こんにちは、編集者の友光だんごです。僕は昨年10月、神奈川県の「辻堂(つじどう)」へ移住しました。

 

それまでは15年ほど都内に住んでいたのですが、コロナをきっかけに自然の近くに住みたい気持ちが湧いてきまして。ジモコロで「移住のハードル」をテーマに記事を書くくらい悶々と考えた結果、1年後に引っ越しとなりました。

 

辻堂は都内から電車で約1時間。相模湾に面し、鎌倉や逗子・葉山のさらに西のほう、藤沢と茅ヶ崎の間に位置しています。

元々は工業地帯だったものの、2000年代から再開発が進み、 2022年には「本当に住みやすい街大賞」の1位にランクインした人気上昇中の街です。

 

そんな辻堂に数ヶ月間住んでみてわかったこと。それは便利さと自然のバランスが抜群なベッドタウンだということです。

 

<辻堂の魅力はこんなところ>

・JRで横浜・品川・渋谷・東京まで直通1時間以内で行ける
・駅前のテラスモールに大体全部ある
・飲食店は「駅前」「ロードサイド」「海近く」と選択肢豊富
・辻堂駅から海岸まで徒歩20分、田舎すぎない自然の近さ
・潮風を感じられる大きな公園「辻堂海浜公園」はプールも併設

・車無しでも便利に暮らせる

 

今回の記事では辻堂の移住先としての魅力と相性について、まだ住んで4ヶ月の「湘南&辻堂初心者」の視点でジモコロ編集部のくいしんさんと紹介していきます。

 

「住みやすさ」が辻堂最大の魅力

辻堂駅の北側にはビルやマンションが増加中

 

「1年前くらいは『このまま東京に住んでていいのか?』と悶々としてただんごさんですけど、ついに移住したんですね!」

「移住というか『引っ越し』って感じですけど。辻堂暮らしを満喫してます」

「そもそも、東京を離れたいと思ってた理由は何でしたっけ?」

「コロナのステイホーム期間を経て、『自然のそばで暮らしたい』って気持ちが強まったんです。あとは地方を取材してその面白さを伝えてる自分が、東京で生活してる違和感も徐々に生まれてて」

「とはいえ辻堂はがっつり『地方』とまでは行かないですよね。わりと便利な街だし、都内も通える距離だし」

「いろいろ考えてみて、まさにその『便利な街だし、都内も通える』のが自分に合ってるなと思ったんです。我が家の状況をまとめました」

 

……東京・下北沢のオフィスに週2〜3日出勤。都内の取材や対面MTGもあり。多い時は週1回ペースで地方出張。本社の長野オフィスへも月1〜2回通う。
岡山の郊外出身で、自然やアウトドアもわりと好き。

……都内会社に勤務だが、出社なしのリモートワーク。岡山の中心部出身で、田舎暮らしへの憧れは無し。

 

「僕が下北沢へ通勤してるのと、出張が多いので新幹線の停車駅までのアクセスが重要で。その点、辻堂からJRで品川駅や東京駅まで直通ですし、隣の藤沢駅から小田急線で下北沢まで1本なんです」

「夫婦間で、自然への欲求が強いのはだんごさんだけだったんですね」

「そうなんです。妻は断然、住みやすさ重視で。どこに住むかは僕の意向だけじゃなく、妻ともかなりすり合わせましたね。その点、テラスモール湘南(以下、テラスモール)の存在は辻堂への移住の決め手のひとつでした」

 

辻堂の決め手は「テラスモール」

「テラスモールはオープン当初、駅に隣接した形でこんなに大きいショッピングモールができるのかって衝撃的でした。当時、“国内最大級のショッピングモール”って謳ってました」

「テナントが超充実してますよね」

 

<テラスモールのテナント(一部)>

【食料品】サミット、カルディ、成城石井、久世福商店
【生活雑貨】無印良品、LOFT、KEYUCA、3COINS
【インテリア】unico、ACTUS、Francfranc
【衣料品】ユニクロ、BEAMS、ZARA、H&M、ユナイテッドアローズ
【書店】有隣堂
【映画館】109シネマズ
【子供関連】アカチャンホンポ、ボーネルンド、プレイルーム、キッズテラス
【化粧品】ISETAN MiRROR、ジョンマスターオーガニック、ロクシタン、LUSH

 

「上に挙げた以外、ファッションブランドも色々入ってますし、食品売り場もデパ地下並みに惣菜からスイーツまで充実してます。衣食住、全部揃ってますね

 

テラスモール1階の湘南マルシェは青果や魚介類がそろう

 

湘南しらすとか、神奈川近海の魚介も豊富です

 

スイーツ売り場もちょっとしたデパート並。いい感じの手土産とかも買えます

 

「調べたら全部で281店舗もテナントが入ってるんですね」

「引っ越し後に細々と必要になった時も、全部テラスモールに買いに行きました。フードコートや飲食テナントもあるので、今まで都内に住んでて渋谷とか新宿とか表参道に行ってた用事が、全部テラスモールで完結するんですよ」

「家からは近いんですか?」

「自転車で10分かからないです。駐輪場も2時間まで無料なので」

「辻堂から出なくてもよくなりそうですね」

「実際、妻は引っ越しから1ヶ月間で一度も電車に乗らなかったんです。すべて辻堂で生活が完結してて。家にこもってたわけでもなく、買い物したり外で食事したり、普通に楽しく生活してましたね」

「へえー! 」

「まあ、インドア人間なのも大きいですけど。休日に電車や車で遠出すること自体が好きな人だと、物足りなくなるかもしれません」

 

☆バランスが偏らないよう、だんご妻視点のコメントも紹介します

「日用品からコスメ、ちょっといいスイーツなど自分へのごほうび、友人へのプレゼントまで、買い物がここへ行けば全て完結します! ISETAN MiRRORがあるのでデパコスも試して買えます。子ども向けのプレイルームやキッズテラスもあるので、家族連れのお客さんもすごく多いです」

 

「元々の移住理由にあった『自然』で言うと、やっぱり海があることが大きいですか」

「そうですね。家から辻堂海岸まで、自転車で10分以内です」

 

「海岸の手前には大きな県営の海浜公園とジャンボプールもあります。休みの日はたまに海岸を散歩したり海沿いを自転車で走ったりしてますけど、空が広くて癒されますね」

「空が広い」

「高い建物がないし、空気も穏やかな気がして。生まれ育った岡山も、すごく空が広かったんです。東京と違って、辻堂の空は岡山に似てて落ち着く気がします」

「人や店が多すぎなくて、ほどほどに自然が近いのが辻堂なのかもなあ」

 

車があればアクセスがさらに広がる

テラスモールのテラスも空が広くて晴れてると気持ちいい

 

「辻堂の飲食店、いろいろ行きました?」

「まだそんなに深堀りできてないですけど、思ってた以上に選択肢が多いなあって思いました。『駅前』『ロードサイド』『海の近く』とざっくり飲食店の多いエリアが3つあって。チェーン店といい感じの個人店、あとは湘南っぽい店もあるので楽しいですね」

 

駅前にある「BRUNCHES」はカリフォルニアスタイルの朝食が終日食べられる店。土日の遅めの朝ごはんに最高。ハンバーガーも美味しい。サーフィン帰りのお客さんもいて湘南感も味わえる

 

駅から伸びる海岸通りに面した「Cafe Hütte」。アンティークな店内がおしゃれで、カレーがめちゃ美味しい

 

駅の西口近くにあるマフィン屋「ME BAKE」。甘い系からしょっぱい系まで充実

 

「元からある店に加えて、再開発以降の新しい店も増えてる印象ですね」

 

「飲食店も気分に合わせた選択肢があるのが魅力です! カフェやパン屋さんも豊富ですね。リモートワーク時のお昼ご飯も、近所でテイクアウトしたり、ふらっと食べに行って気分転換してます。以前より夫との外食も増えました」

 

線路脇には、飲み屋が並ぶ小さな通りも

 

「移動は自転車でいける感じですか?」

「そうですね。今のところ車はなくても不便はないです」

「聞いてて思ったんですけど、東京から離れて車無しでも快適に暮らせる西端が神奈川だと辻堂or茅ヶ崎あたりかもな〜と思いました。それ以上西に行くと、車がないと厳しくなりそう。僕が住んでる小田原だと、ショッピングモールとかも車前提になってくるので」

「辻堂は狭い路地が多いので、駅から海へ向かう広い道路は土日になるとよく渋滞してますね。日常生活レベルだと、車より自転車のほうが移動手段としてはストレスがないかも。遠出するなら車があったほうがいいですけど」

「車があると、鎌倉や逗子にもすぐ出れるし、山梨や静岡、都内がだいたい1時間ちょっとで行ける範囲になるから楽しいですよ!」

 

駅から少し遠いが、書店や専門店が集まる複合施設「湘南T-SITE」も辻堂エリア

 

郊外のベッドタウンはやっぱり便利

観光地としても有名な江ノ島までは、辻堂駅から電車で15分ほど

 

「都内への通勤は苦じゃないんですか?」

「週2〜3日ならギリ行ける、って感じですね。正直、通勤が毎日だとキツくなってくるかも。以前より通勤時間が増えた分、平日の他の時間が削られてるのは悩みですね……」

「関東近郊のベッドタウンに住むと、通勤時間が長くなるのはトレードオフですよね〜」

「ただ、湘南新宿ラインや東海道線のグリーン席に乗れば、PCを広げて作業できます。プラス600〜1000円くらいなので、毎回は使わないですけど、仕事が詰まってる時には利用してますね」

「1時間くらい作業時間を確保できるのはいいですよね。都内の電車移動だとPC広げて作業とかはまず無理だし、うまく使うと効率よさそう。都内に出るハードルが上がったデメリットは他にないですか?」

「もともとインドアですし、週末の休みは家や近所で過ごすことが多かったんですよね。友人たちのライフステージも変わって、しょっちゅう会うわけでもなくて。そこではあんまり困ってないですね。出不精でよかったのかも」

 

「湘南エリアをはじめ、都内から1時間くらいのベッドタウンが合うかどうかってそのあたりの条件がありそうですね。年齢と、遊び方と、家族がいるか・車があるかとかのライフステージと」

「30代で家族がいて、だと郊外のベッドタウンはめっちゃ便利なんだな〜と住んでみて実感しましたね。ちなみに辻堂の家探しは結構大変でした

「物件が少ないとか?」

「2022年秋〜冬時点の話ですけど、2LDK以上で駅から徒歩圏内の賃貸物件はなかなか空かないですし、競争率もすごくてすぐ埋まってました。不動産屋さんに聞いたら、家賃相場も年々上がってるみたいですね」

「家賃も都内並み……?」

「いや、都内よりは安いです! ただ、地方価格まではいかないって感じですかね。安さ重視の人にはあんまりおすすめしません。どちらかというと住環境を重視する人向きかも」

 

「海が近い土地なので、引越しの際はハザードマップをチェックして津波や浸水の注意エリアは避けました。ファミリー層が多いので、治安への心配はあまりなかったです」

 

「今後、ずっと辻堂に住みたいって気持ちはあるんですか?」

「うーん、あくまで今のライフステージに合ってるのが辻堂なんだと思います。今の家も賃貸なので、もっと地方に移住する可能性は全然ありますね」

「僕の住んでる小田原もおすすめですよ。待ってます!」

 

おわりに

辻堂に引っ越して以降、夫婦で週末に遊びに出たり、一緒に食事する回数が増えました。日常会話も多くなって、夫婦仲にはめちゃくちゃプラスになっています。ありがとう辻堂。

それも僕たち夫婦に辻堂が合っていたという話だと思うので、移住先を決めるときには、お互いの条件をしっかりすり合わせることが重要かもしれませんね。

 

ちなみに辻堂は再開発された街のため、土着っぽい文化や店は湘南の他の街に比べると少ない印象です。その分、東京のような都会の暮らしに慣れた人には肌に合うかもしれません。

「ちょっと都内を離れようかな」「湘南に住みたい」みたいな人に、少しでもこの記事が参考になれば幸いです。

 

以前、ジモコロで移住先としての「逗子」を取材した記事もあるので、湘南エリアが気になっている人は合わせて読んでいただけたら。それではまた〜!

 

☆記事最後の画像ギャラリーで、辻堂のおいしい店を紹介してます