒が含まれるところですね。こっちもおもてなしという名目で飲みまくるので、飲めない人は結構迷惑してるんじゃないかという説もあります。

  • この記事で高知に行ったときには天狗の杯をもらいましたよ。置くとこぼれるから必ず飲まなきゃいけないという恐ろしい杯でした。

  • 底に鼻があるので飲むまで置けない杯。

    底に鼻があるので飲むまで置けない杯。
    (記事:高知へ行ってトマトばかり食べてきました

  • 底に穴が開いていて飲むまで手が離せない杯もあります。

  • 穴の開いた杯。穴を指でふさぎながら飲むので飲み干すまで置けない。写真:横山伸介

    穴の開いた杯。穴を指でふさぎながら飲むので飲み干すまで置けない。
    写真:横山伸介

  • これもおもてなしが過剰になっていった結果なんでしょうか。

  • これはまあシャレで作ったらたまたまヒットしたんだと思いますよ。でも返杯(自分が飲み干した杯を相手に渡して相手も飲み干す)の文化がコロナ禍で禁止になったのは高知県民にとって大きかったんじゃないかな。

  • コロナ禍が高知のおもてなし文化を直撃。写真:横山伸介

    コロナ禍が高知のおもてなし文化を直撃。
    写真:横山伸介

  • また新しいおもてなしの方法を考えつくんでしょうね。

  • おもてなしの文化自体はしみついてますからね。うちの親なんか、お客さんが来たらまず鰹のたたきとビールをごちそうしてから連れてこいって、必ず言うもの。

  • また横山さんの家に行くのが楽しみです。

地元の食べ物は地元がいちばん美味い

  • いま東京で仕事してて、たまにどうしても食べたくなる高知の食べ物とかってありますか。

  • うーん、これが意外とないんですよね。鰹とか食べたいけど、これは不思議なもんで地元の食べ物は地元で食べないと、なんかやっぱり美味しくないんですよね。

  • それはすごくわかります。僕も愛知の変わった食べ物って、県外で似たような物を食べるとだいたいハズレる気がしてます。そういえば高知のところてんはかつお出汁だっていうのは本当ですか。

ところてんにかつお出汁って本当ですか。

ところてんにかつお出汁って本当ですか。
(記事:高知の「かつお出汁のところてん」が美味い

  • 僕はあまりところてんを熱心に食べてこなかったのでよく知らなかったんですが、家族や地元の仲間に聞いたらまんべんなく「常識」と言われたので常識なんだと思いますよ。へ~ってなりました。

  • 地元の食べ物って住んでるうちは当たり前すぎて美味しさや面白さに気づかないんですよね。じゃあこの田舎寿司っていうのはどうでしょう。

  • 田舎寿司

    田舎寿司
    (記事:撮魚を使わない田舎寿司のうまさよ

  • これも昔から「年寄りの食いもんだな」って思ってて、若い頃はほとんど食べたことなかったんですが、この年になってなんとなく理解できるようになりましたね。まあ地元の食べ物が美味しくて高知に帰ってくる人も多いので、食べ物は全般的に美味いんでしょうね。

横山さん、ありがとうございました!

【次回予告】次回は2月17日公開予定です!

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横山伸介(よこやましんすけ)
横山伸介(よこやましんすけ)

渋谷東京カルチャーカルチャー店長。高知県いの町出身。ロックンロール好き。

東京カルチャーカルチャー
http://tokyocultureculture.com/

安藤昌教
安藤昌教

デイリーポータルZ編集部
1975年生まれ。愛知県出身。
前職は国立研究所にて高速炉の研究に従事。その後、氣志團バックダンサー、コーヒーショップ経営、等を経てデイリーポータルZ編集部に。
ものをむかずに食べる「むかない安藤」としての活動も8年目に突入。

今回話題にもならなかった高知県の記事(デイリーポータルZのサイトに移動します)

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