「確定申告」とは何ですか?

~年末調整後でも税金が戻ってくることがある!~

1.「確定申告」とは?

パートやバイトでも、正社員でも会社から給与を受け取っている人は毎月の給与から源泉所得税を引かれ、その年最後の給与等の支払時に、1年間の所得税を「年末調整」することで納税が終了します。一方、「年の途中で退職して年末調整を受けていない人」や「会社から受け取る給与以外の所得がある人」などは、自分で1年間の所得を税務署に申告することによって、すでに納付した源泉所得税とその年の所得税との調整を行います。これを「確定申告」といい、毎年2月中旬から3月中旬にかけて実施されます。

この確定申告をすると、年末調整をした人でも、いったん納付した税金が戻ってくる場合があります。

2.「医療費が多い人」や「年の途中で退職した人」は確定申告で税金が戻ってくる

確定申告により税金が戻ってくるケースをいくつか紹介します。

(1)自分や家族の医療費の年間合計額が10万円を超える場合
自分もしくは同一生計の配偶者や親族の年間医療費が10万円を超えた場合は、確定申告のときに10万円を超えた分を所得から控除(医療費控除)することができます。医療費控除で年間所得が少なくなることにより所得税も減額となり、その分、納付した所得税が戻ってきます。医療費控除を受けるには、医療機関からのレシートと、給与所得者は源泉徴収票が必要になります。

(2)住宅ローン等を利用してマイホームの取得や増改築等を行った場合
ローンを利用して自宅の新築、購入、増改築などを行った場合、一定の要件を満たすと所得税が減額(住宅借入金等特別控除、特定増改築等住宅借入金等特別控除)となり、還付金がもらえます。1年目は自分で確定申告することが必要ですが、2年目以降の減税措置は年末調整で受けられます。なお、住宅が夫婦の共有名義となっており、夫と妻が別々に住宅ローンを借りる場合には、夫婦ともにこの控除を受けることができます。

(3)退職後、年末までに再就職していない場合
年の途中で退職した人は、退職前の給与から源泉所得税が引かれており、すでに所得税を納付した状態になっています。再就職しないで年末調整を行わないと、所得税は差額調整されないまま納付完了となってしまいます。こういう場合、払い過ぎの状態になっていることが多いので、自分で確定申告を行うと、たいがい税金が還付されます。

3.「ふるさと納税」で税金が戻ってくる

最近、「ふるさと納税」が話題となっています。これは、自分の選んだ自治体に寄附を行った場合に、その自治体からお礼の品として地域の特産品等のお肉や果物などがもらえる仕組みですが、これとあわせて、寄附額のうち2,000円を越える部分(一定の上限あり)が所得税と住民税から控除(寄付金控除)されます。つまり、ふるさと納税をすると、所得税が減額されるので、確定申告をすると税金が戻ってくるのです。

なお、2015年4月より始まった「ワンストップ特例制度」を使えば、寄附ごとに申請書を寄附先の自治体に郵送すれば、確定申告をしなくても、税金が戻ってくるようになっています。

4.2017年からは市販薬を購入しても税金が戻ってくることがある

2017年1月から、医療費控除の特例である「セルフメデュケーション税制」が開始されます。この制度は、対象となるOTC医薬品(ドラッグストアや薬局で処方箋なしに購入できる医薬品)を1年間に12,000円以上購入した場合、12,000円を超えた金額が88,000円を限度として所得から控除され、確定申告をすれば、所得税の一部が戻ったり、住民税が軽くなったりする仕組みです。ただし、世帯主が自治体の特定健康診査(メタボ検診)や会社の健康診断などを受ける、予防接種をうけるなど、健康管理に取り組んでいることが必要で、また、前述した医療費控除と一緒に利用することはできません。

5.確定申告は自分で簡単にできる

「確定申告によって税金が戻ってきそうだけど、申告書の作成や税務署への届出が大変そうだ」と思われた人はいませんか?

今は、インターネットで国税庁のホームページの「確定申告書等作成コーナー」を使えば、必要事項を入力するだけに申告書を作成することができますし、申告書を打ち出して税務署に郵送すれば、税金の還付額が指定した銀行口座などに振り込まれるようになっています。

このように、確定申告は、自分で簡単にできるようになっていますので、税金が戻ってきそうな人は、是非、やってみてください。

社労士

深瀬勝範(ふかせ かつのり)

Fフロンティア株式会社代表取締役。社会保険労務士。1962年神奈川県生まれ。一橋大卒。大手電機メーカー、金融機関系コンサルティング会社、大手情報サービス会社を経て、独立。企業・公共団体の人事制度設計や事業計画の策定等のコンサルティング、人事労務専門誌などに寄稿も行っている。著書に「労政時報別冊 実践人事デ-タ活用術」(労務行政)。

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