在宅勤務、在宅ワーク、内職…。この3つの違いって何?

パートで遭遇するさまざまなトラブル・・・。あなたの疑問に社労士がお答えします。

<質問>
家事の合間に、自宅で出来る仕事を探しています。インターネットの求人サイトを見ると、「在宅勤務」「在宅ワーク」「内職」などの言葉が出てきますが、これらの言葉は何が違うのでしょうか?
また、自分は、これらのうち何を選べば良いのでしょうか?

キーワードは「雇用」

<回答>
「在宅勤務、在宅ワーク、内職」は、どれも自宅で働くことを意味しますが、在宅勤務は、会社に雇用される労働者の働き方、在宅ワークや内職は、雇用されずに発注者と請負契約などを結んだ個人の働き方という点が異なります。また、在宅勤務は、就業規則などで労働時間が定められますが、在宅ワークや内職は、基本的に、働く人が自由に労働時間を決めることができます。
会社に雇用されて働きたい人は在宅勤務を、雇用されずに自由に働きたいという人は在宅ワークや内職を、それぞれ選ぶと良いでしょう。

「在宅勤務」と「在宅ワーク」「内職」の違いとは

パソコンやスマホなどを使って、データ入力やホームページ制作などの仕事を自宅で行う人が増えてきています。みなさんの中にも「育児の合間に自宅で出来る仕事をしたい」、「休日に自宅で出来る副業をしたい」などと考えている人がいるかもしれません。
自宅で行われる仕事の形態には、次の3種類があります。

(1)在宅勤務:
会社に雇用される労働者(正社員、パートなど)が自宅で働くこと。雇用契約(労働契約)において、労働時間に関することが定められる。報酬は、正社員やパートなどの雇用形態に応じて、月給制や時給制などで支払われる。会社に雇用されている労働者なので、労働基準法などの労働法令が適用される。

(2)在宅ワーク:
自営業者やフリーランスの人が、仕事の発注者と契約(業務委託契約、請負契約)を結んで、データ入力やホームページ制作などの仕事を自宅で行うこと。発注者と働く人の間に雇用関係がないため、労働時間は働く人本人が決めることができる。(「いつ、どれくらい働くか」は、本人の自由。)報酬は、原則として「出来高払い制」で、納入した数量に応じて支払われる。

(3)内職:
働く人(およびその家族)が、仕事の発注者から部品や原材料の提供を受けて、自宅を作業場として、物の製造や加工などを行うこと。在宅ワークと同様に、発注者との間で請負契約等を結び、報酬(工賃)は出来高払い制で支払われる。家内労働法という法律が適用され、そこで労働条件の最低基準などが定められている。

このように「自宅で出来る仕事」には3つの種類ありますので、それぞれの特徴を知り、自分にあった働き方を選んでいくようにしましょう。

雇用されず、自由に働きたい人は「在宅ワーク」を選ぶと良い

在宅勤務は、会社に雇用されることになりますので、安心して働くことができますし、在宅ワークや内職に比べれば、報酬も安定的に支払われます。その代わり、会社の指示命令に従うことが求められるため、自由気ままに働くということはできません。

一方、在宅ワークや内職は、発注者から契約を打ち切られれば仕事がなくなってしまう、出来高払いのため仕事が減れば報酬も減ってしまうなど、安定感が乏しい働き方と言えます。その代わり、基本的には「自営業」であるため、自分が好きなように働くことができる、また、出来高払い制であるため、多くの仕事をこなすことができればたくさん稼げるなどのメリットがあります。

したがって、「会社に雇用されて安定的に働きたい」という人は在宅勤務を、「雇用されずに個人で自由に仕事をしたい」という人のうち、データ入力やホームページ制作などの仕事をしたい人は在宅ワークを、物の加工・製造などの作業を行いたい人は内職を、それぞれ選ぶとよいでしょう。

契約締結時に、契約書のタイトル、および仕事内容など確認すること

「求人サイトには『自宅で出来る仕事』と書いてあるだけで、在宅勤務か在宅ワークか分からない」という場合は、雇用形態や契約の欄を確認してください。「社員」「パート」などと書いてあれば在宅勤務、「業務委託」「請負」と書いてあれば在宅ワークか内職となります。

また、念のため、会社と契約を結ぶときに、契約書のタイトルを確認するとよいでしょう。在宅勤務は「雇用契約書(労働契約書)」と、在宅ワークや内職は「業務委託契約書」または「請負契約書」となっているはずです。

なお、在宅ワークや内職は、発注される仕事量が多すぎて長時間労働に陥ってしまう、あるいは、仕事量が少なすぎて十分な報酬がもらえないなどのトラブルが発生することがあります。業務委託や請負に関する契約を結ぶときには、仕事内容や量、納期などについて必ず確認するようにしてください。

社労士

深瀬勝範(ふかせ かつのり)

Fフロンティア株式会社代表取締役。社会保険労務士。1962年神奈川県生まれ。一橋大卒。大手電機メーカー、金融機関系コンサルティング会社、大手情報サービス会社を経て、独立。企業・公共団体の人事制度設計や事業計画の策定等のコンサルティング、人事労務専門誌などに寄稿も行っている。著書に「労政時報別冊 実践人事デ-タ活用術」(労務行政)。