子供が保育園から小学校に上がり、母親の働き方、家族の役割はどう変わった? わが家の11年を振り返る

 shokola

初めましてこんにちは、shokolaと申します。現在夫と3人の子供と暮らす、お母さん歴11年のデザイナ(とエンジニアの中間)です。

将来親になることを考えている方や、現在小さいお子さんを抱えている親御さんにとって、子育てしながら働くことに関する情報が少なく具体的なイメージができないというのは、不安なものだと思います。

そこで今回は、わが家において子供が保育園から小学校に進む中で、私の働き方や家族の関わり方がどんなふうに変化していったのか、私の1日のタイムスケジュールの変遷をもとにお話したいと思います(主に長女の年齢によって変わっていきます)。

あくまで一個人の例ですが、働くお母さんとして11年をどう過ごしてきたかを紹介するので、お役に立てればうれしいです。

1.子供3人を保育園に通わせながら、夫婦間の分担を試行錯誤

私はこれまでに2回転職をし、現在3社目の会社で働いています(雇用契約はいずれも正社員)。3人の子供を出産したのは、1社目に勤めていた頃。まずはその当時、3人の子供を保育園に預けながら働いていた時のタイムスケジュールです。

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長い通勤時間と家事の負担が課題に

グラフにある通り、当時課題だったのがまず通勤時間。会社から遠い戸建てに住んでいたため、子供が生まれてからの通勤時間は、保育園の送迎込みで片道2時間、往復4時間。幸い、会社は柔軟に対応してくれたので相談して5時間の時短勤務にしてもらいましたが、それでもギリギリの生活で、帰りの電車に乗っている間が貴重な睡眠時間でした。

家事の中では洗濯の負担が特に大きかったです。保育園に通うと、毎日の着替えにタオル、週末はシーツ、夏は水着も加わり、大量の洗濯物が発生します。しかし大変な一方、3人が通っていた保育園は早朝・延長保育に対応しており、年末年始以外は台風の日も雪の日も常にやっていて、十分にサポートを受けることもできました(先生ありがとう……どうか待遇が良くなりますように!)。

夫の役割をあえて固定しないことでうまくいった

この頃は基本的に、子供に役割分担はありません。彼・彼女らの生きている姿や手触りが勝手に親の癒しになる、という時期です。まだまだ手が掛かる年齢の子供たち3人と共に、時間の余裕がない中で働くにあたっては、夫婦間の役割分担が重要でした。

そして相談を重ねた結果、最終的にわが家では「夫の日々の役割は基本決めない」という形になりました。

最初の方はお風呂掃除や皿洗いなどの家事を夫に頼んでいたのですが、仕事が忙しくて滞ることがあったり、私が望む方法やタイミングでやってもらえないと予定が狂ったりするので、スッパリやめることに。育児に関しても「りっすん」の下記の記事にもありますが、「子どもたちが一緒にいる時間の長い母親にばかり懐いてしまう」ことがうちの場合は強く起こり、思うような分担ができませんでした。

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そこで夫は、その時々で足りていないイレギュラーなことを担当してくれるようになりました。具体的には、出産の際に半育休*1を取得したり、便利な家電を導入したり、私のスキルが上がるようにサポートしたり(私は睡眠前の1時間ほどを確保し、スキルアップのためのプログラミング学習に充てていました)と、生活の底上げをしてくれました。

結果的に夫婦で一緒に同じことをやるより視点が高くなり、楽になりました。あくまでわが家の場合ですが、こういう分担もあると思います。

2.長女の小学校入学と「小1の壁」を見越した転職

長女が小学生になったタイミングで、子供にも私にも大きな変化がありました。

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「小1の壁」を見越して転職&ジョブチェンジ

グラフから「通勤」の項目がなくなっています。「小1の壁」という言葉をイメージで必要以上に怖がった私は、通勤時間がどうしてもネックに思えたこともあり、長女の小学校入学を機にリモートワーク可の会社に転職し、エンジニアへのジョブチェンジをしました。(さらにはその後、デザイン方面を担当するように)

今と違って、以前は「未経験からエンジニアを目指すお母さん」を全然見かけませんでした。私が転職について考えていたときも、未経験でしかも時短希望だなんて苦笑いされそうで、周囲には言えなかったです。なので、当時はほとんどなかった「時短・リモートワーク可」のエンジニア求人を見つけた瞬間、うれしくてすぐに申し込んだのを覚えています。転職後は、少し余裕が出てきたタイミングで勤務時間を6時間に延ばしました。

登園の負担が軽減&子供の成長を感じる

子供に関しては、まず長女の登園という負担がなくなりました(まだ下の2人は保育園ですが、1人減っただけでずいぶん楽になりました)。昔から「一人で行かないで。離れないで」と言い続けていた長女だったので、自分一人で学校へ行くなんてできるだろうか……と最初は心配しましたが、3日もたてば普通に登校していました。

一方で帰りは、下の子たちの保育園と長女の学童の2拠点にお迎えに行かなくてはならず、時間がかかりました。しかし、長女はしばらくすると一人で早めに帰って、多少の留守番もできるようになりました。

保育園のイメージでいると心配になりますが、子供は親の想像を超えて一気に成長するものです。本当に1年生の夏休みまでに、見違えるようにしっかりしていきました。役割の図にあるように、簡単なお手伝いも頼めるようになりました。

小学校ならではの大変さと、学童について知っておきたいこと

基本的には楽になった一方で、小学校生活ならではの大変さもあります。例えば参観日や説明会などのイベントがたいてい平日の日中にあることや、学級閉鎖や自然災害のとき。インフルエンザなどで学級閉鎖になると外出も自粛を推奨されるので、子供は終日家にいることになります。台風や積雪などのときは、安全のため学校側が登校時間を遅らせることも。保育園時代に比べ、家で子供を見る時間をどう確保するかが課題でした。

また保育園に通っていた子を小学校入学のタイミングで学童保育に通わせる際に、多くの場合「入学式よりも先に学童での生活がスタートする」というのは盲点でした。保育園は3月までなので、春休みの途中である4月1日から学童に通い、小学校入学はそれよりも後。この点は、幼稚園育ちの自分にとっては知らないことでした。

ちなみに、学童に通うようになって保育園との違いを感じたのはこんな点です(私の地域の場合)。

  • 延長保育対応時間は、通っていた保育園より1時間短く19時まで
  • 洗濯物の持ち帰りはなく、持ち物も減る
  • 小学校のクラスが学級閉鎖になると学童も行けない
  • おやつはあるが、給食がない
  • お迎えに行かないと先生との接触がほぼなくなる

夏休みの間は終日学童に預けていましたが、給食がないので、毎日のお弁当作りが負担です。地域のお弁当宅配サービスを利用する手もありますが、うちの子はあまり口に合わないようだったので、作ることにしました。

また、普段学童に行っていると「学童以外の子と遊べない、誘われない」と言うので、学童を休む固定の曜日を作ったりもしました。

3.長女が中・高学年に。学童をやめ、過ごし方に変化が

長女が中・高学年になった頃には、子供たちが自分でできることもだいぶ増えました。逆に大変になったのは、成長とともにご飯や洗濯物の量が増えて、家事に時間がかかるようになったこと。勉強や宿題を見る時間も増えました。

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そして大きな変化として、長女が学童をやめ、家で過ごす時間が増えたということがあります。

家での時間をどう過ごすか

長女が4年生の時「学童に同じ学年の子がほとんどいなくなってしまってつまらない」と言うので、通うのをやめました。私の地域の学童保育では、高学年になるにつれ児童の人数が減っていきます。学年が上がるほど習い事が忙しくなったり、低学年の入所が優先されたりするためです。

やめた初日は「今日も明日も放課後の予定が全くない」という状況に戸惑っていた長女。思えば物心ついた頃から朝早くに登園、帰ったらご飯にお風呂と慌ただしい毎日を過ごしていたので、9歳になってやっと家でゴロゴロすることを覚えたようです。

学童をやめた子供たちの過ごし方というと、よくある例としては、週に2、3日ほど部活や習い事、塾に通い、残りは友達と遊ぶなり、家で過ごしたりが多いようです。しかし、どうしても困るのは夏休みなどの長期休み。通常ピアノや水泳は1日2時間ほどで終わってしまうため、習い事などを休みの間だけ増やしたりする子もいます。

長女はどうしているかというと、もともと大好きだった本をひたすら読むようになりました。長期休みになったらどう過ごしてもらおうと心配していましたが、心ゆくまで読書三昧しています。ちなみに学童の頃はお弁当作りが大変でしたが、家でのランチはスープや丼など簡単なもので済ませられるようになり、幾分楽になりました。

また、この頃から家族の土日の過ごし方が変わりました。

今考えると、幼児期は公園や有料の遊び場といった「楽しませてくれるところ」に行くという受け身な遊び方でしたが、大きくなると身近な場所で自発的に遊びや楽しみを見つけられるので、遠くへの外出が減りました。家の周りでスケボーに乗ったり、家の中ではドンジャラをしたり、工作をしたり。お母さんへの依存が減り、お父さんの出番が圧倒的に増えました。

おかげで私は家事をする余裕が増えて、疲れたら子供に「少し寝かせて」とお願いして昼寝もしています。自分以外の大人に頼るのではなく、子供に許可を取って自分の時間をもらう。そんなことができるようになりました。

時代とともに、働き方の選択肢が増えた

私の仕事面では、この頃デザイナとして現在の会社に転職しました。転職活動中は、求人媒体で「リモートワーク可」の条件で検索すると以前よりヒット件数が増え、世の中の働き方改革への意識の高まり、選択の自由度が上がったことを実感できました。

日々に余裕ができたこともあり、この転職を機に7時間勤務に延ばしました。少しずつ少しずつ、出産前の働き方に戻していっています。

最後に

図で振り返ると、子供の年齢とともに任せられる役割が増えて、家族の過ごし方が変わってきたことが自分でも分かります。また社会も徐々に子育てや女性のキャリア問題に関して「母親の愚痴」という認識から「社会の問題」だと捉えてくれるように変わってきた気がします。

家族や周囲の人たち、社会の変化のおかげで、11年かけて少しずつ少しずつ、「自分」のための時間が戻ってきた。今はそんな実感があります。

地域の事情や利用できる施設、勤務先の事情などの違いは当然あるかと思いますが、この記事が誰かの参考になればうれしいです。

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著者:shokola

shokola

エンジニアライクなデザイナ。
現在はクラウド電子カルテの開発に従事しています。
記事に出てくる読み聞かせ、長女の本好きに関してはまた長い話になるので、noteを見てください。
長女は本を読みすぎて日本語がおかしい|shokola|note

ブログ:いきあたりばったり Twitter:@shokolateday

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※記事中のお子さんの年齢などは、記事公開時点(2020年2月)のものです

編集/はてな編集部

*1:従業員が育児休業中、1カ月に「勤務日数10日以内」もしくは「就業時間80時間以内」で就業することの通称。2014年に育児休業給付金制度が改正され、育児休業中に就業する場合、上記の範囲内であれば、給与も育児休業給付金も受け取れるようになった。