こんにちは。淡路島出身のライター吉野です。

 

 

淡路島と聞いて、「どこ?」と思う人も多いですよね。淡路島は兵庫県にある島で、日本標準時の基準「東経135度」が通り、カレーのナンみたいな形をしています。

 

ちなみに、淡路島は日本最古の歴史書『古事記』の中で、本州よりも早く日本で一番最初に誕生した島だとも言われており、歴史的にも、文化的にもおもしろい見所がたくさんあるんです。

 

 

現在の人口は日本の離島の中では最も多い約13万人で、 市街地にはコンビニや24時間ジムも充実しているので、普通の生活を送る中で不便なことはありません。

 

 

そして何と言っても、海があり、山があり、魚がいて、牛がいて、酒があって、何でもあるんです。この島、最高なんです!

 

淡路島の人は、上下関係に寛容な人が多く、きちんとしたお辞儀や挨拶をあまり重視しない風土で育ったため、私は人ならば、どんな人でもタメ口で話しかけてしまう人間になりました! 人を立てたりすることがまったくできません(笑)

 

だけど、そんな淡路島で食べるご飯、見る景色、住む人々への感情の中に愛が含まれているのは事実です。自分が心の束縛を感じないで生きていける大切な居場所でもあります。

 

そんな筆者がローカル目線で、想像している以上に都会だけど、自然が豊かな淡路島の魅力をお伝えします。

 

目次

    1. 島の暮らしに溶け込む
    2. 扇湯
    3. 洲本オリオン
    4. Awabi ware
    5. こぞら荘
    6.  
    1. 知的好奇心が刺激される
    2. 五斗長垣内遺跡
    3. 淡路島牧場
    4.  
    1. 島のご飯はなんでも美味しいねん
    2. 鮨処 はなぶさ
    3. 窯焼きチャーシューと中国茶・たねさん
    4. NeKi額縁と珈琲
    5. 立ち吞み淡路島ブルース
  1.  

 

※取材は新型コロナウイルス感染症対策に配慮したうえで行い、撮影の際だけマスクを外しています。

 

島の暮らしに溶け込む

銭湯好きなら必見!珍しい卵形の湯船がある「扇湯」

淡路島には昔ながらの銭湯が3つあるのですが、戦争や震災を乗り越えたひとつが「扇湯」です。扇湯の大きな特徴は「浴槽のかたち」。

 

卵型の深い湯船を中心にぐるっと丸く腰掛けがドーナツ状に取り囲んでいて、その腰かけ部分と湯船の間に足を下ろす溝があります。みんなで湯船を囲んで向かい合いながら体を洗えるんです!

 

そのため、浸かりながらも洗いながらもお喋りできるという便利な形になっています。​​銭湯に詳しい方によると、「​​漁師町の濃厚なコミュニティに適した形状」とのこと。

 

男湯

 

扇湯の隣には土日祝を中心に営業している飲み屋「ふろやのよこっちょ」もあって、風呂上がりに淡路島の地酒が飲めて、銭湯から少し歩くと神戸と淡路島をつなぐ明石海峡大橋も見えます。

 

 

岩屋温泉 扇湯
〒656-2401 兵庫県淡路市岩屋1470
TEL: 090-6976-6541
営業時間 15:30~22:00 木曜休(祝日営業)

ふろやのよこっちょ
営業時間 15:00~20:00(変更あり)
不定休、問い合わせ 090-9283-1162(松本)

 

島唯一の映画館「洲本オリオン」

 

開業年は不明ですが、「洲本オリオン」の名称になったのは昭和26年で、浄瑠璃小屋・芝居小屋を経て洋画専門館となった島唯一の映画館です。現在、不定期で邦画から名作映画まで観れて、この日は『ドライブ・マイ・カー』を上映していました。

 

一般向けに貸し館としても営業しており、ライブやカラオケ大会などもできます。誰か一緒にここで誕生日パーティをやりましょう〜!

 

 

洲本オリオン
〒656-0025 兵庫県洲本市本町5-4-8
TEL: 0799-70-6719
https://www.sumoto-orion.com/?p=movie_list

 

島の美しさを意味する器「Awabi ware(あわびウェア)」

器にのっているのは淡路島発祥の「元気巻」。シャリが少なく、きゅうり、玉子焼き、しいたけ、高野豆腐、にんじんが入ってて美味しいよ〜!

 

淡路島出身の陶芸家・岡本純一さんが、江戸後期から明治期に栄えた珉平焼(みんぺいやき)の制作スタイルにヒントをもらい、「受け継ぐ器」をコンセプトに作っている器「Awabi ware」。現在ギャラリー兼ショップに行くと、実際に手に取って器を買うことができますよ。​​

 

建物は元診療所のため、扉の所に「衛生法に依り工場立入固御断り」の看板が

 

Awabi wareの紹介にある最初の画像は、青マットとベージュの「二彩皿」。別の印象を持つ二色が重なり合うのがとても綺麗で、毎回使うたびに料理の盛り付けが楽しくなります。

 

ちなみに、Awabi wareは兵庫県淡路市のふるさと納税の返礼品にもなっているので、気になる方はチェックして見てください。

 

写真提供: Awabi ware

 

Awabi ware
〒656-2155 兵庫県淡路市 大町上507-1あわびウェア工房
TEL: 0799-70-6719
https://awabiware.net
https://www.instagram.com/awabi_ware/

 

人の心に芽を出すような食と雑貨がちりばめられた「こぞら荘」

写真提供:こぞら荘

 

淡路市の里エリアの山の上に一軒家カフェ「森のオト」、焼き菓子をテイクアウトできる「こぞらのおやつ」、宿やカフェで使用している暮らしの道具を販売する「山の上の雑貨店」、1日3組限定の宿「森の宿」の衣食住を楽しめる4つの複合施設があります。

 

「島のレモンスカッシュ」(左)と春限定メニューの「ショートケーキパフェ」(右)

 

「こぞらのおやつ」では、ドリンクとお菓子をテイクアウトして、外のベンチに座って食べることができます。日が当たって気持ちいい〜!

 

写真提供:こぞら荘

 

どの複合施設も細かいところまで気を配っていて、オーナーの藤江さんが自分の感覚を大切にし、美しいものを見失わないように生きていく気迫のこもった姿勢が伝わってきます。

 

こぞら荘
〒656-2143 兵庫県淡路市里601-170
https://kozorasou.com/
https://www.instagram.com/kozorasou/?hl=ja

 

知的好奇心が刺激される

弥生時代の鉄器づくりを行ったムラ「五斗長垣内遺跡(​ごっさかいといせき​)」

五斗長垣内遺跡は弥生時代に鍛冶屋(かじや)のムラで、当時としては最新技術だった鉄器づくりを行っており、遺跡からは朝鮮半島製の斧などの100点を超える鉄器が発見されています。

 

しかし、邪馬台国の女王・卑弥呼が登場する時代になると、鉄器作りを行っていた村の人々はこつ然と姿を消すことになり、その後、800年近くの間、村から人の姿が途絶えたそう……。村の人たちはどこに行ったのか、未だわかっていないのです。

 

遺跡から見える瀬戸内海の景色

 

標高200mの瀬戸内海が見渡せる壮大な高地からは瀬戸内海が一望でき、この場所に集落を作ったのも、海からの攻撃を防御するためだからだと思われています。

 

当時の鉄器工房を復元した建物の中に身を置いた時、自分が今どこにいて何をしているのかわからなくなる感情を呼び起こされますよ。

 

五斗長垣内遺跡
〒656-1601 兵庫県淡路市黒谷1395-3
TEL:0799-70-4217
開館時間:9〜17時(休館日は毎週月曜日)
見学:無料
https://gossa-awaji.jp/remains/

 

牛舎に流れるモーツァルト「淡路島牧場」

 

酪農の盛んな南あわじ市にある牧場「淡路島牛乳」は島の給食にも必ず出ていて、みんなこの牛乳を飲んで大きくなりました。

 

入場は無料で、乳搾り体験や搾り立ての牛乳でチーズやバター作り体験ができます。

 

 

以前、訪れた際に、牛舎から「いい音楽が聞こえてくる」と思い見に行くと、なんと乳牛にモーツァルトの曲を聴かせていました(1日8時間以上聴かせているそう)。

 

人への音楽療法からヒントを得て、牛にもリラックスしてもらうためにこの取り組みを始めたんだとか。モーツァルトを聴いた牛の生乳は「モーツァルト牛乳」という名前で販売されていますよ。

 

 

淡路島牧場
〒656-0443 兵庫県南あわじ市八木養宜上1番地
TEL:0799-42-2066
開演時間:9〜17時
入場:無料
http://www.awajishima.or.jp/

 

島のご飯はなんでも美味しいねん

淡路島は食料自給率が100%を超えており、水産や野菜や畜産まで何でも「淡路産」があるんです。そう、ここは食材の宝庫! そんな中、4つのバラエティ豊かな飲食店をご紹介します。

 

新鮮な魚をその場で調理してくれる「鮨処 はなぶさ」

カワハギのお刺身

 

洲本市の新開地と呼ばれている飲み屋街にあるお寿司屋さん。料理を注文するとカウンター席の横にある水槽から魚を獲って、その場でさばいてお刺身にしてくれます。カワハギのお刺身が終わったあとは、頭と骨を唐揚げにして出してくれる贅沢っぷり。

 

さわらのタタキのにんにくのせ

 

「さわらのタタキ」は薬味としてネギとにんにくがたっぷりのっていて、ご主人自家製のぽん酢につけて口に入れた瞬間、にんにくの香りがわっしゃーと迫ってきます。

 

 

鮨処 はなぶさ
〒656-0025 兵庫県洲本市本町4丁目2-18 JOYプラザ 1F
TEL: 0799-23-1944

 

一生食べ続けたい釜焼きチャーシュー「たねさん」

 

神戸で中華の修行をしたシェフ・種市さんがこだわりの製法で漬け込んで、釜で焼いた「淡路島叉焼(チャーシュー)」。初めて食べた瞬間、しっとり感とジューシーな旨みの虜になってしまい頭が真っ白に…..。

 

チャーシューに使っている「えびすもち豚」(時期によっては違う種類の豚も使用しています)はバナナを飼料としており、「えびす様のほっぺが落ちるほどやわらかい」といった意味で「えびすもち豚」と呼ばれています。

 

 

たねさんのチャーシューはレトルトもあるので、持って帰って家でも食べてみるけど、お店で食べる味を中々再現することができず、たねさんの偉大さを思い知ります。

 

たねさん 釜焼きチャーシューと中国茶
〒656-0025 兵庫県洲本市本町5丁目4-18
TEL:0799-20-5479
http://tanesan-awajishima.com/
https://www.instagram.com/tanesan123/

 

珈琲を飲みながら額縁を眺める「​NeKi 額縁と珈琲」

 

 

南あわじ市にある額縁屋と喫茶店の「Neki」。朝8時からやっているので、朝早く起きた日のモーニングにもぴったり。珈琲の値段は400円からで、珈琲以外にもハーブティーなどがあります。

 

もともと花屋だった空間には、晴れた日に大きな窓から日差しがたっぷり注ぎ込まれ、丸い窓のあるテーブルで光を追いかけながら本を読むのが楽しい。

 

 

昔、店主の加藤さんから「額縁は中に入るものと、その場所をつなぐ役割をしてくれるもの。このお店も来てくれる人にとって額縁のような存在になれたら」と聞いた時この雰囲気の理由のひとつに触れた気がしました。

 

 

「​NeKi 額縁と珈琲」
〒656-0304 兵庫県南あわじ市松帆古津路577-104-2F
TEL:0799-38-4854
https://www.ne-ki.net
https://www.instagram.com/neki.frame/

 

夜な夜な音楽好きが集う「立ち呑み淡路島ブルース」

 

淡路島で数少ない立ち呑み屋さん。店主の弦ちゃんがひとりで切り盛りしているためこじんまりとしたお店で、レコードと料理への愛がほとばしる。

 

お店には上は80歳から下は5歳の方まで幅広い年齢層のお客さんがいて、身の回りの世間話をする合間に弦ちゃんがシビれる音楽をかけてくれます。

 

 

みんなでワイワイと行かなくても、ちゃんとひとりの時間も楽しめるので、訪れる際はひとりでも大丈夫! 島の食材を使った日替わりで変わる一品料理も食べてみてください。

 

 

淡路島ブルース
〒656-0025 兵庫県洲本市本町6丁目1-19
https://www.instagram.com/awajishima_blues/

 

淡路島の精神性を、立ち呑み店の店主の話から紐解く