価値観に縛られず、パート勤務の特性を活かしましょう
独身でパート勤めをしていることに、悩みや不安を持つ女性も多いようです。その多くは、「パートは主婦が家計を助ける副収入としてするもの」というイメージに起因するものです。 しかし、働き方の多様性が認められつつある現在、パート収入で生計を立てることも、決して珍しくはない時代といえるのではないでしょうか。
そこでここでは、「パートとして働く独身女性が抱える悩み」と「パート勤務の場合の家計」について考察します。
1.20代独身女性のパートの悩み
独身でパート勤務をしている20代女性は、その働き方に対して周囲の理解が得られずに悩むケースが多いようです。
同じ20代でも、結婚している女性であれば、
- 勤務時間を選んで働けるため、主婦業と両立しやすい
- 勤務時間によって給料を調整できるため、夫の扶養内で働ける
などの理由から、あえてパートを選ぶ方も多いでしょう。
しかし、独身の場合には、家庭を優先する主婦のように仕事をセーブする必要がないため、あえてパート勤務を選ぶということが理解されにくい場合もあるようです。
その上、一般的なパートのイメージには、
- 将来につながるスキルやキャリアが得られにくい
- 人員削減の対象となりやすく、長く働ける保証がない
というマイナス面もあります。独身のパート勤務に不安を感じる方は、このような将来の経済面・生活面での不安定さを心配しているのではないでしょうか。
ただしこうした考え方は現在、特に若い世代では薄れ、より柔軟に捉えられつつあるようです。自分の趣味や、目標とする職業のための勉強と両立させるなどのために、あえてパート勤務を選ぶという方も多くいます。また、昔と比較すると賃金も上昇した現代ではパート収入だけで生計を立てることも可能となっているため、独身の働き方の一つとして、違和感なく受け入れられつつあります。
2.40代独身女性のパートの悩み
独身でパート勤務をしている40代女性は、勤務先で違和感を覚えてしまうケースがあるようです。同じ職場に同世代の女性パート従業員が多いケースも少なくありませんが、40代の従業員たちが主婦ばかりであると、立場の違いから居心地の悪さを感じてしまうこともあるようです。 しかし20代の場合と同様、パート勤務ならではの自由度の高さを利用して、自分なりに私生活を充実させることができれば、主婦と比べて引け目を感じてしまう必要は本来ありません。現代では「終身雇用」や「独身は正社員として仕事に邁進するべき」という考え方よりも、いわゆる「ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和や多様な生き方を大切にする考え方)」が主流となっています。パートという働き方も、それに沿ったものであるといえるでしょう。
また、40代にもなると親が高齢となるため、介護が必要になってくるケースも珍しくありません。その際、勤務時間を自分の都合に合わせて選びやすいパート勤務は好都合なのです。
このように、「パートでよかった」「パートだからこそよかった」と思える理由を意識することで、戸惑いを感じることもなくなるでしょう。
3.パート勤務の場合の家計
パート勤務の収入で一人暮らしをする際の家計について考えてみましょう。
株式会社アイデム「人と仕事研究所」では、パートの募集時平均時給を定期的に集計しています。
これによると、平成28年3月の結果は以下の通りです。
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東日本エリアの平均時給:1,005円
西日本エリアの平均時給:939円
これをふまえると、東日本エリアにおいてフルタイムで働いた場合、週40時間勤務として 月収:1,005×40×4=160,800円
ここから社会保険料と税金が天引きされると、手取り額(通常、収入の75~85%程度)は128,000円程度となります。
さらに、生活に必要な基本支出として、以下のものが挙げられます。
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家賃 6.5万円(東京23区で比較的家賃の安いエリアで1Kの場合)
水道光熱費 1万円
通信費 1万円
食費 2.5万円
これらを差し引くと、残るは1万8千円です。この中で、日用品や衣類・交際費・医療費等を賄わなければなりません。
ただし、家賃はエリアによって相場の差がかなり大きくなります。東京から少し離れ、埼玉・千葉・神奈川エリアであればさらに家賃は安く抑えられるので、より上手く家計をやりくりすることができるでしょう。
以上、パートとして働く独身女性の悩みや家計について、ご紹介しました。
ご紹介した通り、現代ではもはや「パートは主婦の仕事」という価値観に縛られる必要はありません。パート勤務という働き方の特性を活かすことで、人生をより自分らしく充実させることができるとともに、精神的な豊かさも生まれることでしょう。