社会保険とは何を指し、どんな種類があるのでしょうか?
「社会保険」とは?
私たちは、病気になったり、年をとったりして働けなくなると、会社から給料をもらえなくなってしまいます。このようなときでも生活に困らないように、国が休業期間中に給付金を支給したり、老後に年金を支給したりする仕組みを「社会保険」といいます。
パート従業員やアルバイトでも、「1週間の労働時間が通常の従業員の4分の3以上」等の要件を満たすと、社会保険に加入することが義務づけられています。社会保険の加入者(被保険者)は、給料から保険料が徴収されますが、病気で働けない等の「もしも」のときに国から給付金が支給されます。
つまり、社会保険とは、働いているときに保険料を支払い、病気、老齢、障害、死亡、失業等が生じた場合には、国から保険給付を受けられる、公的な「生活保障の仕組み」なのです。
社会保険の種類
社会保険は、保険給付が支給される対象に応じて、次の5種類に分かれます。
1.健康保険
業務外の病気やけが等に対して、医療費の一部を負担する、休業して給料が支払われないときには給付金(傷病手当金)を支給する等の保険給付を行います。また、本人や配偶者の出産に対する保険給付(出産育児一時金)等もあります。
2.介護保険
65歳以上の人で介護等が必要な人、または40歳以上でも老化が原因とされる
病気により介護等が必要な人に、医療や福祉サービスを支給します。
3.厚生年金保険
一定期間保険料を納付した人が65歳に達したとき、あるいは一定の障害の状態になったときに、年金を支給します。また、働いている人が死亡した場合に、一定の要件を満たす遺族に年金を支給します。
4.雇用保険
失業した場合、生活に支障をきたさないように、また再就職を支援するために給付金を支給します。また、定年後の再雇用時や育児・介護休業取得時において給料が減った場合に給付金を支給することもあります。
5.労働者災害補償保険
業務上の病気やけがに対して、治療にかかる費用を負担する、休業期間中の給料の一部を支給する、または業務上の死亡に対して、遺族に補償金を支給する等の保険給付を行います。なお、通勤途上でのけが等も保険給付の対象になります。
社会保険に加入しているかどうか確認しましょう
さて、「パート従業員やアルバイトでも、一定の要件を満たすと社会保険に加入することが義務づけられる」といいましたが、逆の見方をすれば「要件を満たしていないために、社会保険に加入していない人もいる」ということになります。そこで、まずは、自分が社会保険に加入しているのか(あるいは、就職後に加入するのか)どうかを確認してみましょう。
働いている人は、給与明細を見て、健康保険料や雇用保険料等が引かれていれば、社会保険に加入しているということになります。(雇用保険料のみが引かれている場合は、「雇用保険には加入しているが、健康保険や厚生年金保険には加入していない」ということです。)
これから働こうとする人は、「求人票」等に社会保険の加入・非加入が書いてあるので、それを見れば、就職後に社会保険に加入するのかどうかが分かります。分からない場合は、就職したい会社に直接問い合わせてみるとよいでしょう。
自分が社会保険に加入しているか、あるいは就職後に加入するかどうかが分かったら、次に「社会保険に加入したほうが得か、損か」について考えてみましょう。自分にとって損であれば、所定労働時間等を調整して、社会保険に加入しなくてもよいようにすることもできます。