保育園への送り迎えも大丈夫。「短時間勤務制度」を使いましょう!

パートで遭遇するさまざまなトラブル・・・。
あなたの疑問に社労士がお答えします。

<質問>
育児休業が終わったら、子供を保育園に預けて、仕事に戻りたいと思っています。ただし、私は、9時~18時の勤務体制(休憩時間をはさみ、1日8時間勤務)になっていたため、保育園への子供の送迎がうまくできるかどうかが心配です。友人に相談したら、「短時間勤務制度を使えばよい」と言われました。

短時間勤務制度とは、どのような仕組みでしょうか?
また、その制度は、どのような会社にもあるのでしょうか?

子が3歳に達するまで、1日の所定労働時間を6時間に短縮することができる

<回答>
「子供を保育園に預けて、仕事をしたい」という意向をもつ労働者が増加する中、2009年に育児介護休業法が改正されて、「短時間勤務制度」の導入が会社に義務付けられました。短時間勤務制度とは、3歳に満たない子を養育する労働者が希望した場合、1日の所定労働時間を原則として6時間としなければならないという仕組みです。(ただし、1日の労働時間が6時間以下の者および日々雇用される者を除きます。)

短時間勤務制度は、企業規模に関わらず、すべての会社が導入しなければなりません。質問者の会社でも、就業規則などで短時間勤務制度が定められているはずです。したがって、質問者は、「短時間勤務制度を適用してほしい」と会社に申し出れば、子が3歳に達するまで、1日の所定労働時間を6時間に短縮する(例えば10時~17時の勤務にする)ことができます。

雇用期間や担当業務によっては、短時間勤務制度が使えないこともある

ただし、会社によっては、次の者を短時間勤務の対象から外していることがあります。

【1】雇用期間が1年未満の労働者
【2】1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
【3】業務の性質または業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者(例えば、労働者数が少ない事業所で、その労働者が短時間勤務をすると、仕事が回らなくなってしまう場合など)

ですから、質問者が【3】「短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者」に当てはまるのであれば、短時間勤務が適用されないこともあります。

ただし、【3】の労働者に対しては、短時間勤務の代わりに、フレックスタイム制度や時差出勤(始業・終業時刻の繰上げ、繰下げ)などの措置を講じることが、法律で義務付けられています。したがって、業務上の理由で短時間勤務が適用されなかった場合は、保育園への送り迎えができるように、自分の始業・終業時刻を調整してもらうとよいでしょう。

小学校に入学するまで、短時間勤務制度が使える会社もある

法律上の短時間勤務制度は「3歳未満の子を養育する労働者」を対象としていますが、「子が小学校に入学するまで、短時間勤務をしたい」という人もいるでしょう。

そこで、育児介護休業法では、子が小学校に入学するまで短時間勤務制度や時差出勤制度などの措置を講じる努力をするよう、会社に求めています。ですから、会社によっては、子が小学校に入学するまで短時間勤務が使えるところもあります。

また、短時間勤務制度のほかにも、育児のときに使える制度があります。
例えば、小学校入学前の子の育児をする労働者は、1年に5日(子が2人以上の場合は10日)まで、子の看護をしたり、子に予防接種などを受けさせたりするための休暇(看護休暇)を取得することができます。(ただし、「雇用期間が6か月未満の者」や「1週間の所定労働日数が2日以下の者」は適用対象外となっている場合があります。)「1日6時間勤務で働いているので、短時間勤務はできない」というパートの人でも、看護休暇は取得できますので、ぜひ活用されるとよいでしょう。

家族を介護する者も、短時間勤務制度を使うことができる

育児だけではなく、家族の介護をする場合にも、ここで説明した短時間勤務や看護休暇などと同様の仕組みを使うことができます。

育児や介護のための短時間勤務制度や看護休暇などに関することは、勤務先の就業規則または育児介護休業規程に記載されていますから、詳しく知りたい人は、それらに目を通すとよいでしょう。

なお、これらの規程を読んでも分からない場合、あるいは規程に書いてある仕組み以外の勤務時間・勤務日の調整が必要な場合は、勤務先の上長や人事部門などに相談してみてください。そのときには、「これまでのような働き方はできない」ではなく、「こういう時間帯なら働ける」と伝えるようにしましょう。このような伝え方をしたほうが、相談を受けた上司などは「育児や介護で大変でも、働く意慾は十分にある」と感じて、親身になって考えてくれます。

社労士

深瀬勝範(ふかせ かつのり)

Fフロンティア株式会社代表取締役。社会保険労務士。1962年神奈川県生まれ。一橋大卒。大手電機メーカー、金融機関系コンサルティング会社、大手情報サービス会社を経て、独立。企業・公共団体の人事制度設計や事業計画の策定等のコンサルティング、人事労務専門誌などに寄稿も行っている。著書に「労政時報別冊 実践人事デ-タ活用術」(労務行政)。