子供や家族を看病するとき等に使える「子の看護休暇、介護休暇」って何?

子の看護休暇、介護休暇とは?

1歳に満たない子を養育する労働者は育児休業を、要介護状態にある家族を介護する労働者は介護休業を、それぞれ取得することができます。これらは育児や介護のため長期間にわたり会社を休業するための制度ですが、これとは別に、子供や家族の看病や世話をする労働者が1日または半日単位で会社を休むことができる制度があります。それが、子の看護休暇と介護休暇です。

看護休暇とは、小学校就学前の子の看病などをする労働者が、会社に申し出ることにより、1年度において5日(小学校就学前の子が2人以上の場合は10日) を限度として休むことができる制度です。けがや病気の子の世話をするため、または子に予防接種や健康診断を受けさせるために会社を休むとき等に使うことができます。

一方、介護休暇とは、要介護状態にある家族の介護や世話をする労働者が、会社に申し出ることにより、1年度において5日(介護などをする家族が2人以上の場合は10日)を限度として休むことができる制度です。

幼い子供や介護を必要とする者は、突然、体調を崩すことがあります。このようなときに、看護・介護休暇を使えば、会社に気兼ねをせずに休むことができます。

看護・介護休暇の取扱いは、就業規則等で定められている

看護・介護休暇は誰でも取得できますが、会社によっては、次の労働者が対象から除外されていることがあります。

(1)入社後6か月に満たない労働者
(2)1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

なお、看護・介護休暇を取得した日の取扱いは会社が決めることになっており、休んだ日については給料が支給されない会社もあります。また、これらの休暇は、1日単位や半日単位で取得できますが、時間単位での取得を認めている会社もあります。

看護・介護休暇の対象者、取扱い、および取得方法は、会社の就業規則や育児介護休業規則等に記載されているので、ご自身で確認してみてください。(看護・介護休暇制度は、規模や業種に関わらず、すべての会社が実施しなければならないものなので、就業規則等に必ず記載されているはずです。)

職場の管理者が看護・介護休暇の取得を認めない場合の対応は?

職場の管理者の中には、看護・介護休暇の制度があることを知らずに、これらの休暇を認めようとしない人もいます。このような管理者には、育児介護休業法や就業規則で定められている制度であることを伝えて、休暇取得を認めてもらうようにしましょう。

なお、普通の休暇(年次有給休暇)であれば、職場が正常に動かなくなる等の理由がある場合に、管理者は、労働者に対して休暇の取得日を変えるように指示できますが、看護・介護休暇の場合は、原則として、このような指示ができません。看護・介護休暇は「家族の看病や世話等のために働けない日」に取得するものなので、管理者が取得日を決めたり、変えたりすることはできないのです。

看護・介護休暇と年次有給休暇、欠勤との違いは?

看護・介護休暇について給料が支給されない場合、(休んでも給料が支給される)年次有給休暇を使った方がよい、という考え方もあります。一方で、「年次有給休暇は、いざというときのために、できるだけ残しておきたい」と考える人もいるでしょう。正社員と比べると年次有給休暇の付与日数が少ないパートタイマーは、今年度の休暇の残日数等を考えたうえで、看護・介護休暇の取得を申し出るか、年次有給休暇として申請するかを決めるとよいでしょう。

「給料が支給されないのであれば、欠勤とされても同じことなので、看護・介護休暇を申し出るまでもない」と考える人がいるかもしれません。しかし、育児介護休業法では看護・介護休暇の取得等に対して不利益な取扱いをすることを禁止しており、この点が欠勤と大きく異なっています。例えば、パートタイマーに対する査定を行っている会社の場合、欠勤はマイナス評価になりえますが、育児・介護休暇の取得を理由にマイナス評価をすることはできません。

また、職場の受け取り方も、欠勤と看護・介護休暇とでは大きく異なります。職場の同僚は、欠勤した人に対しては「勝手に会社を休んだ」と反感を持つものですが、看護・介護休暇をした人に対しては「家庭の事情だから仕方がない」「困ったときはお互いさま」と寛容な態度を見せてくれます。

このように、看護や介護で休むときは、欠勤とはせずに、看護・介護休暇を取得したほうが明らかによいのです。

「看護・介護休暇という制度があることすら知らなかった」という人は、この機会に就業規則等で取扱いや取得方法を確認して、イザというときには、これらを使って休めるようにしておきましょう。

社労士

深瀬勝範(ふかせ かつのり)

Fフロンティア株式会社代表取締役。社会保険労務士。1962年神奈川県生まれ。一橋大卒。大手電機メーカー、金融機関系コンサルティング会社、大手情報サービス会社を経て、独立。企業・公共団体の人事制度設計や事業計画の策定等のコンサルティング、人事労務専門誌などに寄稿も行っている。著書に「労政時報別冊 実践人事デ-タ活用術」(労務行政)。