ゴールデンウィーク中の休日に年次有給休暇を取得することはできますか?

パートで遭遇するさまざまなトラブル・・・。
あなたの疑問に社労士がお答えします。

<質問>
時給制のパートタイマーで働いている者です。今年のゴールデンウィークは会社が10連休になり働く日が減ってしまうため、給料が極端に少なくなってしまいます。そこで、10連休のうち2日分について、年次有給休暇(以下、年休)の取得を申請することを考えています。年休にすれば、その日は普通に働いたものとして給料が支払われるので、10連休の影響による給料の減少を少しは和らげることができます。

このような年休の取得申請を、会社は認めてくれるものでしょうか?

休日には、年次有給休暇を取得できない

<回答>
回答から申し上げると、このような年休の取得申請は認めてもらえません。年休は、労働義務がある日について休むことを認める(ただし、その日は通常通り働いたものとして給料は支払う)仕組みです。したがって、もともと労働義務がない「休日」については、年休を取得しよう」がないのです。

これは、ゴールデンウィーク以外の休日でも同じです。「年休を取得する権利が与えられたのだから絶対に使いたい。しかし、仕事が忙しくて年休が取得できない。それならば、最初から休日になっている日曜日に年休を取得して、その日の分の給料を支払ってもらおう。」このような考えのもとに年休取得を申請しても、それは認めてもらえません。

休日数によって給料が増減するのは、時給制・日給制の特徴

時給制または日給制で働いているパートタイマーなどは、「時給×働いた時間数(日給制の場合は、日給×働いた日数)」が、その月の給料の支給額となります。ですから、会社の休みが多い月は、働く時間・日数が減り、その分、賃金が減ってしまいます。

一方、月給制で働いている正社員は、「1カ月20万円」という形で給料が決められていますから、休日が増えたとしても、その月に支給される給料の額は変わりません。

1カ月間の休日数によって、その月に支給される給料の額が増減するのは、時給制や日給制の特徴です。「働き方改革」が進む中、今後は多くの会社が休日数を増やしていくことが予想されます。そうなると、働く人にとっては、休日数が増えても給料が変わらない月給制のほうが時給制や日給制よりも望ましいと言えます。

求職中の人は、こうしたことも考えたうえで、就職先を決めることも必要になります。

給料の締め日を確認して、各月の給料の見込み額を計算してみること

時給制や日給制の場合は、休日数によって給料が増するのは仕方がないことです。そうであれば、「今月の給料がいくらぐらいになるか」という見込みを立てておいて、それにあわせてお金の使い方を工夫するようにしましょう。

給料の見込み額を計算するときには、「締め日」を確認することが重要です。

締め日とは、支払われた給料の計算期間を示す言葉です。例えば、土・日曜が休日の会社で、4月27日から5月6日までの10連休が設定された場合、締め日によって給料の支払い額がどのように変わるのか見てみましょう。

(1)前月1日~前月末の給料を翌月25日に支払う場合(「月末締め」の場合)
5月25日に支給される給料:計算期間 4月1日~4月30日、労働日数 19日
6月25日に支給される給料:計算期間 5月1日~5月31日、労働日数 19日
したがって、5月と6月の給料は、両方とも同じ日数分になります。

(2)前月21日~当月20日の給料を当月25日に支払う場合(「20日締め」の場合)
5月25日に支給される給料:計算期間 4月21日~5月20日、労働日数 15日
6月25日に支給される給料:計算期間 5月21日~6月20日、労働日数 23日
したがって、5月の給料は6月と比べて8日分も少なくなります。

「月末締め」の場合は、10連休による労働日数の減少が5月と6月に分割されることになります。しかし、「20日締め」の場合は、10連休のすべてが5月の給料の計算期間に含まれてしまい、そこだけ給料が極端に少なくなります。

このように、10連休の給料への影響の出方は、締め日によっても変わってきます。締め日は、就業規則や雇用契約書に記載されていますから、それを確認したうえで、各月の給料の見込み額を自分で計算してみてください。

今年は、ゴールデンウィーク以外にも、9月には連休が2週続く、年末年始休暇が大型連休化するなど、時給制や日給制については、月ごとの給料の増減が大きくなることが予想されます。各月の給料の見込み額を計算して、早めの対策を心がけるとよいでしょう。

社労士

深瀬勝範(ふかせ かつのり)

Fフロンティア株式会社代表取締役。社会保険労務士。1962年神奈川県生まれ。一橋大卒。大手電機メーカー、金融機関系コンサルティング会社、大手情報サービス会社を経て、独立。企業・公共団体の人事制度設計や事業計画の策定等のコンサルティング、人事労務専門誌などに寄稿も行っている。著書に「労政時報別冊 実践人事デ-タ活用術」(労務行政)。