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2019.04.18
知ったかぶり対談 第二十三回:群馬県群馬県にプテラノドンはいない
デイリーポータルZがいろいろな場所で取材してきた記事を読むことで、その県の出身者に負けないくらい知ったかぶりできるんじゃないか。それが知ったかぶり対談です。
今回は群馬県。妄想工作家の乙幡啓子さんに登場してもらいました。インタビューはデイリーポータルZ編集部安藤が担当します。
プテラノドンが飛んでいる?
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群馬はインターネットでやけに人気があると思うんですが。
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はい。プテラノドンが飛んでいるのを見たとかまだ石器時代だとか、いろいろ言われていますよね。
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プテラノドンがいるんですか。
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いないよ。
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どうして秘境みたいに言われるようになってしまったんでしょう。
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なんでしょうね、いいところはいっぱいあるんですよ。でもプロモーションに失敗したんじゃないですかね。いいところを推さずに放っておいたら秘境と呼ばれるようになってしまった。
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放置した結果、勝手に秘境とか言われて逆にプロモーションになったんですね。
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わからないものです。
群馬では納豆に青のりをかける
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群馬の食べ物は好きですか。
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好きと言えば好きですけどね、あんまり印象ないかなー。私は桐生だったので、記事にある沼田のみそぱんとかは、まったく知らなかったですね。
これがみそパン「群馬には、みそを挟んだパンと甘いバンズがある」
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唯一、納豆に青のりかけて食べるのは群馬じゃないかな。給食でそうやって出てきたので、いまでもやるんですが、あまり理解されませんね。美味しいのに。
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納豆に青のりですか、かけたことないですね。高崎ではスパゲッティの量がとにかく多い、と聞いたんですが、家でも多かったりするんですか。
家のスパゲッティもこうなのか「高崎のスパゲッティは量が多い」
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こんなにでかいわけないじゃないですか。群馬だからって、そんなに特徴的なものを食べていたわけではないと思いますよ。あ、でもソースかつ丼は食べますね。あれは好きです。
ソースかつ丼に野菜はいらない
これが桐生のソースかつ丼だ!「これが私のソースカツ丼だ!」
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ソースかつ丼みたいなものって群馬以外にも福井とか長野とか、わりと各地にあると思うんですが、やっぱり群馬のソースかつ丼がいいんですか。
これは名古屋のみそカツ丼。ソースかつ丼と同じ流れだと思われます。「ローカルかつ丼総ざらい」
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群馬の中でも、とくに私が生まれた桐生あたりで食べるソースかつ丼は、全国的に見ても最も駄菓子に近いんじゃないでしょうか。ソースが甘くて野菜が入っていないのがいいんです。
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キャベツは入ってる方がよくないですか?あと卵でとじたかつ丼についてはどうでしょう。玉ねぎとか入っていて栄養的にもバランスいいのではと思うんですが。
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キャベツとか卵とじとか、ぬるいですよ。味が薄まるじゃないですか。一食くらい野菜を抜いたところでどうってことないでしょうに。まああれば食べますけどね、美味しいから。
群馬といえばきのこ
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群馬は豚肉ですか?牛肉?
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きのこでしょうね。
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きのこ。
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そう、きのこ。いまはもうないんですが、かつては山の上に国際きのこ会館というホテルがあって、外国から要人がやってくると、そこに泊まっていました。
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外国人としても戸惑うでしょうね。マッシュルームセンターに?ステイ?なぜ?と。
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まあ山が多いですからね。きのこだって生えますわ。
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群馬では小学校の運動会とか、グループ分けは山の名前だって聞きましたよ。
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そうそう、紅組白組とかではなく、妙義・赤城・榛名で分けますね。
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いい山がたくさんありますからね。休みの日にはハイキングとか登山に行ったりするんですか。
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山はね、子どものころは遠足とかでよく登らされましたよ。でも群馬の山ってガチで岩の塊じゃないですか。なんの訓練も受けていない子どもが、なんの訓練も受けていない先生に連れられて行くわけですよ。今思えばよく無事だったなと。その頃の思いが強いので、いまはほとんど山に登ろうとは思わないですねー。
北関東という親近感
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隣県の、たとえば栃木とか埼玉とかとはなかよしなんですか。
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県内では高崎と前橋とか仲悪い印象がありますけど、他県とは仲いいですよ。誰かと知り合って、たとえば栃木ですなんて言われるとするじゃないですか。そしたら「私も群馬なんです!」って言っちゃいますから。「私も」っておまえ栃木じゃないだろう、と思われそうですが、北関東ってだけでシンパシー感じちゃうんですよね。
北関東にある3県境「埼玉、栃木、群馬の三県境が観光地化している?」
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北関東連合ですね。
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単体では心細いですからね。
乙幡さん、ありがとうございました。
【次回予告】次回は奈良県を知ったかぶります。(5月16日公開予定)!
他の記事を見る- 乙幡啓子 (おつはたけいこ)
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様々な媒体で脱力系工作記事を連載中。デイリーポータルZで制作した「ハトヒール」は海外でも大きな話題となる。妄想工作所名義では「ほっケース」「ノアの方舟ポーチ・モーセの奇跡ポーチ」「ケルベコス」「民芸スタジアム」「足氷(第2回雑貨大賞受賞)」を企画。カプセルトイの企画も多数行う。
- 安藤昌教
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デイリーポータルZ編集部
1975年生まれ。愛知県出身。
前職は国立研究所にて高速炉の研究に従事。その後、氣志團バックダンサー、コーヒーショップ経営、等を経てデイリーポータルZ編集部に。
ものをむかずに食べる「むかない安藤」としての活動も7年目に突入。むかない安藤
https://www.youtube.com/playlist?list=PLI3lg7RZciQwJbfwfbzoo-ntIQV5IAEYhデイリーポータルZ編集部としてのプロフィール
https://dailyportalz.jp/writer/kijilist/212