
「私っていくつまで働けるんだろう」「この仕事、いつまで続けられるんだろう」。人生100年時代と言われる今、そんな不安を抱く人は少なくありません。
音楽ライター・上野三樹さんは、70代まで働くことを見据え、40代で通信制大学に入学・卒業。現在は大学で学生支援に携わりながら、さらなるキャリアの開拓に励んでいます。
多忙な毎日の中でも「将来」のために「今」動くことを大事にしているという上野さん。働き方を模索してきたこれまでを振り返りながら「10年後の自分」に向けたメッセージをつづっていただきました。

👉️10周年をお祝いしてもらいました🎉
Facebookを開くと唐突に表示される「過去のこの日」という機能が好きです。
15年前、13年前、10年前と過去の投稿がふいに表示される。写真だったり、短いつぶやきだけだったり、自分で投稿した内容だけど、そのほとんどをあまりよく覚えていません。
この間は、娘の服や靴の写真と共に、「こわ〜い!と言って、着てくれない。かわいいのに!」と書き添えられている10年前の投稿を目にしました。
ハロウィンの時期だったのか、ピンクの部屋着とスニーカーにはキュートな目玉がついていた。それらの顔の装飾を娘は怖がって身につけてくれなかったようです。
そんなこと、あったっけ。すっかり忘れていました。

10年前の投稿をすっかり忘れていたように、今のこの必死な日々も10年後の私は忘れてしまうかもしれない。だからこそ日々に必死に向き合っている「今」の私から10年後の私に向けて、今の生活と「将来、こんな働き方をしていたい」という理想を書き残しておきたいと思います。
「あの時、将来に真剣に向き合って良かったな」とか「あの時間を無駄にしたくないな」と思えるように。
10年後の私へ。私は今、新しい挑戦の真っ只中にいます
- 仕事をしながらキャリアコンサルタントの資格取得に向けて勉強中
- 娘は中学生。意外と大変なのは「毎日のお弁当作り」
- 家族全員で忙しい毎日を過ごしている
現在の私は、20代の頃からの仕事である「音楽ライター」としてアーティストのインタビューをしたり、ライブに行ってレポートを書いたりしています。
そのかたわら、40代で大学に入り心理学を学んだことをきっかけに、週に3日ほど大学の事務課で学生支援の仕事を始めました。
さらにここ数カ月はキャリアコンサルタントの養成講座に通っています。
土日のどちらかは朝から晩まで一日講義を受け、平日には課題に追われる日々。11月の国家試験を控え、なかなか緊張感のある学びの時期を過ごしています。
そんな今日この頃、ちょっと誤算だったのが今年中学生になった娘のお弁当作りです。娘の学校は月曜から土曜まで授業、日曜日は部活があるのでほぼ週7でお弁当を作る生活が始まりました。
また娘がまだ学校に慣れておらず心身ともに不安定な様子もあり、夫と一緒に送り迎えをしたり勉強に付き合ったり、家族全員でバタバタ過ごしています。
中学受験が結構大変だったので、中学に入ったらさすがにちょっとは楽になるかなと思ったら大間違いでした。目が回るほど忙しい日々です。
40代から模索し始めた「新しいキャリア」
- 25年近く続けてきた音楽ライターの仕事は、自分の軸であり誇り
- 一方でライフステージや時代の変化を経て「フリーランス」に不安も
- これまで以上に生き生きと働くために、新しいキャリアを開拓し始めた
振り返ると、音楽ライターという仕事は、10代の頃抱いた「音楽にまつわる仕事がしたい」という夢が念願叶ってたどり着いた職業でした。
音楽雑誌の編集を経てフリーランスになり25年近くたった今も、この仕事は自分の軸であり誇りです。
でも、30代半ばでの結婚・出産、そして業界の変化を目の当たりにする中で、フリーランスで仕事を続けることの不安定な現実に直面しました。
「このままだんだん仕事が減っていって、いつの間にか音楽ライター引退、なんてことになったら嫌だな」という不安がよぎったのです。
そんな時、40代で通信制大学で心理学を学んだことを機に「音楽ライター以外の職業を持ってもいいんじゃないか」と思うようになり、セカンド・キャリアならぬパラレル・キャリアとして新たな道を開拓し始めました。
大好きな仕事を辞めて別の道に行きたいわけじゃない。でも一つの仕事にこだわり続ける必要もないし、もっと違う世界も見てみたい。
音楽ライターという仕事だけにしがみついていたら将来が不安になることもあるかもしれないけど、他にも自分にできることを増やしたら、どの仕事にも余裕を持ってしっかりと向き合って、これまで以上に生き生きと働いて生活することができるんじゃないか。
そう思うから、あえて通ってこなかった別の道を模索しよう、やったことがないことに挑戦しようと決めたのです。
キャリアを模索する過程の全てが「生きた証」になる
- 「悔いなく働けた」と引退することが私の理想のキャリア
- 10年後の未来を見据えて今種をまいておく
- 体の衰えに向き合いながら、それさえも一つの原動力に
現在私は、カウンセリングを通じて、大学生の就職支援や中高年のリスキリング、クリエイターやアーティストといったフリーの働き手のメンタルケアを含めた支援ができる人になるために、キャリアコンサルタントだけでなく、さらにその先の大学院進学も視野に入れて勉強を続けています。
既に40代が終わろうとしていますが、あと数年でいくつかの資格取得を終えて、メンタルヘルスやキャリア構築を支える仕事をスタートさせること。
そして若い頃のような「自己実現」だけではなく「人の役に立つ、社会に貢献できるような働き方」を実現させて「悔いなく働けたな!」と職業人生を引退することが私の理想です。
そうして元気に働き続け、年に一度は子供と海外旅行に行けるような自由と余裕を持っていられたらいいなと思うのです。
思えば若い頃から私はいつも、10年後くらいのことを考えながら生きてきた気がします。20代には30代のことを、30代には40代のことを。そうすれば、今やるべきことが見えてくる。
私は今、10年後の未来を思い描きながら、いろんな種をまいているところです。

また、最近ありがたいことに、音楽ライターの仕事が以前よりも増えてきているように感じます。
キャリアを広げようと動く過程で得る刺激が新しい自分のエネルギーや感性になり、本業にもポジティブな変化が生まれているようです。まさに相乗効果ですね。
もちろん「私は人生においてそんなに仕事に比重を置いてないよ」という方もたくさんいらっしゃると思いますが、私は「思い切り仕事したな、楽しかったな!」って思って職業人生を引退したい。
キャリアを広げる過程で出会う人や学んだこと、見た景色や、葛藤も失敗も喜びも、全部が私の生きた証になると思っています。
とはいえ現実問題、やっぱり頭も体も既にアラフィフであることは確かなので、思うようにいかないことも多々あります。
夕方になると老眼でテキストが読めなくなったり、自身の学費がかなりかかっていることに焦りを感じたり。でも、その焦りこそが「今のうちにしっかり勉強しなきゃ」という燃料にもなっています。
私が働いている大学には、同じような悩みと志を持った社会人学生さんたちがたくさんいて、学修相談に乗りながら、自分も励みになっているところもあります。
体力がないなと感じる時は、新しいサプリを試してみたり、こまめに休んだり諦めて寝たりして、その時々で自分に合ったケアを探しながら日々衰えていく自分に向き合って過ごしています。自分が壊れてしまったら人のケアなんてできないですからね。
「できなかった経験」も誰かの役に立つはず
- 計画通りにできなかったことも糧にする「しなやかさ」が大事
- 行動の積み重ねが10年後をつくる
10年後の私は、既に60代目前です。
学びの時期を経て、色んな人と出会って、新たな専門性を手に入れているであろう未来の自分へ。
今どうですか?充実していますか?
私は今40代後半、本当に目まぐるしい毎日だけどワクワクしながら新しい働き方を準備しています。
人生はいろいろありますから、きっと計画通りにいかないこともあると思います。
でも何らかの理由で挫折したっていい、計画通りじゃなくてもいい。そんな「できなかった経験」もきっと誰かの糧になると思って、しなやかな考え方でいたいです。
ただ未来を思い描くだけではなく、今を愛おしみながら行動することを忘れずに積み重ねていくこと。
この一歩一歩が10年後の「悔いのない景色」に繋がっていると信じています。
編集:はてな編集部

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