やりたいことが見つからない、好きなことを仕事にしたい……
仕事探しにはさまざまな悩みや迷いがつきまとうもの。仕事の先輩たちは何を基準に仕事を選び、どう自分の道に進んだのか。
もしもしホットラインのカスタマーセンターでチームマネージャーとして現場を統括する、平賀慎平さんに聞きました。
大手通信企業から委託されたカスタマーセンターで、チームマネージャーとして30名のスタッフを束ねる平賀慎平さん。もともとは設計やデザインに興味があったという彼の、現在の仕事に就くまでの道のりを聞いた。
いい上司に恵まれたから
次に進もうと思えた
平賀さんは神奈川県横浜市で3人兄弟の末っ子として生まれた。スポーツが大好きで、女の子がちょっと苦手。小学校2年生のときに兄の影響で剣道を始め、高校3年生までの10年間心身の鍛錬に励んだ。
はじめて具体的に将来の仕事について考えたのは16歳のとき。きっかけは、自宅のリフォームだ。雑然とした家の中が徐々に快適な空間になっていく様子を間近で見て、「自分も家を設計してみたい」と思ったのだという。高校卒業後は、建築やデザインが学べる専門学校へ進学し、「リフォームや設計ができる部署のある」外壁塗装をメインとする会社に就職した。
入社してすぐの頃は現場で塗装の基礎を叩き込まれながら、希望していたリフォームの部署への配属を待った。ところが3ヶ月後、事業が縮小し、その部署がなくなることを知る。
「すぐに退職を決意しました。塗装をやりたかったわけじゃないし、会社に入社した意味がなくなってしまったので。だったら辞めて、2級建築士の資格を取ってから再就職しようと考えたんです」
退職後は独学で資格試験の勉強に励み、昼はアルバイトをして生活を支えた。そのアルバイト先が株式会社もしもしホットラインだ。
「電話の仕事を選んだのは、どんな仕事でも電話は使うと思ったから」。人と接するのは得意だったが、相手の顔が見えない電話でのコミュニケーションに最初は戸惑うことも多かったという。「顔が見えないとお客様が何を考えているのかわからないし、会話の間もつかめない。とにかく経験を積んで慣れるしかなかったですね」
勉強とアルバイトの両立という生活を3年間続け、その間に2級建築士の試験を2回受けた。しかし、結果は不合格。
「2回目に落ちたとき、(建築業界への就職は)もういいかなと思いました。すでに就職している友達とバイトの僕の給料が同じくらいだったり、就職しても給料が安いままで長い間昇進もできないっていう話もよく聞いていたので、違う道もあるんじゃないかなと思い始めたんです」
そんなときに、上司から「SV(スーパーバイザー)をやってみないか」と打診され、これを快諾。
「上司やチームに恵まれていたんだと思います。普段から、これやってみろ、あれやってみろって仕事や情報を惜しみなく提供してくれる上司だったので、自然と次のステップに進んでみようと思えたんです」
コールセンターの仕事は
剣道の団体戦のようなもの
4年後の2006年には、コールセンター全体のマネジメントを担うマネージャーへと昇格。現在の部署には昨年の8月に配属された。アルバイト時代からの気心の知れたチームとは違い、一から人間関係を構築しなければならず、自分の甘さやマネジメントの難しさも痛感した。商品を売る仕事とは違い、達成感を見出すことも難しいという。
「だからこそ人間関係が大事です。部下は自分の思ったとおりには動いてくれないですし、任せてもやってくれないこともある。マネージャーの仕事はそこをどううまくハンドリングするかです。責任感を持たせながら、今よりもちょっと上のレベルの仕事をさせるということは常に意識しています。部下が慕ってくれたり、人間関係がうまくいっているときはうれしいですね。これからの課題はもっとクライアントからの信頼を得ること。そのためにはチーム全体の品質が一番大きなポイントだと思うので、自分だけではなく、センター全体をよい方向へ導いていきたいと思っています」
そんな現在の仕事を平賀さんはこう例える。
「いわば剣道の団体戦のようなもの。一人ひとりの勝負をつないで、最終的にチーム全員で勝つことができればいいんです。一人が目立つことも重要かもしれないけれど、それよりはチームで勝つということを目指していきたいと思います」
建築業界への未練は一切ない。「マネジメントが一番やりたい仕事」だと思えたからだ。
「剣道部の教えに、“根力”という言葉があるんです。根を張って頑張ろうという意味なんですが、結局、継続することに一番意義があるんじゃないかと思います。根を張って努力すれば何でもできるし、道が開けてくる。最初にやりたかった仕事とは全然違いますが、今はマネージャーという仕事に魅力を感じているので、満足しています」
センター内のチームをまとめ、皆さんから慕われている平賀さん。担当する部下を育成し、チーム全体をマネジメントする。クライアントとの打ち合わせも多い。取材日は撮影で緊張しないよう、同僚からストレスが解消されるパワーストーンを借りたとか。
豊富な知識とスキル、熱い魂を兼ね備えたナイスガイ。どんな忙しいときも焦らず、ピリピリせず、どっしりと構えていて頼りになる人です。難しい問題も彼に相談すれば笑顔で解決してくれる、そんな安心感があります。おかげで、みんながポジティブな雰囲気、良い環境の中で仕事をすることができています。
(株式会社もしもしホットライン スーパーバイザー 琴基賢さん)